a Voice of Angel | execute/Allez URAWA

a Voice of Angel

“天使の歌声”と評されたJeff Buckley(ジェフ・バックリィ)。


ジェフが生まれる前に家を捨て、ジェフが8歳の時にイースターの9日間のみ会い、その2カ月後にヘロインのオーバードーズで逝った男を父に持つ。

父親の名は、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、ジム・モリソンと並び評されるティム・バックリィ。


赤の他人同然だったティムの葬式に出席することもなかったジェフは、しかし、血がそうさせるのか、宿命がそうさせるのか、音楽を始め、けじめをつけるために参加したティムのトリビュートコンサートで、世間に「ティムの息子」として認知される。

そのことに抗い続けたジェフが、“ティムの息子”としてではなく、“ただひたすらにジェフ・バックリィ”であるために、葛藤を続け、作曲を続け、Liveを続け、そうして生まれた1stアルバムにして唯一のスタジオアルバム『Grace』。


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バイオグラフィに、ティムのことが一切書かれていない、ジェフ・バックリィのデビューアルバムでは、極められた天使の歌声を耳にすることができる。

その歌声が、形容しがたいほど独創的なバンドの音と重なり合い、聴く者の意識・無意識化にある精神を揺さぶり、それらを抉り出していく。

ゆえに、弾き語りで奏でられる「Hallelujah」が、宗教の是非に関係なく、息をすることも忘れてしまうくらいの存在感で迫ってくる。


そんなジェフの真髄はもしかすると、『Live at L'Olympia』の方が、より感じられるやもしれない。


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感情の趣くままに、時に激しく、憂いを帯び、慈愛に満ち、自由奔放に駆けめぐるジェフの声に追随し、ほとんどギリギリの状態で保たれる演奏の数々からは、まごうことなき“ただひたすらにジェフ・バックリィ”を感じることができる。


どちらも必聴。





それを神の領域というのであれば、ジェフは間違いなくその領域にいた。しかし、そこに居続けることは人間には不可能なのか。あるいは、魂を削るからこそ、そこに身を置くことができるのか。

かつて多くのアーティストがそうだったように、ジェフもまたその宿命からは逃れられなかった。


躁鬱が繰り返される双極性障害を罹患していたジェフは、2ndアルバムを制作していた12年前の今日、ミシシッピ川で溺死した。偉大なる足跡と、神々しい歌声と、人々への喪失感を残して……。




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Rest In Peace Jeff Buckley.