平成23年6月21日(火) 晴れ
何かと不満の多いIFRS(国際会計基準)の導入ですが、
ここにこきて適用方針の見直しが議論されることになったようです。
直接の原因は、東日本大震災からの復旧・復興との関係ですが・・・。
そもそもグローバルで活動していない国内企業にとっては
上場会社に一律適用されることにかなりの抵抗感がありました。
事務負担が大変ですからね。
これまでの日本の基準では、期間利益を重視しており、
1年間でこれだけ頑張りました的な報告をしてきました。
すなわち損益計算書(P/L)重視の運用です。
ところが、国際会計基準(IFRS)では、期末時価を重視し、
将来にどれだけの価値を生み出せる会社かで評価されます。
すなわち貸借対照表(B/S)重視の運用となります。
分かりやすくいうと、会社を収益物件的な視点でとらえていることになります。
まさに投資家目線での情報で、M&Aを意識した評価とも言えます。
だから、一般的にIFRS適用に前向きなのは機関投資家となっています。
グローバルスタンダードといえば聞こえがいいですが、
会計の世界も国益の戦いが激しいところです。
国益を考えながら対応していかないと振り回されてしまいます。
会計戦争という言葉もあるぐらいですから、
適用延期でよかった・・・で済まさずに、
この機会にしっかりと議論を深めたいものです。