潜在能力の引き出し方 | スペイン・サッカー珍道中

潜在能力の引き出し方

今日スペインにてAlevin(9-10歳)の7人制の国際大会の決勝がありました。

レアルマドリッド、アトレティコマドリッド、バルセロナはじめ、国外からは、インテル、ポルト、パリサンジェルマンなどかなりハイレベルな大会でした。

ベスト4は全てスペインのクラブであり、

優勝はアトレティコマドリッド。

どのクラブも選手一人ひとりに個性があり、個でありながらも、戦術を理解した、個の組織集団といった感じでした。

スペインのサッカーの特徴は南米の個人技とヨーロッパの組織戦術が合わさった、個の融合といえます。

スペインの指導方法の一つとして、子供の個性=才能を最大限に引き出す術があります。

指導者は子供を育てるという感覚より、持っている潜在能力を見極め、最大限に引き出すという感じですね。

その指導方法とは…

一般には、褒めて育てていくのが良いと言われるけれど、ほめると調子に乗ってしまうし…
やはり、昔のように厳しく叱って育てるのがいいのだろうか?
などと親やコーチの悩みは尽きません。

永遠のテーマにも感じます。

ここである実験の結果、大きく2種類の子供に分かれます。

学ぶことが大好きで何にでも挑戦しようとする子供。

失敗する事を恐れ、新しい事に挑戦するのを避ける子供。

まず、子供にドリブルや簡単な技術を教え、数日でできるよう課題を与えます。

殆どの子供は数日後にはできます。

そこで、二つのグループにそれぞれ違う褒め方をしてみた。

一つは、この短期間で良くできたな!君にはサッカーの高い才能があるよ!

一方は、この短期間で良くできたな!良く頑張ったね。君の努力は素晴らしいよ。

そして、二つのグループに新たな課題を与えた。

新しく課題に挑戦するか、同じ課題をまたやるか。

しかし、才能をほめた子供は、新しい課題を避け、同じ様な課題をやろうとする傾向が強くなった。

つまり、ボロを出して自分の能力を疑われるかもしれないことは、一切やりたがらなくなった。

一方、努力をほめられた選手達は、その9割が、新しい課題にチャレンジする方を選び、学べるチャンスを逃さなかった。

つまり、子供が努力した事をほめると、子供は努力する事に喜びを感じるようになるのだ。

更に、選手全員になかなか解けない難題を出した。

単に才能の良さを褒められたグループは、難問に挑戦する事にフラストレーションを感じ、自分はちっとも才能なんかない、こんな課題をクリアしても楽しくない、と思うようになった。

そして、自分は才能が無いのだと考えるようになった。

一方、努力を褒められたグループは、難問を出されても嫌にならず、寧ろ、難しい問題の方が面白いと答える子供が多かった。

なかなかクリア出来ない課題があったとしても、イライラしたりせず、「もっと頑張らなくっちゃ」と前向きに考えたのだ。

即ち、努力を褒められた子供は、積極的に難しい事に挑戦できるようになるのだ。

結果、能力をほめると選手の自信が下がり、技能も下がる。

努力をほめると選手の自信が上がり、技能が上がる。

この目に見えない差が、後々子供の潜在能力を最大限に引き出すのである。

練習するのは指導者ではない。

子供の潜在能力を最大限に引き出す方法は、ナメック星の村長か、子供が向上心を持ち自主的にやらなければいけない。

これがスペインの育成メソッドです。










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