この時代についての示唆を与えてくれる存在が見当たらないならば、自分たちで考えなければならない。
想定外と言わないでよいように新しい世界の準備をしなければならない。極めて異例なことではあっても対応策を講じなければならない。
就任式まえからこうした話になるのはこれまでの普通ではない。アメリカ第一主義というなら支持を得た米国益に反することはないのだろう。
だが、同盟国・友好国に配意なしでは、アメリカ民主主義をトランプ次期米国大統領が消し去ることになる。それは、あたりまえの世界が失われつつあるように映る。アメリカのような巨大な影響力のある国がB級映画のファミリー企業の国であっていいはずがない。
確かに、エスタブリッシュメントに抵抗しアウトサイダーに変革を求めメジャーにしたのはアメリカ国民である。その投票者のそれに応えるのも政治だろう。
対外政策において、新旧の性格は異なるがかつてのニクソン=キッシンジャー外交のスピードに私はある種のとまどいを感じたが、その近似性を超えることも想定すべきだろう。
まず1月20日の米国大統領就任演説が注目される。<了>