東芝の不適切会計問題では、あまり話題になっていませんでした
原子力事業子会社のウエスティングハウスの資産価値の取り扱いですが、
今回の決算では3000億円の減損損失が計上されるとのこと。


設備投資の回収には時間がかかります。
一般的に固定資産の計画(耐用)年数の期間で減価償却により
利益から回収されるとの計画としています。


ところが、諸般の状況により、当初予定していた期間での
回収が難しいと判断されたときには、回収不能部分の帳簿金額を
損失処理することとなっています。この処理を減損処理といいます。


企業にとっては〝投資の失敗〟と判断することになり、
当初の投資判断を問われるものでもあるため、
できるだけやりたくない処理といえます。


経営判断の問題としてコーポレートガバナンスでも重要なポイントとなります。
経営判断における取締役の責任は結果責任ではないですが、
経営判断のプロセスは重要となります。


経営判断の前提となる事実認識に関して、
きちんと調査を実施したかどうか。
当該事実に関してしっかりと議論がされたかどうか。
その結果は合理性を持ったものかどうか。


このようなプロセスが適切に行われていれば
取締役の善管注意義務は全うされていることになります。