東日本大震災から10年となった今日。

改めて10年前のあの日の私達を振り返ろうと思う。






私達は「TRUE」のレコーディング直前で、スタジオでプリプロ作業をしていました。

14時46分、あの瞬間もメンバースタッフ一緒にスタジオ内で、「KISS IN THE DARK」のアレンジでまさに演奏中でした。

「あれ?Mallyやたらドカドカと振動がすごいなぁ」

最初はドラムの振動だと思った私。

でも猶人を見たら演奏しながら「地震」と口だけ動かして教えてくれた。



ちょうど演奏が終わるところだったから、違和感を感じつつ曲を弾き終わると、

「あ、これはまずい」と気付き、すぐに避難を開始しました。

スタジオのビルの階段を駆け下りようと思っても、揺れが大きくてしっかりつかまりながらじゃないと落ちてしまいそう。

ビルの隣の広い駐車場まで出てはきたけれど、気分が悪くなりそうなくらい、地面がうねっているのを感じました。

それでもあの時の私達は、まさかこれがあんなに大きい震災たとはその時点で認識していませんでした。



揺れが収まってからは、もう頭の中はさっきまでやっていたプリプロ作業のことでいっぱい。

呑気にスタジオに戻ってまた曲を演奏し始めました。

でもみんなも経験した通り、すぐにまた大きな余震に見舞われて、何度もスタジオと駐車場を行ったり来たり。

途中、スタジオの受付にあるモニターにテレビのニュースが映し出されたのを見て、

危機管理能力が低かった私達もようやく気付きました。これは大変なことが起こっていると。



津波が押し寄せる映像が生中継で映し出され、家も車も飲み込まれていく。

え、なに、なんで、こわい、

数年前のスマトラ沖大地震の津波の映像も見てた、知ってた。

でも日本でこんな事が起こるなんて想像できていなかった。

津波が何なのか、全然わかってなかった。






あれから、私達はずっとずっと地震に敏感になったし、防災意識もとても高まったけれど、

もっと、もっと自分たち自身のこととして知っていかないとと思う。

今こうして振り返っても、あの時の私に足りなかったのは知識と意識。

無知な私は東京だったから助かっただけなんだ。

自分や大切な人を守りたい。

あの日を知らない世代にも、伝えていきたい。

節目の10年というけれど、あの日失われた命、失われた日常を、決して忘れずに生きていきたいと強く思います。



亡くなられた方、被災した全ての方へ想いを込めて。

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