8日のエクストロメでお披露目されたnuanceの新曲「sekisho」がめちゃくちゃいい!

単音クリーントーンのリフが一聴して(真部脩一がいたころの)相対性理論やタルトタタンを連想させつつ、サビはドキャッチーで歌詞も直球…好きすぎてアーカイブを見ることができた昨日までの間に100回以上は聴いた。相対性理論は後期の方が好きなんですけどね。

 

4人の歌のキャラがまたいいのよ。特に「否応無し 待った無し」「それでもよし 心配なし」の歌割りが珠理ちゃんなのが最高…真剣な恋する気持ちを歌う曲の中で、マンガとかによくいるガヤを入れてくるキャラ的な立ち位置っぽくていい。横浜が舞台のキャッチーな恋愛ソング、という意味では「Love Chocolate?」も同じカテゴリーなのかもしれないけど、全然印象は違う。

横浜の関所=関内のことかと思いますが、「味の関所」という可能性も捨てきれない…

 

横浜を舞台にしつつ、恋する喜びを歌った…という横浜のご当地アイドルとしては100点満点のどストレートな曲のようでありつつ、“相対性理論が好きなやつは大体メンヘラ”というわけではないけど、ストレートな歌詞に見えつつ主人公の思いが強すぎてところどころ違和感(たぶん意図してなさそう)があるのが面白い。

主人公の“好き”が強いため「そっけなく抱きしめられても それだって最高なの」なんだろうけど、男の側が照れてるだけであることを祈ってしまう…そんなに好きでもないけどキープ感覚とかではないことを…「You and me so crazy」とか言っているけど、Youがcrazyであることが描かれていない分、逆に勝手に一緒くたにしてcrazy呼ばわりしているmeのcrazyさが感じられる

 

主人公の熱い気持ちのみが伝わってくるものの相手のリアクションが不明なのでこういう余計な心配が生じるんですが(乃木坂46「制服のマネキン」も一方的に俺と一線超えようぜと呼びかけたり缶コーヒーをあげるだけで相手のリアクションが全く不明なところが“実は完全に空回りの一人相撲なのでは…”という可能性を残していて最高なんですが、それと近い)、「馬車道 手をつなぐのは ああ 恋する気持ちの証」という一行があることで「ああ、一応付き合っているんだな…」と安心(?)した。

乃木坂で一番テンション上がる曲

 

よくよく考えたら「雨粒」の「固く結んでそばに置きたい あなたの体を」と重い愛を歌っている主人公(赤い縄で相手をがんじがらめにして施錠した部屋に転がしている絵面が浮かぶ)は、実は重すぎる片思いの可能性が払拭できないんですよね。

「こんな不安定な真夜中」に「さっきから通じない電話にまた心折れそうになる」と、真夜中に電話をかけて(しかも「さっきから」ということは頻繁にかけていそう)出ないからって勝手に病んでいるという時点でやべえな…という感じですが、よく聴くと最後までこの主人公と「あなた」がつきあってるかどうかもはっきりは分からない(“さっきから”通じない=それ以前は応対していた、ということなので親しい間柄ではあるんだろうけど)。重すぎるストーカーが頻繁に電話をかけている可能性も否定できない…

 

この曲はやっぱりみおさんがいい。声といい歌い方といい「この人はやるときは(包丁で)サクッと行く人だ」という気迫がある(激ほめしています)。今や本人はメンヘラではないという認識ではありますが…ミサキサンもわかさんもシリアスな表情を作ってるんだけど、珠理ちゃんがいつだか結構ニヤニヤしながら歌っててこの人すごいな…と思った。

嫌味とかではなくて珠理ちゃんはテンションが分かりやすく外に出がちに見えるところが面白い。RISAさんみたいにアイドルを演じることに自覚的な人が基本的には好きだけど、珠理ちゃんみたいなある意味で本能的というか動物的な人も目が離せないし、それはそれで魅力的な人間という意味でアイドルだよな~と思う。跡部様風に言うと“おもしれー女”…

 

ヌュアンスは複数の人が作曲しているから曲がバラエティに富んでいる、と思っていたけど改めて見ると作曲は別の人でも佐藤嘉風さんが編曲も多いんだなと気づいた。完全に公募だとアルバム毎に色合いが変わりすぎてしまいかねないので期待半分不安半分になっちゃうけど、ヌュアンスは安定感があるので心底安心して期待できる…「brownie」めちゃくちゃ楽しみ。とりあえずは19日のエクストロメで「sekisho」を生で観たいぜ…