フットサル裏話 | スペイン・サッカー珍道中

フットサル裏話

今日はとあるフットサル・1部クラブの会長とGMと一緒に食事しました。


話の話題はもちろんフットサル中心で、主にリーグとクラブについての問題などを話しました。


今スペイン・リーグは大きく改革を進めています。


3年前までは1部2部A、B、Cグループと、プロチームが40チーム以上もありました。


しかし、2年前からリーグの強化が始まり、2部「北リーグ」「南リーグ」に絞られることになりました。


更に来季か再来季には2部が1リーグだけになり、クラブも選手も運と実力あるのみ者が唯一プロとして生き残るリーグへと変貌を遂げます。


1部も16チームから18チームになる話もあり、よりリーグを強化していこうという方向性です。


しかし、2部は協会に収めるお金が結構な大金ですが、更に1部はそれを上回る上納金に加え、全国を飛び回る移動費など、2部の倍近い予算が必要となってきます。


スペインも近年稀に見る不況に見舞われクラブの経済状態はかなり苦しい状況で、1部に上がることはうれしいけれどスポンサー集めに頭を痛めると聞きます。


大きな理由の一つとして、今まではクラブのメインスポンサーとして不動産・建設関係の会社が大半で、年間数5千万円~1億円かかる予算を捻出していましたが、不況により建設ラッシュがストップし、その煽りを受けて殆んどのクラブがリーグの途中で消えたり、経営不振に陥りました。


しかし、ムルシアインテルは資金を持っています。

インテルのベテラン選手「シュマイケル」は1か月の給料が2万ユーロ(約250万円)といわれています。


このクラスの選手を何人も抱えているので想像に難くないでしょう。


さて、その他のクラブはこうした財政難からも何とかクラブを維持していかなければいけません。


今まで経験豊富なベテラン選手や、ブラジル人など高い給料で外国人助っ人を呼んでいたクラブは直にそれらをリストラし、カンテラ(下部組織)に力を入れ、そこで育った選手を安い給料で使う方針に切り替えたのです。


早い段階でそれに気付き若手育成に力を入れるクラブは何とかクラブを立て直すことに成功しました。


今の1部のクラブではユース上がりの18歳の選手が何人もいて活躍しています。


現時点ではインテル、ムルシア、バルセロナの上位3チームと力の差は歴然としていますが、長い目で見た場合若手が経験豊富なベテランとなりチームを支えるようになり、スペイン自体のレベルも上がっていくことになります。


イタリアやロシアのように9割がブラジル人が帰化して代表になるケースがあるなかで、そのあたりはスペインは誇りを持ってやっている気がしますね。