
ヤマハだけでなくスズキもホンダも
みんな静岡に縁がある会社だ
しかもそれは東西に長い静岡県のみんな西部に集まる
ボクの住む愛知 しかも三河からだととても近い
ヤマハ発動機の本社が磐田にある事はもちろん知っていたし
何度か近くを偶然走っていたこともあるが
かと云って殊更そこを目的地として訪ねてみようと考えたことは一度もなかった
けれどSR400に乗り始めて改めて「ヤマハ」を意識するようになったからか
ヤマハのレガシーを展示している施設を見ておきたいと思うようになった
それと
ついでにボクのSR400にも里帰りをさせてやろうという感じだ
実は国内販売が終了しただけでSRは輸出用に本社工場で今も生産されている
そのSR400は一般的なライン生産方式ではなく
3人の熟練作業員が1台1台手作業で組み上げるセル生産方式で作られている
1人はエンジンを組み上げ
2人はフレームにすべての部品を組み付け完成させる
それぞれ作業工数は600位あるそうだが1台仕上げるのに43分しか掛からないという
しかもそれを1日10台のペースで繰り返しているのだそうだ
もちろん生産方式が違っても作業員の込める思いは同じだとは思うが
セル生産方式のように誰が作ったのかがわかる工業製品って今では稀だ
レクサスLFAのエンジンも1台/日のセル生産方式だったが
こちらはエンジンに組立作業員のネームプレートが取り付けられているほどだ
同じようにSR400もここ磐田で熟練の作業員によって
1台1台作業台の上で生産されたのだ
大切に乗ってますよって工員さんに感謝を伝える意味も含めて
SR400に乗って磐田へ行ってみることにした

(ヤマハ発動機HPより画像を拝借しました)
目的がしっかりしているので今日は真っ直ぐ磐田へ向かう
何のひねりもなくSRで最寄りのインターから東名に乗った
非力な単気筒なのでもちろん飛ばす気はないのだけれど
激しいはずの振動にもずいぶん慣れてそれがそれ程でもないのよ
むしろ3000rpm弱で流す時の方が手が痺れたりするくらいで
(これだってギアを4速に落とせばその上が使えるからどうでも良いんだけど)
正直5000rpmなんて結構元気で(音もいいし)
案外高速乗ると走れちゃったりする
最初の頃はあまりの振動に「どうなんだろう」とか感じたけど
もうパフォーマンスダンパーとか全く考えてない
キリンじゃないけど
「SR?振れないね、そんなことなったことないな、気のせいじゃないの?」
つまりは慣れると許容範囲が広がるということだろう

今日は春本番のような陽気だというから
どうしようかなと一瞬考えたけど
やっぱりダウンを着てネックウォーマーも付けてきたがこれが正解
風を切るとまだ空気は冷たい
グローブも冬用だが高速なので少し指がかじかんでくるくらいだ
磐田まで60kmあまりなので一気に走り通す
短い距離だったけど久しぶりの東名は楽しかった
長い橋で渡る穏やかな水面の浜名湖
浜松基地の上を旋回するF15戦闘機
天竜川を渡る橋から遠くアタマをのぞかせる富士山
あっという間の磐田インターからヤマハの本社までは5分くらい
あっけなく着いた

クルマでは入れないけどオートバイは正門から中に入れる
知らない人が多いのかオートバイは1台も停まってなかった
少し離れた駐車場に2輪も停められるのでみんなそこへ行っちゃうみたいだ
正門を入るとSRのエンジン音がちょっと変わった・・・
ような気がしたけど、そんなわけはないか

コミュニケーションプラザの中へ入るとまずはヤマハの現行商品が出迎えてくれる
今はヘリテージ商品群がメインなのかな
XSR900GPがお立ち台
このブログではあまり評価しないけど
ヤマハのオートバイって全方位で美しい
全体のラインやプロポーションもいいし
パーツひとつひとつのディティールも緻密だ
その向こうにはトヨタ2000GTやレクサスLFAなんかも展示される
右手にはヤマハ楽器のグランドピアノ
その向こうに現行レーサーたちが並ぶ
片隅にケース展示されていたYZR-M1のエンジンには驚いたね

たぶん1000ccのヤツだけど怖ろしくコンパクトだ
美しい青色のカムカバーをのせたシリンダーヘッドなんて
アッキーナ(ボクが生で見たタレントの中で顔最小)のカオより小さい!
ようわからんでしょう、突然アッキーナ(南明奈)云われても
いやでもねレースの世界ってすごいなと直感できる展示だ

