翌朝、出勤してからどうやって彼と顔を合わせたらいいのか、
少しとまどった。
気まずいのは、私より彼のほうだろう。
お昼過ぎ、廊下ですれ違った私たちは、
いつもよりよそよそしく挨拶をした。
それからは、毎日電話がかかってきたり、かけたり・・・
とりあえずは、連絡を取り合っていた。
12月。クリスマスがやってくる。
イブはお互いに違う人と過ごす。
お互い確認もせず、それぞれの予定を組んでいた。
当日は、予定通り。
私は彼氏と待ち合わせをし、食事をした。
彼氏は、サプライズでステキなお花のプレゼントを
用意して待っていてくれた。
いつでも、優しく私の心をくすぐる。
胸がいっぱいになった。
それなのに、私の頭の中は【彼】のことで一杯。
食事はすすまないのに、お酒ばかり
進んで、異常に酔っ払ってしまった。
【彼】は誰といるの?何をしているの?
・・・そんなことばかり考えていた。
私だって、今は【彼氏】といるのに。
一晩過ぎて、翌朝出勤をしたときに、玄関で彼に会った。
「おはよう。」と私。少し元気がなく挨拶をした。
「昨日は何してた?」と彼。
自分で何をしていたか先に言えないのに、
私にだけ確認するの??と、少し苛立った。
何も答えず「昨日は、何を食べたの?」と彼に聞いた。
「学校の前で、カレー食った」それだけ言って、
彼は去っていった。
なんだか【カレー】って聞いただけで、
ちょっとほっとした。
彼と過ごせなかったクリスマスイブ。
すごく寂しかった。
だけど、私のためにステキなクリスマスを用意してくれた彼氏のことを
もっと大切にしなければ。。。と思い始めていた。