
防雨体制を強化したメセン置き場
防雨対策が不十分だったため先日の風雨が吹き込んでしまったメセン置き場を補強した。通風との兼ね合いで悩んだのだが、思い切ってポリカーボネートの雨よけを棚の上数センチまで延長することにした。これなら、横殴りの雨であっても水上栽培システムのベース(雨よけ屋根が足りなかった関係で現在はかさ上げしてあるが、近々作り直して棚上に直接置く予定)とせいぜい鉢の下部がちょっと濡れるだけで済む。雨よけの奥側は家の外壁との間にわずかな隙間があるだけなので、奥と両脇に関しては暴風雨でも大丈夫な状態になったと思う。問題は前面の開口部なのだが、ここにまで恒常的な防雨措置を施してしまうと通風に大きな支障が出る。なので、従来通り屋根をかなり前方に張り出させることである程度の風雨は防げるようにし、暴風雨などいざという時には、別途製作した「前面防雨板(←といっても、単に開口部に形を合わせて作っただけの代物だが)」を取り付けて塞ぐことにより対応することにした。
ちなみに、水上栽培のベースの改良にも目星が付いた。検討課題として先日にも書いたが、そもそもの問題は、今までケチって廃品を利用したトレーで作っていた(恥)ためサイズや形状に無理があり、本来のスペースを活かしきれていなかったことにある。そこであれこれ検討してみたのだが、やはり現在のスペースを最大限利用して水上栽培のベースを作るとしたらイチから自作するしかない、という結論に至った。ただし、金属やプラスチックで大きなトレーを作るほどの工作技術は持ち合わせていないので、トレー本体は木で作ることにする。もちろん単なる木製では、防水塗料や接着剤等を使ってどんなにキッチリ組み上げたところで、経年変化も含めて水漏れを完全になくすことは困難だろう。その対策も一応考えてあるが、とりあえずは製作を進めながら検討を進めていく。いずれにせよ、これは気温が上がり始める頃までに完成すればいい物なので。

春蘭の花
さて、多肉の話題でなくて恐縮だが、実は私は東洋蘭(主に春蘭)も育てている。水の要求度が多肉に近いため、普通の草花のようなせわしない灌水が必要ないのでゆったりとしたペースで栽培でき、洋蘭にはあまり見られない花弁の透明感やシンプルさが好きなので結構長くやってきた。そのうちの一つ(日本産の朱金色という花色のもの)がちょっといい具合に咲いたので、記録として載せさせていただきたい。とはいうものの、実を言うと誠に恥ずかしながら、最近では蘭の世話は最低限度のことしかやっていなかった(汗)。本来であれば、蕾を確認してから開花に至るまでの期間、あれこれ手間ひまかけなければきれいに咲かせられない植物なのだが、今年は放ったらかしでもたまたまきれいに咲いた、という情けない顛末なのである(恥)。なので、ある意味、今回きれいに咲いてくれたのは蘭からの警告であると真摯に受け止めて管理が行き届くようにしたい、などと思っていたのだが…。そう思ってちょっと情報収集をしようとしてネットを見回してみたところ、しばらく関わらなかった間に現在の東洋蘭界は訳のわからないことになっているではないか(愕然)。というのは、(なにしろ「古典園芸」なので)江戸時代から脈々と続いてきた従来の栽培法に対し、メセン栽培と同様、本当にこれでいいのか?という問題提起があちこちで起きつつあるのだ。そこまでは、まあいい。問題はその先だ。なんと、用土から灌水間隔に至るまで、正解とおぼしきものに目星がつけられないほどの百家争鳴状態なのである。曰く、灌水はギリギリの最少限度でいい、いや毎日やった方がいい、従来の蘭土はダメだから赤玉土主体がいい、いや違う日向土を使え、そうではなくて自生地の土を加えろ、いやいやラン科特有の共生細菌がないからダメなのだ、云々…。しかも、それぞれ主張はしているものの、本当に栽培成績につながっているのか判然としない事例が多い。いやはや困った…。蘭の栽培成績はかんばしくないので何か新たな試みを始めてみたいのだが、こんなことではどのように方針転換したらいいのかわからない(闇)。そこでやむを得ず、こうすることにした。うちには、それなりに増えて持て余し気味の品種もいくつかある。申し訳ないがそれらを実験台にして、ネット上で主張されている新たな栽培法のいくつかの要素を、あれこれ組み合わせを変えて試してみるのだ。ちなみに春蘭の場合、ある意味厄介なことに自生地は我が国を含む東アジアである。だからといって、気候はOKなのだから鉢にそこら辺の山の土を入れて植えれば大丈夫、という単純な話では済まないのだろう。だからこそ確立された伝統的栽培法なのだろうが、それでも何かが間違っているようだと一部の人々が言い出しているらしいのだ。
ちなみに当ブログはあくまでも多肉植物の岩石栽培の記録なので、蘭の話はこれでいったん終わりにし(どうせ、人様に伝授するほどの知識もない)、一年くらい経ったら栽培実験の結果だけを報告することにしたい。とはいえ、春蘭の栽培方法に悩んでいる人がこの多肉ブログにたどり着く可能性は極めて低いとは思うのだが(大苦笑)。