俺の姉ちゃんの話。夜、姉ちゃんがベッドに寝てると、自分の頭の横で、何かバタバタ音がするから、
「うるさいなー」と思いつつ、何かを確認しようとして目を開けようとしたが、目が開かない。
それと同時にバタバタという音がだんだんデカくなる。
「うわー何?何?」って姉ちゃんが焦っていると、いきなりその何かが胸に乗ってきた。
ピョンピョン跳ねて、キャッキャッ笑ってるらしい。
明らかに小さい女の子の声だ。
もの凄い汗をかきながら、姉ちゃんはわけわかんない念仏を唱えてると、「目を開けて見て」って声がした。
姉ちゃんは、
「あけれません…」
と呟いてみると、その何かが、
「目を開けて寝ると、まーるいお菓子が貰えてね。大丈夫なの。だからまーるいお菓子が貰えてね大丈夫なの。」
と繰り返す。
姉ちゃんは、無理だと思いつつ目を開けてみると、そこには、どこにでもいそうな、女の子が、馬乗りになって姉ちゃんの上に乗ってる。
姉ちゃんは気が遠くなり、そのまま、意識がなくなった。
次の日姉ちゃんにその話を朝から聞いた。「ねーよwwwwwwwwww」って俺は笑いながら茶化した。
「そうだよね?サーセンwwwwwwwwww」って姉ちゃんも笑ってた。
それが、姉ちゃんと喋った最後の会話だった。
姉ちゃんは、その日の通学中に車にひかれて死んだ。目を見開いて。
葬式の時に、お供え物の準備をしてると、親戚の女の子が、俺のとこに走ってきた、
「これね、みっちゃんがね、お兄ちゃんに渡してって」
って言うから、俺はテッキリその見知らぬ親戚のみっちゃんて子が、俺にお菓子をくれたんだなって思って、ありがとうって、受け取った。
「みっちゃんって誰?」って女の子に聞いてみると、
「みっちゃんはね、押し入れの中に住んでるから、外に出れないんだってでも、もうすぐ出れるって」
俺はそれ以上何も聞けなかった。
女の子のくれたお菓子は、丸い旨そうな、まんじゅうだった。
これは私が大学生のときの話です。
梅雨があけたばかりの夏のある日のことです。
その日の夜の12時くらいに大学の近くに住んでいる友達から、
今数人で集まって飲んでいるから来ないかと誘われ、私は車に乗って友人宅へ向かいました。
友人の家へ行く途中には霊園があり、その霊園は心霊スポットとしてそれなりに有名な場所でしたが、別に霊園の前を通るだけで、中に入るわけではないので特に怖いと思ったことはありませんでした。
その日も特に気にすることもなく、友人の家を目指しました。
熱かったので窓を開けて走っていたのですが、
ちょうどその霊園の前を通ったときにとても冷たい風が通り抜けた気がしました。
当時私が乗っていた車には、助手席に人が乗っているときにシートベルトをしていないと、シートベルトのマークが点灯するようになっていたのですが、その時にふとそこを見るとマークが点灯していました。
そのマークは、助手席に荷物を置いたりすると付くことがありましたが、その日は何も置いていませんでした。
そこで私は怖くなり、なるべく助手席のほうを見ないようにして友人の家へ急ぎました。
そして、友人の家の100m程手前で信号に引っかかった時に、早く青になれと念じながらもう一度そのマークを確認すると、やはり付いていましたが、見てから一瞬の間をおいて消えました。
私は少しだけほっとしましたが、信号が青になると急いで友人の家まで走らせました。
友人にその話をするとしばらく考えてから、
「そこの信号のとこにある家はさ、子どもはいないんだけどすごい仲の良い年取った夫婦が住んでたんだよね。ただ、一週間くらい前にそこの奥さんが亡くなったらしいんだ…」
と言い、それを聞いて、その奥さんが旦那さんに会いに行きたかったんだと思うと怖くなくなりました。
しかし、数日後大学で友人に会うと、青白い顔をしてこう言いました。
「あのときのやつさ…、会いに行ったんじゃなくて、迎えに行ったのかもしれない」
その日の朝、そこの家の旦那さんが原因不明の死体で発見されたそうです。
森の中でキャンプをしていて夜になったのでAと二人でごはんを食べていたら
「助けてー」って女の声が聞こえてきて、その声が聞こえる方に駆けつけたら
女が池でおぼれていたんだ。
俺が早く助けないとって池に入ろうとしたらAが「おい。待てよ」って必死で俺を引き止めた。
女はこっちを見ながら「助けてー」って溺れながら叫び続けてるの。
はやく助けないとまずいだろって、必死でAを振りはらって池に入ろうとしたんだ。
なんでこいつ引き止めるんだろうって。早く助けないと女溺れ死ぬよ。見殺しにするきかよ。みたいな。
「はやく助けないと溺れ死ぬやないか!」
「ちょっ・・ちょままっ・・・待てよっ!こんなに暗いのにあの女の顔だけはっきりみえてるのはおかしいだろ!」
というわけで、その場からすぐ離れようって事になって、急いでAと帰る支度をした。
女はもう叫ぶのをやめていたが、片付けている最中ずっと背後からこっちを見てる視線だけは感じていた。