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浦和ストーブリーグ所感

サンフレッチェ所属のGK西川の浦和移籍と高橋峻希の神戸移籍が発表され、「サンフレッズ化が……」「生え抜き育てろよ」とか言っている方が大量にいますが、私、異論ありまくりでして。

まず生え抜きについてですが、2013年の開幕スタメンで生え抜きが何人いたかでいうと、トップは鹿島とC大阪で7選手。広島は5選手。最小が名古屋で2選手。
浦和は4選手なんですが、4選手のクラブが8チームもあるんですよ。

なんで浦和が特に生え抜きが少ないっていうことではないんです。

現在、トップチームには阪野、直輝、水輝などのユース出身者が控えにいるわけですが、単純に彼らのコンディションや実力が足りていないだけで、メンツだけみればいるんです。

生え抜きで顕著なのはC大阪ですね。

C大阪といえば、今では育成の代名詞たるクラブですけど、現在の育成システムが稼働しだしたのは2007年からです。いわゆる「ハナサカクラブ」ってやつです(詳細はググってください)。このハナサカクラブからトップに上がってきたのが、山口、扇原、丸橋、杉本、柿谷、南野あたりです。

ちょっと脱線しますが、香川、乾、清武はセレッソユース出身じゃありません(香川は宮城の高校、乾は横浜FM、清武は大分出身です)。彼らがセレッソで開花したのは、ユース育成とはまた別軸の話なんで割愛します。

ハナサカクラブがスタートしたのと、レヴィー・クルピが就任したのが同じ07年なんですが、当時セレッソはJ2にいたんですね。で、すぐにJ1に昇格したかというと、09年まで3年間J2にいました。10年から13年までのJ1時代は、リーグ3位→12位→14位→4位と遷移しています。

何が言いたいかっていうと、選手の育成って、システムを作ってクルピのような伸びしろ重視な監督を引っ張ってきても、結果を残すのって本当に時間がかかるんですよ。ハナサカクラブ出身の扇原、山口、丸橋が開幕スタメンに名を連ねたのは12年ですしね。


でね、浦和って、サポのプレッシャーが他と比べて段違いなんです。他クラブに対するコンプレックスがあるのか、単純に堪え性がないのか、他サポと比べても結果を求める傾向が強いってのが肌感覚です。「浦和は強くあらねばならない」っていう意識が強いんでしょうね。

だもんで、フィンケを招聘して、積極的なユース選手起用で継続的な育成を図ろうと方針転換したものの、戦績が伴わなかったため、サポから異論・不満が噴出しまして、クラブもたった2年で方針撤回し、今またミシャによる結果重視に転換してるわけです。


ただね、世界中のクラブ見渡しても、育成重視で結果残せてるクラブってほとんどないわけです。7~8歳カテゴリから哲学貫いてるバルサとか、ユース世代青田買いで台頭してきたドルトムントや今季復調したアーセナルとか、パッと浮かぶのってそれくらいでしょう。ウディネーゼあたりは惜しい感じ(南米は自前で育てた選手を欧州に譲渡する文化なんで、大きなくくりでいうと育成型なんですけども、ここでは省きます)。

マーケットの違いはありますが、育成と結果を同時に追い求めるのってやっぱ難しいんですよ。それこそ10年単位で腰据えて取り組まなきゃ結果は出せないです。が、それを一度ダメにして方針転換した浦和では、当分まともな育成システムは構築されないです。

そして育成って投資なんで、育成に金かけ始めると、トップの強化が今までのようにはできなくなって、結果が伴わなくなるのは容易に想像がつきます。でも、それはそれで、サポが激おこしちゃうわけです。

浦和サポは「結果は出せ。でも選手は浦和色で」というのを強く求めているので、なんともやっかいな環境なんです(とクラブ幹部も思ってんじゃないですかね)。

まぁ、個々の意見として発言するのは自由ですけど、両方目指せってんであれば、育成と強化双方にかかるお金をどうやって捻出するかまで考えないとね。レッズレディース切るのか、ハートフルサッカー縮小するのか、ハナサカクラブみたいに、経営をクラブから切り離すのか、とかとか。批判する人はそういったところまで考えて批判してもらえると建設的になると思うんですけどね。


長くなりましたが、次にサンフレッズ化について。

これはもうしゃーないです。ミシャという、特殊な戦術を駆使する監督連れて来て、結果を求めすぎる浦和サポの気質が組み合わされば、そりゃ、監督の思惑をすぐにピッチで体現できる選手を引き抜きますって。

それでも移籍交渉自体は上手くやってると思います。基本、移籍金の発生しない形で引き抜いてますから。お金かかってる那須や槙野もレギュラーとして及第点の活躍は見せてるし。

気持ちの部分で、広島所属の選手ばかり獲るのがイヤ、って感覚もわからなくはないですけど、育成方針に我慢できなかったのは誰? そして興梠、関口、那須といった、ミシャ就任以降に獲得した選手はすでに浦和色なの? と、俺はそういう“気持ち”になりますけどね。

クラブを取り巻くいろんな環境から、腰据えて育成に取り組めないんであれば、バイエルンやエル・レアルな方向だ、と割り切っちゃったほうがよほど健全です。むしろ彼らを引き抜けるだけのクラブの財力を、俺らサポが、入場料とグッズ売り上げで支えていると誇りに思えばいいんです。

他サポがいくら浦和の補強を非難しようが馬鹿にしようが、クラブ売上の半分をサポが上げているからこそできるんであり、自分たちも頑張ってサポ増やして売上に貢献できるよう草の根活動していけばいいじゃん、ってだけの話なんで。

以上、浦和のストーブリーグに関する所見です。