イラクの北部地域の全域を占拠しつつあるスンニ派反政府武装組織(ISIL)の軍事行動は、急速にイラクの首都であるバグダットに迫りつつある中、イラクのマリキ政権と宗教思想を同じくするシーア派の国家であるイランが米国のイラクでの軍事行動に抑制をかけている状態にあるのだが、こうした状況を総合的に判断すると、今後の軍事的な対立は激化を辿るのは必至であるだろう。
そして、これがシリアとイラクとの国境地帯がこのスンニ派武装組織(ISI)Lの占拠を受けて、シリアからの武器や人員の供給が速やかに遂行できる状況では、この地域の軍事的安定の糸口さえ見出せないままに、イラク政府軍との軍事衝突が拡大することが容易な情況になっている。
そしてまた、ここにきてシリア側からイスラエルに向けて砲撃があったということで、イスラエルはゴラン高原の都市を空爆しているのであるが、このこともこの武力衝突の意義がどこにあるのかを探る上で、問題を複雑化しているのである。
イラクのスンニ派武装組織(ISIL)を資金面で、そして軍事面で支援しているのは、スンニ派の大国であるサウジアラビアであることは、容易に推測できることであり、これが現実問題として、このサウジアラビアや一方のシーア派の大国であるイランを巻き込んだ宗派間対立として全面軍事衝突ともなれば、戦果の拡大は中東地域のみならず、全世界を引き込む大戦争ともなりえる情況にあるのも、事実であると推測できる。
また、これに原油利権や、このイスラエルのシリアへの報復とする空爆などを考えると、単にイスラム国家の宗派間対立の構造ばかりではなく、宗教や思想・信条の対立にまで発展しかねないのである。
この中東地域の情勢は、欧米のみならず我が国や中国、そしてロシアもまた、その国際的な、あらゆる分野における立ち位置までもが、問われる事態であるのは確かだろう。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140623/mds14062310570006-n1.htm