スペイン・サッカーの試合
週末土曜日に行われるユースの試合と、日曜日に社会人いわゆる1部~7部の試合がありました。
社会人7部の試合は金銭的な問題でラインズマンはいないので、主審が一人でオフサイドからなにまで判定します。
勿論そんな状態で正確な判定ができるわけ無いので、試合は決まって大荒れですね
主審も黙ってはいないので、選手とケンカすることもしょっちゅう見かけます。
とても一人では追いつかないので明らかにオフサイドの判定を取らなかったり、ファールを取らなかったりで、観客から選手まで主審相手に1対100くらいで文句を言われ正直いつも見ていて同情します。
6部はラインズマンがいますが、まだ線審タマゴの中・高学生くらいの子供がいたりして、これまた観客・選手のプレッシャーを受け完全にてんぱり、誤審の連発。
まともになってくるのは、preferenteと呼ばれる5部クラス以上の試合からでしょうね。
それでも審判に対する罵声は止まなく、試合のレベルが上がるほど観客・選手・監督の罵声も厳しくなってくるので6部の試合でも地元の警察官が出動したりするぐらいです。
こうした下積みを得て4部辺りから主審はじめ、ラインズマンもブーイングに対する免疫が付きどんな罵声でも常に平然としているので、1部で笛吹いている主審は正に「心臓に毛が生えた」持ち主だと思います。
スペインで「審判」という職業は相撲の世界よりも厳しいかもしれませんね。
こうした事情を知り尽くしている選手・監督・観客は当然試合を有利に進めるために、まずすることは笛を吹くたびに取り合えず「レフリーに抗議」することです。
これまたタイミングが絶妙で、オフサイドの瞬間など選手や観客初め監督も一斉に後押しするので抗議の相乗効果となります。
以前スペイン人に何故正当な判定に対しても、毎回わざわざそこまでするのか聞いたことがあります。
これは自然と身に付いた「戦術」として当然のように行うらしいです。
足を引っ掛けられてわざと大袈裟に転がったり、明らかにオフサイドでも線審に抗議し、選手の代わりに観客がレフリーに卑猥な言葉を浴びせます。
もし僕がレフリーをやったら試合中泣くかもしれないですね(笑)
レベルが均衡した試合になると、このレフリーを上手く利用できたチームが勝利を勝ち取ります。
これがジュニア~ユースのカテゴリーでも行われているので、国を背負う代表戦ともなればそれはもうえげつないでしょうね。
いずれにしても「レフリーへの抗議」は「戦術」として重要な要素だと思いました。