東芝が6000億円の大規模増資を決めたと。

増資により、決算期末での債務超過、上場廃止リスクは回避することになります。

 

今回の増資は、特定の株主に対して行われる第三者割当増資によりますが

どうやら海外を中心とした『物言う株主』に割り当てられるようです。

東芝ブランドに対しての割安感があるからでしょう。

 

一般的に、増資は既存株主にとってマイナス要素大きいものです。

発行済み株式数が増えることから、『持ち株比率の低下』と『一株当たり利益の減少』

という二つのマイナス要素があります。

 

この点、現行の法制度では『持ち株比率の低下』についてはやむなしとし、

『一株利益の低下』について、著しく低い価格での発行については制限をかけることで

既存株主の利益を守ろうとしています。

とはいえ、株式需給の関係もあり、概して増資によって株価は下落します。

 

また、海外の投資家、ヘッジファンドによる応募ということは

短期的な投資回収が目的として大きいだけに、

企業価値の向上に向けた圧力が強くなりそうです。

 

企業価値を向上させるという点では良いことなのでしょうが、

短期的視点での投資となると、既存株主(多くは東芝ファン)が期待する?

継続企業としての価値を回復させていく方向とは少し違うのかもしれません。

 

 

当面の債務超過による上場廃止リスクは回避されるのでしょうが

東芝にとっては厳しいかじ取りが求められそうです。