高校サッカーの発展 | スペイン・サッカー珍道中

高校サッカーの発展

1月に入って急に寒さが増してきました。ガーン


日中は0度前後で天気も悪く、風もビュービュー吹いているので外に出るのが億劫です。雪


この寒い1月で思い出すのは、やはり高校サッカー選手権大会。


まもなく決勝戦が行われますね。


どの高校もこの大会に向けて一生懸命練習に取り組んできたなかで、一発勝負のトーナメント方式で高校最後の試合が決まってしまう。


本当に過酷で、国立競技場に立つ選手達はかなりの練習を積んできたのだと思う。馬


ここ最近の試合は見ていないので分からないですが、一昔前のインターハイや選手権ではトーナメントを勝ち抜くために、リスクを追わないサッカーをしてきていました。


いや、高校サッカー全体の殆どがリスクを負わないサッカーを強いられてきたと思います。


トーナメント形式の多い試合ではどうしても創意工夫がないフィジカルに頼る、それこそ縦に蹴るだけのつまらないサッカーになってしまう。


スペインのユースにはそうした大会がシーズン末にしかなく、それまでのシーズンはリーグ戦で戦います。


ユースでも1部、2部・・・とあり、1部リーグは全国に7か所あり、当然1部2部との入れ替え戦もあります。


トーナメント大会は1部各7グループの上位の成績のクラブだけが集まる、いわゆる「1部リーグ全国大会」でスペインナンバーワンを決定します。


選手と監督が、長期的な「リーグ戦」と、一発勝負の「トーナメント戦」を使い分ける事で、後に大人になってからの国際大会でも勝つ力が自然と身に付くのです。


驚く事に年間の試合数はリーグ30試合で、その他の試合を入れても年間50試合も満たないということです。


僕の高校時代、土・日・祝日は必ず試合を入れ、多時に1日2、3試合という日程もありました。


インターハイや、選手権も入れると、年間で100試合以上はこなしていたと思います。


でも結局、100試合をこなしただけであって、単純に走って、蹴ってリスクを負わない勝つサッカーをしていたことでした。


一応全国でベスト8という成績も残してある程度自信を持って、高校卒業後スペインに来ましたが同じ年代の選手どころか年下にコテンパンにされた事を今でも覚えています。


リーグとトーナメントの試合の大きな違いは戦術は勿論、日頃の練習メニューの違いから、選手育成の方法も違ってきます。


リーグを主体に育った選手は、長期スパンで焦らずに地道にトレーニングを積むことによって確かな力を身に付け1~2年後に大化けする事が出来ます。


一方トーナメントを主体に育った選手は、主にフィジカルを主としてしまい大きな怪我を起こして伸び悩む選手や、上のレベルに行けばいくほど通用しなくなってしまいます。


正直トーナメントでは世界に届く選手はなかなか出にくいだろうなと思いました。


しかし2003年に日本でプリンスリーグというものができてからは変わってきたと思います。


高校選手権で活躍する選手に何人も良い選手、優秀なコーチがいると思うので一概にはどちらが良い悪いは言えないですが、ハッキリと言える事は高校年代は勝ち負けも大事な要素だけれど、まだまだ技術など伸びる時期なのでリスクを負ってでも自分の力を試すべきだと思います。


今回の選手権で良い人材が発掘される事を期待しています!