クロスノエシスのワンマンライブが延期になったため、その穴埋め的に決まった3マン。ワンマンが延期になった時点で、そこで見せるはずだった新しい展開はおあずけか…と思っていたのでふつうに豪華な3マンだと思っていたんですが、とんでもなかったです…

ほぼ19時ちょうどに開演、1番手はnuance。

SEなしで「雨粒」から。大阪で味をしめたのかな…wと思いつつ、2曲目「sekisyo」とnuanceで好きな曲1,2をいきなり連続で聴けてしまった。着座だけど逆に振りコピをするのが楽しかった。

その後は定番「tomodachi」からの「sanzan」という間違いない流れからの「ハーバームーン」、実はこれまでになかった割と直球にレトロな「悲しみダンス」。その後の「ゆれてみて」、あんまりライブでやらないしそこまで聴きこんでなかったけど、改めて聴くと大人なインディーR&Bっぽさすらあって心地よかった(振付もかわいい)。最後は「ミライサーカス」。まあ毎度間違いない…常に90点以上という感じなので新鮮味がないとすら思ってしまう(ほめてます)。MIXを手拍子に置き換えてしまうダサいフロア以外は完璧(あまりのドンくささとわびしさに、聞こえるたびに掌を外側に180度折り曲げて手拍子不能にしてやろうと思っていた)…「セツナシンドローム」の「tell me~」の後のパンパン!も定番化してるけどどんくさくてダサいな~と一人思っていたけど、それの延長にある。

 

2番手クマリデパート。

6人体制を生で見るのは(ワンマンでちょろっと出てきたのを除けば)今回が初。

「シャダーイクン」の最後のポーズがめちゃくちゃ決まってた。「サクラになっちゃうよ!」「極LOVE浄土」と1、2を争う好きな曲を両方ばっちり聴けたし、「ゴイリョクタラズ」もよかったな~。矢口真里も指摘していたけど極LOVEのモー娘。感がいい。

サイリウムも持って行っていたけど、目の前に来るメンバー(ほんと回転寿司のように入れ替わりでメンバーが正面に来る)の真似をして振りコピをするのが楽しかった。新メンバー、メイさんは強力なあざとさを感じましたが、マナさんの「背が大きくて声も大きい」というドカベンみたいな自己紹介が対照的で面白かった。

 

トリがクロスノエシス。

正直単なる穴埋めの3マンだと思っていたので、なんならパイセンであるクマリがトリってのもありうるかもとすら思ってた。主催者とはいえ、クロノス目当ての人がダントツで多いのかというとよく分からないし。でもSEが流れて待ってる間に「もしかして今日新曲やるんじゃ…」と一瞬思ったんですよね。そしたらなんと新衣装&新曲!

この動画の1時間9分~をぜひ(※公開期間は8月21日いっぱい)

 

新曲「VENOM」はキャッチーなリフが印象的で(サビの後ろでも鳴ってるのが最高)、サビのさわやかで切ない感じのメロディが最高…夜のドライブに絶対合う。

こんな衣装ではない(これはブラックメタルバンドのVENOM)

楽しそう

 

キャッチーで聴きやすい印象で、ミュージックステーションに出ててもおかしくないくらいに思える曲だけど、そこかしこに気持ちいい仕掛けが散りばめられている(イントロでいったん音が絞られるところ、サビの後のドコドコいうやつ、2サビのキメの後の入り方など)。

サビでファルセットになるのはこれまでの曲にはなかったような気がする。効果的にファルセットが使われる曲が好きなので嬉しい…それこそここ最近毎日聴いてたDADAROMA「ポルノグラフ」のような…(ちなみにDADAROMAは曲を作っている太嘉志が「よしあつのファルセットが好きなのでそうなるような曲を意識的に作っている」と話していた)。

 

いきなりキャッチーなリフで始まって曲を通じてリフが鳴っているって今気づいたけど「cross」もそうなんだけど、明らかにキャッチーに(でも全く安っぽくはない)進化している…

ラスサビ前の歌声の絡み方も今の5人のスキルがあってこそだし、クロスノエシスはどんどん良くなっていっちゃうのでは、とすごく嬉しくなった。

 

歌詞に着目してみると、2サビの「抜け出そう耽美の先まで」という歌詞は、正に箱庭的な閉じた耽美な世界にいた最初の衣装の4人時代から、少し開けた印象の3人体制を経て5人体制がいよいよしっくり来て正に殻を破ろうとしている今のクロスノエシスを表しているようなフレーズだと思った。

「君に噛みついた闇が~」「離さない 時を止めてでも」と闇、時というクロノス界の頻出単語(テストに出る)が使われているし、「深く君に差し込んだ針で僕の毒を流し込む 狂いたい時を忘れても」なんかは僕=クロスノエシスがフロアを時を忘れるような狂乱に叩き込んでやる、ということなのではと思える。

