こんなの見たことないですか?

 

 

これ、コーナリングラインを示した図だと思うんだが

 

なんだろうね、違和感しかないのはボクだけか

 

 

このライン取りはサーキットを意識したものだというけど

 

こんなライン取りしてるの見たことないよ

 

レース中にこのラインならバンバンにインから突っ込まれる

 

いえね、もちろん云いたいことは理解してやるけど

 

減速しながらできるだけ深く進入してクイックに小回り

 

それはそのあとの直線的な加速を重視してのことなのだ(ろう)多分

 

でもね

 

これ、伝わるんでしょうか

 

そもそもこの図が示すライン取りは可能なのか?

 

そして、クイックな向き変え(バンキング)からの小回りって

 

もはや宗教的な呪文にしか聞こえない

 

かくいうボクはこのクイックなバンキングと小回りと云う呪文のせいで

 

何十年もコーナリングを理解できなかった

 

ハマるときは確かにあるが、多分間違いだ

 

それは体重移動がオートバイコーナリングの核心だという妄想が

 

ずーっと蔓延しているのと同じくらい深刻で

 

オートバイなんて基本、乗り手が曲がる意思を伝えれば曲がるのだ

 

ライダーはオートバイの曲がる効率を妨げないような荷重位置にいればよい

 

リーンに同調させて、時としてやや先行させて、姿勢を変えればよいだけの話で

 

歩いているとき、走っているとき

 

自転車に乗っているとき

 

それらと全く何も変わらない

 

歩いているときは何の意識もなしに体を捻って荷重移動させているのに

 

オートバイとなるとなぜあんなにも難しい「理論」になるんだろう

 

もしライダーの体重を移動させることでオートバイがリーンしていくのなら

 

シケインの切り替えしをどう説明するのか聞いてみたいものだ

 

(もちろん旋回効率の面では体の使い方は非常に重要になってくる、がしかしオートバイを公道レベルで旋回させるのにそこまでシビアな身体工学はいらないと思う)

 

サーキットであろうと公道であろうと

 

コーナリングラインは滞りのない滑らかな弧を描くべきで

 

ジムカーナですらその描くラインは美しく滑らかにみえる

 

 

 

実際にボクたちが走っているワインディングはこんなのだ

 

しかも深いコーナーには高低差がついていることが多い

 

ヘアピンカーブは多分たいてい勾配が強い

 

公道なのでサーキットのようなラインは取れないが

 

クルマよりは走行ラインに余裕があるだろう

 

コーナーの終端に向けて立ち上がる時

 

しっかりとアウト側へ向かっていない人が多いと思う

 

右コーナーではガードレールや側溝が怖いし

 

左コーナーでは対向車が迫ってくることもある

 

ただクリアな状況でもアウト側へオートバイが寄っていかないのなら

 

それはCP(クリッピングポイント)を取る位置が遠いと思う

 

特に浅いコーナーではそうなりやすい

 

(逆にヘアピンなんかの深いコーナーはCPが近くなりがち)

 

浅いコーナーに深く進入してクイックに回り込むと

 

CPがどうしても奥になる

 

そして立ち上がりのラインがそのまま直線的なので

 

アウト側に寄って行かない

 

公道はそれでよい、という人もいるだろう

 

安全が第一だからね

 

けれどコーナリングには滞りのないスピードコントロールも重要になるが

 

それはコーナリングラインの滑らかさ在ってのものだ

 

ちぐはぐな走りはリスクを呼ぶ

 

ボクはそう思う

 

 

もう一度実際のワインディングを見てみる

 

グーグルマップの画像だが上手く曲がれないコーナーを

 

こうして上から眺めてみるとCPの位置が深すぎたり浅すぎたりに気づける

 

このカーブは見てのとおり相当深いコーナーだ

 

こういう時逆にCPが近くになりすぎておっとっとになりやすい

 

最適と思われるCPに目星をつけたら

 

ストリートビューで実際の目印を探すとコーナリングのヒントになる

 

 

これはこのコーナーに近づいた位置

 

速度によってはブレーキングを開始するかもしれない

 

実際は下り坂なのでトレールブレーキが有効だ

 

 

短い橋が架かっているがすでに曲がり始めている

 

この橋の向こうで強く曲がって見えるので

 

旋回を始めたいが次の画像を見るとそれがまだ早いとわかる

 

全く先が見えず、しかも曲率が強まっている

 

橋のすぐ先(赤丸の位置)でクリップさせスロットルを当てていたら

 

そのあとすぐに「深い!」と焦るかもしれない

 

 

前方の道路の右側だけど支柱が2本見える

 

手前の背の高い方は街灯だが

 

このイン側あたりがCP(緑丸の位置)になる

 

とすると青丸の位置辺りが向き変えポイントになるだろう

 

 

クリッピングポイントを過ぎて

 

いよいよトラクションをかける

 

スロットルをスパッと開けて強く後輪をけり出す

 

 

この写真の位置では明らかに曲率が弱まっている

 

シートやタンクに触れている部分に強く荷重がかかり車速が乗っていく

 

 

もうコーナーの終わりが見えた

 

深く進入するために強めた減速も

 

この部分の強い加速で一気に快感に変わるだろう

 

 

青丸は旋回ポイント(向き変えポイント)

 

ブレーキを引きずりながらスピードを殺し

 

当て舵でこの旋回ポイントを目指して進入していく

 

赤丸の位置でクリップしたくなるが

 

ブレーキを引きずりながら当て舵を続ける

 

向き変えポイントで当て舵を弛め緑丸のCPへ向けて旋回する

 

 

カーブが始まるポイントをしっかりと見極め

 

ゆっくりと当て舵を保持してリーンを始め

 

CPとカーブの終端が見えてくるまでブレーキを引きずる(トレールブレーキ)

 

CPが決まったら当て舵を弛めて一気に旋回

 

正しくCPを設定できていれば

 

車体はきれいにアウト側へ弧をつないでいく

 

 

コーナーのイン側線が描く弧よりも

 

オートバイが描く弧の方がゆるくなるのは当たり前で

 

アウトインアウトはそのための基本だ

 

わざわざ鋭角なラインを取り入れるなんてナンセンス

 

最初に見せたような「概念図」は理解しようとする人を混乱させるだけだ

 

もちろんもっとも重要なのはスピードの抑制だ

 

カーブの曲がりに適した速度まで減速する必要がある

 

ただ実際の限界スピードはかなり高いところにある

 

マン島TTを見ればそれは一目瞭然で

 

他の交通や路面状況が担保されていれば

 

あんな次元のパフォーマンスを出せる

 

公道での減速は予期せぬ路面状況への対応や他の交通への配慮から必要なのだ

 

公道で競い合うのがナンセンスなのは

 

安全への意識の次元は各自異なるレベルだからだ

 

遅いのではなく安全意識が高いのであって

 

速いのではなく安全意識のネジがパーなのだ

 

 

けれど高いスピードでなく

 

公道レベルのスピードでもしっかりとオートバイに荷重を乗せた

 

気持ちの良いコーナリングは体験できる

 

そのためにも向き変えポイントやクリッピングポイントは重要な要素で

 

雨の休日なんかグーグルマップで自分のラインを検証するのは楽しい

 

いかが?

 

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