云われるまでもないし
改めて云うことでもないのだけれど敢えて云わせてもらう
「暑いですね、毎日」
昔から夏になれば顔を合わせる人合わせる人ことごとく
「暑いですね」のミサイルを撃ちまくったものだ
あんまり暑いんで聞いてる方もうんざりしてきて
「暑いって云うごとに100円な」みたいなこと云ったりしたね
けれどいくら猛暑の昼下がりでも
田んぼへ出てみれば稲を揺らす風は案外強くて涼やかだったりする
稲はすでに穂が出て花を付けた
ことしは株も太く順調に見える
一方で作り手のいなくなった田畑はすぐに草木に覆われて
夏の炎天下、草いきれにむせるような独特の空気を発する
不快ではあるがどこか懐かしく嫌いではない匂い
巣立ったツバメたちがあちらこちらを飛び回り
いとしいような夏がここにはある
ボクの夏もいつもの夏で
暑い暑いと云いながら汗をだらだらと掻き
ちょっと強めの炭酸を作ってハイボールで一杯やるのが日課だ
日課と云えばもちろん夏がどんなに暑くても
用もないのにオートバイを走らせる
走り出して風を切れば案外涼しくて
峠を駆け上がるたびにクーラーが効いてくる
宮崎の集落から千万町(ぜまんじょ)へ向かう県道334号へ入ればもう涼しい
千万町から作手、段戸トンネルへと気温はどんどん下がり
トンネルの先の温度計は24℃だった
「暑いですね、暑いんですよ、身の危険を感じる暑さです」
この一辺倒から
「辞めないの?辞めるでしょ?辞めるっていってよ」
も交じりだしたこの頃のマスコミ(総理大臣ね)
そのマスメディアの本流とも云えるテレビ局って
なんとも危うい立場で物事を発信しているものだなと
ボクはかねがね思っていた
一応は彼らも自らの社会的責任を自覚しているのか
求められる役割を果たそうとしているようだがそれもまあポーズにしか見えない
なぜならその結果、本当に責任を追及されるのも大いに困るのだろう
マジョリティを担保にするか
もしくは過度に中立を意識しただから何だ?というような
無味無臭な内容に終始することがほとんどだ
責任を取りたくない
責任は放棄したい
と云うならば初めからしゃしゃり出てくるなよ、と思う
新聞社と違ってテレビ局はほぼすべての運営資金をスポンサーから得ているのだ
ネットメディアの優勢と云われてもいまだにそのテレビの影響力は甚だ強く
ネットの普及浸透により衰退したのはむしろ新聞の方で
テレビやネットが牽引していく今後のマスメディアには不安しか感じない
よく、無責任なことを云うな、と云うけれど
意見のすべてに引責を求められるのなら
議論など不可能だ
なぜなら意見などいわば選択肢の提示に過ぎないものなので
そこに言質を取られていては誰も何も云えない
中立公平と云えば聞こえはいいが
それを隠れ蓑にしているだけなのではないのか
それとも反対意見や批判を恐れているのか
はたまたただ単に絶対的な「いいひと」に成り(下がり)たいだけなのか
悪いものは悪い、良いものは良い
といった論調でしか声を発せないのだろうか
受け取る側だってなんでも真に受ける阿保ばかりでもあるまいに
思い出して欲しい、新型コロナに抑圧された3年間
世界は何を学んだのか
または何も学ばなかったのか
あの喧騒と熱狂は今ではもはや僅かな残り香さえ見いだせない
「あなたは何回コロナワクチンを接種しましたか?」
と問われて即答できる人がどれくらいいるのだろう
面会も制限されひとりで苦痛に耐え亡くなられた方々を思いながらも
当時の対応の検証がなされぬ今の社会に不信感は募るばかりだ
政府の「不要不急の外出制限」や「一部店舗の休業要請」という
人権にかかわる措置は法律に基づくもので
未知のウィルスの蔓延という状況では当然の対応だったのだろうとは思う
けれど本当はどうすることが必要で最適だったのかが
今になってもほとんど聞こえてこないのはなぜか
新型コロナが感染法上の2類相当から5類へ変更されてからも
5万人以上の死者が出ているのだ(2類時は約8万人)
