一流は歴史を知る
1週間前は「心」も「体」も、本当に小さな少年達が、わずか1週間で見違えるように成長して帰ったのは嬉しかったですね。
でも別れる時は本当に寂しいかったなあ。
しかし、今日はまた新しい来客がトレドに来ます。
実は昨日からですがハンドボールの宮崎選手が、ご家族を連れてトレドに遊びに来てくれました。
今日はお昼からカリスマガイド「サコさん」にお願いして、半日ガイドをしてもらいました。
僕も知らなかった事など詳しく聞く事ができて、トレドという街の見方がかなり変わりましたね。
不思議といつも同じ角度からしか見ないトレドを散策した場合1時間もあれば観切れてしまいますが、今日は初めて来た場所のように何時間でも観光する事ができました。
正直今まで歴史も絵も全く興味が無かったです。
しかし、歴史を知った後に見る絵の一つが凄く重々しく、まるで表情があり何か訴えかけてくるようでした。
歴史を知る事、それは見えなかった物事を見るという力が備わります。
建物や、絵にかかわらず、スペイン人とのかかわり方や、サッカーなどスポーツをするうえで絶対的に大切な知識だと思います。
その国の歴史を知らない者は、その国で決して成功はできないでしょうね。
つまり極端な話、日本でプロになりたいと思う人も、日本の歴史を知らなければ本物の一流選手には成れないという事です。
スポーツだけでなく、一流企業の社長やトップの人は大体歴史に興味を持っていると思います。
観光の後、宮崎選手と夜遅くまで食事して話をしましたが、やはり歴史に対して興味があり、ある一人の歴史上の人物が好きだという話です。
2人ともかなり顔がむくんでいます・・・
http://blog.pakila.jp/daisuke7//?url_name=daisuke7&start=2&SESSID=b6c97efad441e5eca513768ae6a04c4f
ブログに紹介していただきました
その人物に魅せられ、今の自分にも取り入れているということです。
実際会った事はないですが、宮崎選手には「侍」を感じることができました。
外見もメチャカッコいいですが、生き方も男も惚れるほどカッコいいんです
対峙した時の威圧感は侍のオーラであり、偉大な歴史上の人物の思想を取り入れた魅力的な考え方も人を惹きつけます。
人を惹き付ける能力はプロにとって大切な心です。
心無くして人は惹き付けられないし、人を動かすこともできない、同時に大きな事も出来ない。
サッカーにも何でも、この「心」こそが実は一番重要だと思います。
日本人はよく「働き者」だと世界からは認知されています。
練習は毎日朝練をやって、夜も遅くまで練習をしています。
土日は必ず試合で、1日2試合以上なんて当たり前でした。
僕も休むのも惜しんで毎日朝晩サッカーの練習に明け暮れていましたが、結局プロに成れずにもっと練習の工夫が足りなかったのかなあとか、更に限界を超える練習をしなければいけなかったのかなあ、など思っていました。
しかし、スペインのプロの選手に話を聞いてみると、ユース年代は週は3~4回の練習で試合は1試合、しかも午後の練習のみという事を聞いて愕然とした覚えがあります。
その練習方法などを解明すべく、昨年スペインのサッカーライセンス1級を取得したのですが、正直日本の方が沢山練習しているし細かいメニューが沢山あると思いました。
でも、決定的に違うのが、子供の指導方法についてでした。
簡単に説明すると指導者は知識を与えるのではなく、それ以上に子供達が自然に楽しく学べる環境、そして心を育む環境を作る事が大切だという指導方法です。
あまり肥料を与えないけれど、しっかり成長をみるという「自然農法」ですね。
つまり、サッカーは個人競技ではない故に、一人で何十時間練習しても基本的な心が育たなければ一流選手には成れないという理論です。
まずプロは人一倍練習した者が成るのは当然ですが、そのような選手はゴマンといます。
じゃあ、どうすればプロになるか?
それは自分がプロになるのではなく、周りがプロに押し上げてくれるという考えです。
僕もつい数年前までは、自分自身が努力するだけで一流になれるとばかり思い込んでいました。
例えば、俺はドリブルが誰よりも練習して上手いという自信があり、監督や周りの味方の選手を見下したプレーをするとしたら、味方の10人+相手11人が敵となり誰も助けてくれません。
よってパスも回らず、ゴールも決められない。
それどころかチームの邪魔者となってしまいます。
そして、私生活でもクラブの関係者やお世話してくれる人に挨拶もできない、感謝の気持ちを持てない者は、多少下手でも感謝の気持ちを持った選手を使うし、チームに一人でもそんな選手がいたら周りに影響されるのでまずは使わないでしょう。
選手の移籍やプロ契約とは、自分以外の人間同士が決める事です。
それも小さい町クラブであれば会長や、監督が気に入れば即入団できますが、2部以上のバルセロナやレアルなどビッククラブは、会長、監督、GM、代理人・・・サポーターを合わせると何万人もの人に認められなければそのクラブに入る事はできません。
当然サポーターの心を掴むのには、まず言葉を勉強し、スペイン人という人種を知ることであり、それを知るには地理を知り、それに纏わる歴史を知る事が大切です。
ボールを壁に向かって何十時間も蹴ったり、走ったり、体を鍛えるのは、その次にやることです。
海外にプロを目指して来て、やらなければいけない事を人に言われて素直に受け入れるのはまだいいですが、それを流して意固地になった場合もはやその先は閉ざされています。
チームには一人くらい要慮の良い奴はいて、下手なうえ怒られていても試合に使ってもらったりすることがあると思います。
彼はいつも監督から注意を受けて、しっかりと自分を見てもらっている感謝と、試合に使ってもらっている感謝で、素直になれることで監督からも好かれるのです。
後は、その監督が名門校の監督に紹介して、その名門校からJリーグへというサクセスストーリーが自然とできます。
宮崎選手いわく日本人で自分よりも良い選手は他に数人いるようですが、今の彼が一流と認められテレビに出るくらい有名になったのは、常に努力し、謙虚にサポーターや少しでもお世話になった方に感謝の気持ちを持った結果、周りの人が彼を今の地位に押し上げてくれた結果だと思います。
歴史を知る事は事実を知る事であり、歴史の背景には必ず良くしていこうとするヒューマンドラマがあります。
歴史的な成功を成し遂げた一人の人物にスポットをあてると、あたかもその人物一人で成し遂げたかのようですが、影にはそれに魅せられた多くの有力な支持者がいたからこそだと思います。
一流になるには多くの有力な支持者が必要です。
その思想は今も昔も日常的に利用されています。
天下統一を目指した、豊臣秀吉、織田信長、徳川家康、それぞれ違った思考持つ3人の文献を読んでみると、きっとプレーにも影響するのでは