11月22日朝日新聞大阪35面の東郷隆記者の『バナナが消える?。➝騒動』を読んで思うところがあった。これは「新パナマ病」で「土壌の菌の一種が根から入り込み、バナナを枯死させる。伐採で拡大を止めるしかなく、数十年間は汚染が続くとされる」(東郷隆記者)というものだ。
バナナと言えば、私など還暦を過ぎた世代には子どもの頃は病気で床にいると母が食べさせてくれた思い出がある。知人の子育て世代の女性に聞くと、バナナの病気はしらないが、小さい子どもに毎日食べさせるのでバナナがなくなると困ると言う。
最近の注目は中比関係で、ドゥテルテ比大統領の訪中に合わせるように「中国は・・、フィリピン産バナナなどの事実上の禁輸措置を解除した」。「・・バナナの産地ミンダナオ島でダバオ市長を長く務めたドゥテルテ氏にとって、住民生活に直結する禁輸解除は悲願だ」(朝日新聞デジタル、10月15日、マニラ=鈴木尭子特派員、北京=西村大輔特派員)。
「日本人は果物の中でバナナを最も食べ、総務省の家計調査(15年)では、2人以上の世帯あたり年間約18㌔を消費する。流通量の約9割はフィリピン産だ」(東郷隆記者)。
先にあげたフィリピンのバナナ輸出であるが、ジェトロ所有のデータベース(GLOBAL TRADE ATLAS)によると、輸出相手国の上位5ヵ国(2013年~2015年)は、日本、中国、韓国、イラン、UAEの順である。
日本のバナナの輸入相手国を財務省貿易統計から順位で観ると、数量ベースでは、フィリピン、エクアドル、台湾、グアテマラ、メキシコ、インドネシア、コスタリカ、ペルー、コロンビア、タイ、ベトナムの順である(2016年度全期、9月まで)。
東郷隆記者の記事では、農林水産省も「新パナマ病」の日本への影響を否定しているようだ。
私事だが、寒い時季は、朝食に電子レンジで温めたバナナを出勤前に食べている。夏の時季は朝のゴーヤジュースに甘味をつくるバナナは欠かせない。子育て世代のママさんたちにバナナが消えたら大変だ。
国産バナナが安価に提供されることも期待したい。<了>
《注》
1.国内産バナナのチャレンジの例については、山陽新聞(岡山市)の山陽新聞デジタル(さんデジ)2016年06月13日に「1本千円! 岡山産バナナ引合い殺到 生産者の山本耕祐さんに聞く」が掲載されており、ご関心の向きにはお読みください。
2.私の使用した統計はジェトロ岡山貿易情報センターの助言を得た。記してお礼申し上げる。
3.写真のバナナはバナナ輸入で国内最大シェアを持つ輸入商社のフィリピン産バナナで私が常食している。
4.東郷隆記者の朝日新聞の原文はお読みください。
≪追記≫
1.2016年12月4日山陽新聞<さんデジ>に「岡山にバナナの大規模農園が開園 日照多く適地『日本一の産地に』」が掲載されている。
2.2016年12月15日山陽新聞<さんデジ>に「岡山で栽培したバナナ初出荷」http://www.sanyonews.jp/article/461304/1/?rct=chihou_keizai をリンクします。