
万象
万象が調子づいてきて脇芽(本当は出してもらわなくていいのだが…)を出し始めていたのだが、暖かくなったせいかここまで大きくなってきた。思えば昔は、今のようにハオルシア(※ただし銘品)の盗難事件が起きることなど、考えられない時代だった。鑑賞価値の高い選抜品種は当時もあったが、今のような法外な値段ではなかったし、一部のマニアが集めているくらいだった。そんな時代に、選抜品種には興味のない私が買った「普通の万象(苦笑)」なので特に繁殖させるつもりはないのだが、このままいけばさすがに手狭になってしまうし、(臥牛と同様、昭和多肉おっさんの感覚かもしれないが)群生株で観賞すべき種類ではないと思っている(苦笑)。なので、場所が限られているのに悩ましいことだが、近いうちに株分けしなければならないかもしれない。その場合は、省スペースのためにこの子株二つで一鉢にまとめるか。

オブツーサ
あと、オブツーサの内の一つも、群生化方向に勢いづいてしまった。こちらもこの鉢ではそろそろマズいのだが、オブツーサは株分けしたものも含めて既に3鉢ある。したがって、株分けはせずに鉢替えだけで対処するつもりである。万象は仕方がないにしても、そうでもしないと冬場にメセン類を引っ越させるスペースがなくなってしまうのだ。この人については、群生美を追求して成長していってもらう、ということで…(笑)。
ちなみにうちでは万象もオブツーサも、リトープスと同様、自生状態と同じようにほぼ頂面だけが出るように深植えしている。埋まる形の自生状態にはリトープスと同じく側面を守るという意味があると考えているからであり、事実、この植え方で腐死したものなど一つもない。ここで改めて、自生地での万象とオブツーサの状態をご覧いただきたい。



おそらくはリトープスと全く同じ理屈で、頂面(窓)だけ出して埋まって生えている。ところが、これまた栽培指南書の類いでは「自生地では埋まっているが、日本で同じようにすると腐る」などと平気で書いてあったりして、そのせいかどうか知らないが、ほとんどの栽培者は浅植えで株全体を露出させて栽培している。そして栽培指南書には「強光線に弱いから半日陰で云々」という常套句が続くわけだが、むしろ「強光線に弱い」のは、本来は埋まることによって保護されている側面をむき出しにさせられているからではないのか。うちの万象やオブツーサは、置き場の制約の関係でメセン類ほどではないものの、それでもある程度の時間は直射光にさらされる場所に平然と(笑)置いてある。それでも前述の通り、腐ったり日焼けしたりするどころか、盛んに脇芽を出している状況だ。私は、我が国における「窓系ハオルシア」の栽培方法(特に植え方)も、リトープスと同様に間違っているのではないかと考えている。本当は、きちんと深植えにしておけば、ある程度までの強光線には耐えられる(というか、それを想定して生きている)植物なのではないかと思うのだ。しかし、誠に残念ながらネット上では、「埋めて植えないから強光線に弱くなる→強光線に弱いから遮光する→本来必要としている光量が不足する」という悪循環の末に徒長してしまった、無残な窓系ハオルシアの写真が散見される。無論、私の場合、排水性に関しては岩石栽培という強みがあるわけだが、そうでなくても用土の構成を工夫すれば、深植えにしても全く問題ないのではないかと思うのだが。