レアルマドリッド下部組織メソッド
先日、レアルマドリッドの下部組織のコーチを招き、講習会を開催しました。
今回の開催理由の一つには、日本人の技術レベルは確かに向上しておりますが、活躍出来ない選手がこれを機に開花してくれたらと思いました。

特別にレアルマドリッドのスタジアムにて開催し、多くの現地在住日本選手、及び指導者の方々に参加していただきました。

私が長年見てきた原因の一つに、土台となる小・中学生年代の基本戦術が抜け落ちているので、使うべきところで自分の武器(ストロングポイント)を使いこなせていないからです。
武器は人それぞれ違います。
また、使う場所、タイミングを間違えれば、その武器は諸刃の剣となり、自分達のチームに損害を与えます。
その基本戦術としまして、まず、フィールドを分割して、幾つかのエリアを作ります。
その各エリアには2~3つ、チームの決まり事があり、選手はそのエリア内でのプレーは決まり事から最善の判断をして実行します。
よって、そのエリアにて適切でない武器を使うと、判断が悪いとされ監督からの評価は下がります。
また、レアルの選手が判断が早い理由は、個人能力もありますが、エリア内における3つ程度の決まり事から最善のを選ぶだけなので必然的に判断が早くなるのです。
日本の多くのチームはエリアごとの決まり事がなく、選手に考えさせ自由に判断させるので、自ら考えた分だけ選手には余分な選択肢が増えるのです。
3つ程度の中で判断すれば1つを選ぶのは早く簡単でかつ的確です。
しかし、決まり事がなければ5つも6つも考えてしまうので、結局1つを選ぶ時間が長くなり判断が遅れ、その僅かな時間で状況が変わり悪い判断となります。
更に、多い選択肢の中で、その判断基準を自分の武器を使うことを優先として考えてしまうので、結果、技術はあるけど間違った使い方をした、俗にいう使えない技術となってしまいます。
ボールを持った瞬間、相手DFはその選択肢を予想して素早く潰してきます。
0コンマ何秒の世界で、6あった選択肢が一瞬にして、1つか2つになってしまいます。
そこから、慌てて切り返したり、修正するから後手に回り相手に主導権を握られます。
実際、DFはせいぜい1つか、2つの選択肢しか潰すしかできません。
セオリーであるDFの順番として、1つは基本的にゴールの最短コースを切るので、次は右か左しかなく、DFが取りにくるまで僅かな時間があり、駆け引きができます。
無理ならスペースに逃げ、それでも無理なら単純に後ろに下げればまずは取られません。
だから、焦る必要はないです。
日本人は器用で頭も良く、技術はあるので、小さい頃からこの基本を身に付ける事が、成功の第一歩だと思います。