深刻な状況
先日いつもお世話になっている方とスカイプで話をした際に、興味深い話を聞かせてもらった。
その方は日本のサッカー協会など広く人脈を持つ方で、沢山の方と会って話すことがあり、その都度僕は日本の色々な情報を教えてもらっています。
その中で気になったのが今の若い世代に増えていっている傾向として、「燃え尽き症候群」といわれる選手が増加しているらしいのです。
つまり、10代で夏の高校総体や冬の選手権などで敗退した選手が、冗談かもしれないけれど「俺のサッカー人生は終わった!」などとメディアの前で言っていたという事。
しかしそれも冗談ではなく深刻である事が近年の状況から伺えます。
文部科学省の報告によると、近年高校中退の数が7万人以上と思ったよりも多い事にビックリしました。
全国約5500校あるなかで、7万人という数は1校に10人以上おり、つまり実際辞めてはいないけれど、不満があるや、満足していない学生は100倍はいると思う。
つまり全国で700万人近い学生は現在の高校教育という存在に何らかの不満を感じているはず。
現にスペインに留学来ている子達も、夢や志は高いのに高校生活に不満があり、高校中退した若者が増えていっているのが現状なのです。
幸いにもスペインで高校卒業資格が取得できるというシステムがあるおかげで、彼らは挫折しないで夢を求める事ができますが、いかに今の教育が若者達に必要とされていないかが分かります。
僕も学生の頃、私生活に全く意味のない化学記号を覚えたり、顕微鏡でミジンコを見てスケッチしたり、何百年前の年号を覚えさせられたり、会った事もない大昔のおっさんの写真を見て誰か述べよ、終いには古典などもはや手紙にすら利用できない。
などといったまるで社会で役に立たない事ばかりを何百時間と勉強した気がする。
勉強したというよりも無駄に覚えさせられた感じでしたね。
勿論数学や国語、現代史など中には社会に出ても役に立つ分野もあるが、そもそも教育は社会に出ても自立していけるようにと指導していくのが本来の姿勢だと思う。
しかし現状は満遍なく知識を植え付けられ、一体自分は何が本当にやりたいかを見失わせてしまっている。
よってニートと呼ばれる若者が増えていっているのではないでしょうか。
文部科学省がニートを作り、厚生労働省がニートを支援するという笑いたいけれど、もはや笑えないような構図ができてしまっている。
今の若者は夢が無いというけれど、夢を見る事ができない世の中になってきている。
高校を中退してスペインに渡ってきた10代の若者は、皆開放された感じで大きな志と夢を持って頑張っています。
話は逸れましたが、燃え尽き症候群と呼ばれる若者達は、今まで「やらされてきた」から解放された事で燃え尽きてしまったのだと思う。
それを指導した先生・学校が悪いのではなく、国がそのような人間が出てきている教育環境を改善しないのが根本的な原因ではないでしょうか。
勉強でもスポーツでも何でもいいので、一つの事に制限なく打ち込める環境ができれば、きっと日本は大きく変わる気がします。
スポーツ振興計画を推進している文部科学省が、もっと具体的に皆が自由に使える場所(人工芝のグランド)や施設(ジムや体育館)を作ってもらえると嬉しいですね。