平成24年2月9日(木) 晴れ



大手企業の業績不振が報じられています。

やはり震災、タイの洪水といった災害によるサプライチェーンの

立ち直りが遅れていることが主因のようです。



企業の戦略がますます重要になってきており、

人材育成、組織づくりは喫緊の課題でしょう。

『組織は戦略に従う』といいますが、帝人の動きは興味深いです。



帝人が中長期計画で炭素繊維や樹脂を手掛ける事業子会社を

吸収合併して本体に取り込む方針だと。

2003年に持ち株会社制に移行していたものを見直すことになります。


加藤 弘之のブログ-2012020911170000.jpg


持ち株会社制では、親会社は子会社の株式を保有して

グループ全体の経営の舵取りを行い

各子会社は独立して事業を行い競争力を高める戦略の組織です。



当初の狙いとしては、個別事業の担当者に権限と責任を委譲して、

遠心力を働かして各事業の競争力を底上げすることであったようです。

ところが成果もあったものの色々と弊害が出てきたのだと・・・。



いわばセクショナリズム的なもので、各会社間での連携がうまくいかない、

二重コスト問題、資産移転時の不自由さ、などなど。

最も大きい問題は、子会社の力が強くなりすぎてハンドリングしづらくなってきたこと。



遠心力が効き過ぎて、逆に求心力が弱まってしまったのだと(笑えない話ですね)。

グループ経営を志向する会社にとって重要な問題となります。

子会社の配当をどうするか?といったことはよく聞かれますね。



企業の子会社の存在理由を考えると、一部の中小企業のように

節税目的だけの場合はともかく、通常は企業の成長発展を意図してのものでしょう。

だとすれば、当然グループ経営で考えることになり全体最適を目指すことになります。



ところが、現実はなかなかうまくいきません。

現場は変化を嫌いますし、既得権の問題も大きいでしょう。

しかし、トップは状況に応じて適宜、組織を見直していく必要があります。



柔軟な発想と思い切った決断が求められているようです。

まあ、変えすぎるのは問題ですが・・・・(笑い)

あくまで戦略あっての組織ですから。