太宰作品は暗い。

いつも人間の弱さを露呈しながら

社会と向き合う心の奥が見てとれて

自分の心と照らし合わしながら悲しく

儚い気持ちになってしまう。


この作品の主人公は酒代を払わないどころか

その店から金を盗んで、いきつけのバーのママに

借金を払ってもらい、さらに愛人と心中未遂を

してしまうどうしようもない作家の妻。


忍耐強いというのか時代がそうさせていたのか

さちを演じる松たか子の強さが際立っていた。