こういった事実は新聞ではよく見るがテレビではほとんど見ない
なぜなら今テレビは毎日これに忙しいからだ
「異常な猛暑」と「熱中症」
「熱中症」
子供の頃、アメリカでは熱波でバタバタとお年寄りが
亡くなっているというニュースを見て
暑さで人が死ぬということが理解できずただ驚いたという記憶がある
あれから50年
日本でも暑さで人が亡くなる世界が訪れた
温室効果ガスの増加による異常気象ということらしいが
温室効果ガスの増加による地球の温暖化であるとか
地球の温暖化による記録的な猛暑との関連性であるとか
科学的な「裏付け」というキラーワードで思考を麻痺させ
新たな市場と新たな利益を資本家たちは奪い合う
そこはまだ大きくて深い「青い海」なのだ
そもそも資本家たちにとっては
猛暑の科学的根拠の議論などどうでも良いのだ
異常気象でもいいし温室効果ガスでもいい
暑ければ暑いほど
不安なら不安であるほど
消費を拡大させるための熱狂を演出しやすいという話だ
そもそも不慮の死みたいなリスクなら
話は猛暑でなくても他にも無限にある
たとえば交通事故で亡くなる人の方がはるかに多い
1990年代の毎年1万人から大幅に減少した現在でも2678人もいるのだ
単に人の命の話なら
暑いから外に出るな、よりも
クルマは危ないから外に出るな、の方が効果がある
こういう云い方をするとナンセンスだと不謹慎だと云われるが
ではなぜに今これほどまでに熱中症なのだろう
そんなこと云ってるボクも知らぬ間に熱中症になるというのだろうか
現在の健康状態は投薬治療のおかげで「数値的」には正常だ
マスク懐疑派だったけれどコロナにだってかからなかったし
インフルエンザだって中学生の時にかかって以来縁がない
今日も気温34℃の昼下がり
1時間ほどウォーキングしたけど汗かくのが気持ちいい
そりゃあ暑いよ
でも夏だしね
正直まったく暑すぎて危険という実感がない
白血球とか免疫グロブリンGとかNK細胞とかの値が異常に低いとか
もっと単純に自律神経の失調状態とか
加齢、過労、寝不足、深酒、脱水、等々
原因を探ればある程度のバイアスは見いだせるように思うが
具体的には何も教えてくれない
そうではなくて
誰でも(!)いつでも(!)どこでも(!)
熱中症は音もなく忍び寄り
はたと気付いた時には対処不能でそのまま死に至るものというのが彼らの主張で
警戒アラート出た時は老若男女もれなく室内に留まり(疑似行動制限)
しかもエアコンをかけ
充分に水分を補給する必要があるのだ
自律神経の調節が劣る子供や老人は特に注意が必要で
現に死者の8割以上は65歳以上だ
エアコンを使いたがらない高齢者は特に危ないらしい
みなさん大丈夫でしょうか?
心配しております
あなたも、あなたも、そう、そこのあなたも
気を付けてくださいましね
こわいんですよ、気が付いた時にはもう時すでに遅しなんです
熱中症ですよ、熱中症
いまはもう昔とは違う暑さなんです
地球温暖化による異常気象なんですよ
国連も認めています
認識を変えてくださいね
暑いくらいで死ぬもんですか、なんて云う天邪鬼の話を真に受けちゃダメです
……
やっぱり誰かにおカネもらってやってるとしか思えない
テレビって資本家の煽動装置と思って見た方が良い
(実際は熱中症で救急搬送される人が集中して増えることが問題で、救急や病院の対応がひっ迫し、他の緊急患者への対応に影響が出ているようだ。熱中症にならないように各自が気を付け医療機関にひっ迫を生じさせないようにしようという注意喚起の意味合いが強い。だからテレビ報道が単純に熱中症による死亡が増加することだけを問題にしている訳ではない、と一応断ってはおく)
山からオートバイで降りてきて
クルマも増えて流れが悪くなるともういけない
信号で止まるとヘルメットの中を汗が滴る
夏用のスカスカの手袋でももうじんわりと湿っている
鼻のアタマと頬っぺたが陽に焙られてヒリヒリしてきた
ああ、夏だな
生きてるなー







