実家の新築工事。
母は「屋根が上がる日」にやたらこだわる。
その点で、私たち娘が困っていることがある。
母なりの解釈で、なぜか『太陽光パネルの上がる日』を屋根の上がる日と考えたらしい。
その日に合わせて、職人さんたちにお赤飯を持っていって、軽くお祝いをしたいと言うのだ。
パネルが上がる日は、咋年末からすでに何度も延長されている。
最初の2回は、お赤飯を炊いてひとつひとつパックして持っていき、無駄足に。
ブーブー文句を言う母を、
「太陽光パネル上げるのは、作業行程の一つに過ぎないから、延長なんてありうるよ」と私たち娘は何度も説得しているのだが、思い込みの激しい母の考えは変わらず。
そして、先日にまた、パネルを上げると予定されていた日がやってきた。
もうお赤飯はやめなよと説得していたのだが、「黙りなさい。パパが生きていたら、お祝いをきちんとやらないと怒られるでしょ」と。
私が母を迎えに行ったら、赤飯はなかった。
そのかわりに甘酒があった( ̄▽ ̄;)
麹から作ったやつで、酒粕不使用のね。
でっかいボトルに甘酒入れてて、個々が飲むための立派なお茶碗まで準備している!
作業を止めてもらい、みんなに甘酒を振る舞うつもりなのだ。
作業中断させるのはまずいと必死で説得し、「昼休憩に飲んでね」と紙コップを添えて置いてくることにした。
そして、現場。
……パネルはまた延長になったらしい。
作業していた二人に甘酒を押し付け、その帰り道の車内。
母、「なんだか、涙が出てきたわ…」
どうしてもお祝いしたい母と、そうではない周囲。
誰も悪くないんだけどね。
意識の相違、それだけなんだけどね。
それだけなんだけど、傷付く人もいるもんなんだな、と。
まるで片想いの女学生。
母、あまり体調よくないので、早く快適な新居に入って欲しい。
土曜日は、先週の母の検査の結果が出る。
脳梗塞の後遺症はなく、再発もなし。
だけど、以前から間質性肺炎と診断されていて、ステロイド治療をどうするかの話。
母、泣いてる場合じゃないぞ!
屋根より、自分の体のメンテナンスが一番重要!