シリア内戦 | ExcomAdvisorのブログ

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本稿は私・平田幸治の個人の意見・見解等を綴ったものです。

http://www.asahi.com/articles/DA3S12695904.html

2016年12月8日朝日新聞【記者有論】春日芳晃・イスタンブール支局長『シリア内戦』

 

 ブログに記すのが遅くなった。その間にイスタンブールでは春日記者の自宅から5㌔地点で連続爆発がおきている。イスタンブールのこうした事件も他のヨーロッパの事象もシリアからの難民が始まった頃から顕在化してきた。

 

 私が春日記者とTWを交わすようになったのは彼がNY支局在勤中のUN本部からのシリア情勢報道への私の照会に関するやりとりからであるが、間違いなく彼は相当な危機感を持っていた。私は早期のPKFができないなら長引く泥沼化は停戦合意形成をより難しくすると考えていた。

 

 それにしても、春日記者のNYからの報道が始まってからこの時点までのシリア情勢の時間が長すぎる。国際社会は人の生命が失われていくことを傍観してはなるまい。衝突の当事者が増えて、大国が自己利益で宥和的政策を巡らすとき、事態はより複雑さをつくる。冷戦期の国際政治を学んだ私は思うが「すべては状況が決定する」ことになる。また歴史における「必然と偶然」がおこる。

 

 日本の地方都市に住む私に何ができよう。この母国日本とて難民支援のための相当規模の資金援助が主である。この点はより国際社会に貢献したいという安倍晋三総理の国家観がわかるようでもある。

 

 私は大学の後輩でUNHCR国連難民高等弁務官事務所議連会長の逢沢一郎・衆議院議員(岡山1区選出、当選10回)に幾度か尽力を切望した。中東出張の任務が多い逢沢氏にはその際に、春日芳晃・朝日新聞イスタンブール支局長との情報収集協議を依頼した。現地のことはこうしたプロフェッショナルでなければ解りづらい。むろん春日記者がジャーナリストとしてピュリッツァー賞等が取れなくなっては困る。

 

 春日記者がNY支局からイスタンブール支局長へ異動するとき、「国連本部から緊張の最前線となり取材活動とご家族の安全を祈ります」との趣旨のTWをした。だが、彼の事実報道のための取材は緊張地域から危険地域にまで広がった。「安全を祈る」だけではすまない。というのが2016年12月8日朝日新聞【記者有論】『シリア内戦』を読んだ私である。<了>