2階へ行くとそこはボクたちオッサンの世界
何といってもこれだ
ケニー・ロバーツのUSインターカラーYZR500


(78年のOW35Kなのでほんとはゼッケン「2」)
並列4気筒でいろんなところからひょっこり突き出る4本のサイレンサー
フレームはまだ鋼管のオーソドックスなクレードルだ
いやーかっこいい
フレディ―との死闘を演じたマルボロカラーのOW70もいいけど
そっちはデルタボックスにV型4気筒であまりに現代的
鉄のフレームでパラ4なんてのがいい
それでももうミッションはカセット式だしYPVSも装備している
サーキットに漂うカストロールA747の甘い「香り」を思い出す・・・
なんて人はもうずいぶん減ったんだろうな

しかし久しぶりにレーサーを間近に見るとやっぱりほんと美しい
機能を収斂させた造形の美しさ
機械デザインかくあるべしと思わせる

このデルタボックスフレームのアルミ溶接跡を見るだけでハイボール5杯はいけるね
話は戻るけど
1階の現行4ストレーサーのところにロッシのマシンがあって
またがりOKなので遠慮なく跨らせてもらったけど
見た目のポジションの感覚と実際の印象はかなり異なっていて
今更ながらふぇーっと感心してしまった

よくもこんなポジションでレースできるもんだね
レーサーってグリップの位置が基本シートの座面と同じ高さで
ザ日本人体型のおっさんが跨ると相撲の仕切りしてる感じだ
その上足腰の柔軟性が乏しく加えて腹が情けなく弛んでるから
グリップを握るだけで息使いが荒くなるのさ
そこから、誰も見ていないことを良いことに
ケツを大きくずらしてハングオフの体勢を試してみようとするも
まったくどこにも身体がフィットせず木から落ちそうなサルみたいになるのだ
思えばこのマシンの主であるヴァレンティ―ノ君は身長181cmで
そのうえルパン3世のような手足の長さ
そもそもポジションが違うのか
何とも残念な体験となってしまった

このヤマハコミュニケーションプラザ
小さな子供連れのおかあさんも何組かいたりして
平日の午前とはいえまずまずの客(見学者)入りだった
外で待つSRも里帰りにちょっとよろこんでいるように見えたよ

この一帯にはいくつものヤマハの建物があって
そこで働く人の大きな寮なんかもある
地図で改めて眺めてみると「32号館」ていう数字が見られるから
ものすごい規模だと思う
本社の社屋の前にはジュビロのスタジアムがあるけど
サッカースタジアムってこんなに小さいのか、なんて感じてしまう
それ程このファクトリーは巨大だ
オートバイが売れないと云ってもやはりそこはヤマハ発動機、なんだね

風がなく日差しも暖かいので国道のバイパスを繋いで帰ることにする
静岡には富士から浜名湖までバイパスが以前から整備されているが
我が愛知、特に三河では整備が遅れていた
いた、と書いたのはこの3月8日ついに名古屋豊橋間の「名豊道路」が全通し
名古屋から豊橋、そして静岡へと高規格道路がようやく繋がったのだ
ボク自身も東三河に縁があるので
このバイパスの開通をおおいに待ち望んでいたクチなのだが
それにしても、まあ予想はしていたが、渋滞!ひどい!
潮見バイパスから豊橋バイパスに入った途端もう動かない
大崎を越えて2車線になれば流れるが
豊川橋の手前からまたエグイ渋滞
真っ平らな田園地帯にバイパスの高架が伸びているのでずっと向こうまで見渡せるが
もう途方もなく先までナメクジが這うような動きだ
期待していた蒲郡バイパスだけどこれはいただけない
御津で降りて国道1号線へ回ったら案の定スッキスキ
こっちの渋滞はほぼ解消されていて逆にチョー快適になっていた
なんだな、コレ
早晩この逆転現象に気付いて多分みんな国1に戻ってくるな
それは本当にイヤだ
そもそも全通前の状況から見て1車線で暫定開通すればさもありなんの結果でしょ
いやとりあえず開通して順次2車線化しますよ、はまあわかる
でもWebサイト見たら全線4車線化を計画しているようだが
その進捗率は現時点で4割程度だそうな
ああもう生きているうちには見られないヤツだ
そもそも今回の全通
事業着手した1972年から53年かけて達成されたのだ
あんまり時間かけてるとそのうち人口が減少して地方は衰退するだろう
そうなればどこの道路もスムーズに流れるようになるのかもしれない
「渋滞」ってちょっとイメージ湧かないなー
そんな世界が来る日も近いのかもしれない
だから生きてるうちに何とかしてくれー!
