5/15夕は久しぶりに大学教授の友人と「戦略・経済対話」の懇談をした。
友人は日中関係が、よく話し合えばもう一つの隣国関係ほどの難しさに至らないのではないかと数年前の中国視察の回想から述べた。現在は北京の風の向きで視察はないという。
中国東北地方の工業地域を訪問して新幹線製作工場を訪問したところ、工場の入り口から先が遠くて見えなかったという。そのような工場が中国各地に偏在するとみられる。と、友人に同行したその地方で地位のある人物の案内で聴いたという。
かつての日本が旧満州に進出し開発した名残が見られるのか、中国東北地方の風土は相当程度先進的原風景の趣を形成してきたのだろう。話は旧いが、国際連盟がリットン調査団を派遣した際に同調査団は日本の旧満州支配を同じ当時の列強の行動形態の中でとらえ、例えば、リーガルな地政学的史眼を持っていたというか板垣征四郎指揮の工作の中国進行作戦を処断したと観るのも難くないと考える。施政権下の領土の線引き問題が想像できるのかもしれない。
友人は、日本企業の役員から日本の投資企業の高度の契約決済書類を中国企業の社長を兼務する中国地方政府のハイポジションの人物に渡す際に、例えば2,000万円がそうした種類の渡す金員の上限とするなら1,999万円を書類に添えたと聞いた記憶があるという。つまり、現中国中央指導部が「反腐敗」に動いていることは、これまたそうした不正蓄財がなされたことを推測しうる一断片の材料かもしれない。
昨年の米中「戦略・経済対話」で米中は、中国から北米等へ大きな金員が送金されることを、また逆を把握し通報する協力に関する金融合意がされたとも当時いわれていた。
中国の「反腐敗」へ動かす構図は、地方から北京への出世街道の路銀に入用なのだろう。テリトリィの経済成長率の統計数字の嵩上げは中央における地方の執政への評価であり否定はできない。そのために投資生産した余剰資材は国内需要に供給過多というよりも積み上げて保管し外国のインフラ投資への輸出を期待することになっても不思議ではあるまい。
日本とて、経常収支の悪化を回避するには来日外国人観光客を歓迎し「爆買」も期待しなければならない。日中も「戦略・経済対話」で大人の交際関係が重要だ。日本の「経済の再生」が要る。<了>