「MY LAST DANCE」「VOICE」「VENOM」といった1stワンマンの曲は全て自分達のことを歌っているような曲に思えるけれど、段々と内省的な要素から外に開けていくような印象がある(正にグループがそういう時期なのでそりゃその通りなんだけど)。

ワンマンが延期になってしまったということは、そこで発表する予定だった新しい展開もおあずけか…と残念に思っていたけど、先出ししてくれてよかった。やっぱり新曲とか新衣装とか、動きがあると楽しい。

 

 

新曲からの「インカ―ネイション」、間髪入れずに「残夜」「薄明」「VOICE」で最後に「MY LAST DANCE」。新曲から始まることでみなぎっていた緊張感がずっと持続していてあっという間に思えた。「薄明」は先々週に体得した座りヘドバン(姿勢が安定する)ができて楽しかった。

 

新衣装もすごくいい…黒/白を基調に、パイソン柄(ヘビ柄)に青をアクセントに使うという上品さ…

パッと見銀色を使っているのかと思ったら、数分経ったところでヘビ柄だと気づいて瞬時に「窪塚着だ!」と思ってしまった。

そう、窪塚がよく着るブランドWACKOMARIAのパイソン柄シャツ…

なぜそれを連想できたかというと、メルカリで毎日「窪塚」で検索しているからなんですが…(ちなみになんとなしに買ったら後で窪塚着になったことが数回あります。根が窪塚なので)

日々「窪塚着」のアイテムをチェックしている

 

まさか推しメンが”窪塚着”の世界に足を踏み入れてくるとは思わなかったので、個人的にテンション上がったな…

 

あとRISAさんのハーネスがキズreikiと一致してしまった…

それぞれの個性に合った作りでありつつ(特にFLAMEさんのロリータ服のケープみたいでありつつチャイナ的でもある感じが直球だけど似合いすぎ)、AMEBAさんとRISAさんのパンツは逆のラインが入っていたり、単体で見ると一番スタンダードで優等生的なLAKEさんが5人の中にいると逆に際立ったりと(今日のライブでも目を引く場面が多かった)、”チーム感”もばっちり強化されていて最高としか言いようがない…

この”暗黒武術会に出場しそうなキャラの立ったチーム感”、サイクゥ~

このパンチのあるバンド達と並んでも遜色なし…RISAさんのポーズが最高

ライブ後にオタクと話していたところ、ガチなオタクが多いのか「推しメンの新衣装、まずお腹が出ていなくてよかった」と口を揃えて言っていた。私の推しメンはがっつりお腹を見せていますが…そこがいい

MAIさんは何かに似ている…LOVEマシーンの頃のモー娘。?と思ったけど、知り合いの「武富士ダンサーズみたい」というたとえが面白かった(全然似てない)

 

アイドル現場って周囲と同化して安心して騒げる「沸き曲」でお決まりのMIXやらサビマサイやらをするのが”盛り上がる“こととされがちな印象があって、安易でつまんねえな~と思いつつ、そういうわかりやすい記号的な盛り上がり方をさせづらいクロスノエシスはどういう道を進んでいくんだろう…と思っていたけど、今日のライブは「個々の趣味嗜好がどうあれ、これ見て何も感じない人の方がおかしいでしょ」と自然に思えるような圧倒的なライブだった。

ちょうどDADAROMAを初めて見たのが1年前のフェス形式の「バグサミ」で、そのときは1~2曲だけ知っていて「曲は良いけどチャラついてるかも」程度の半信半疑で観たんですが、各バンドが短い時間内に代表曲をぶちこんで盛り上げる中、バラードばかりを3曲歌い、MCでは煽りのタイミングが唐突過ぎてフロアがついていけずにちょっと失笑みたいになったところ「笑うな」と小さく一喝して仕切り直し、最後もバラードをやって帰るというフェスという場の雰囲気に乗らずに思い切って自分達の見せたいものを見せたライブで、この一発で完全にやられてしまったんですよね。

それから約1年なので最近思い出すことも多かったんですが、今日はあの時に感じたような“強い意思と完成度をもって構築した世界にただただ圧倒される”という体験をさせてもらって、めちゃくちゃ嬉しかった。アイドルは客の方が年上なことが多いからか演者を上から目線で見るような人が散見されるけど、少なくとも俺はもう尊敬の念しかない。

最後にアンコール、今日が誕生日の小田アヤネさんのために、出演者が小田さんのお面をつけて「ネコちゃんになっちゃうよ~」を踊るというパンチある戦慄の絵面で終了(最後に小田さんの挨拶があったのでホッとした雰囲気になったけど、無言で帰って終わりだったらそれはそれで面白かった)。ホドロフスキーか、インド映画「ロボット」かっていうくらいぶっ飛んだ絵面でした…

 

あんまり楽しかったので久しぶりにお酒を飲んだ。

いや~ほんと、大げさな言い方のようだけど今日みたいな日があると生きてるといい事あるんだなと思える。いい日だった。