5月15日の安倍内閣総理大臣の集団的自衛権の行使に向けた記者会見以来安倍総理を批判するメディアあるいはある世論がみられる。私は政治に携わっている者ではないがここに一定の範囲の所感を申し上げたい。
まず、安倍総理を批判する立場の意見が多いが、私は安倍総理はそのように批判される「バカ」ではないと考える。「・・・日本人の生命を守らなければいけない責任を有する私は、総理大臣は、日本国政府は、検討していくべき責務がある」(「基本的方向性」記者会見)と総理が結んだ記者会見は極めて自然なことである。
第二次安倍内閣成立後の数度の所信表明演説・施政方針演説を再読してみても、日本の方向性を位置づけており、自らの政権の延命と再選とかを考えているばかりとは思えない。自分の在任中にその日本の方向性を位置づけ、それで自分の仕事を全うしたい、とする姿勢があり、この度の記者会見はその具現化の表明ととれる。
改憲してからを主張する政党・メデア・世論があるが、メディア各社の世論調査を観察すると、憲法改正の国民投票の要件の多数を確保するには実現性に関して蓋然性が加わる。それでもなお日本を取りまく安全保障の国際政治の環境は時々刻々と変化する。
例えば、近隣の大国は急速な経済力の発展を背景に自国の民の格差社会・インフラ整備を無視しこのところ毎年の軍事予算を積み上げアジアと太平洋地域に進出の脅威をもたらせている。ある国は、全く自国の民を犠牲にして軍事力を外交カードにしている。
こうしたことへの日本の対応を日本の「右傾化」と呼び「警鐘」する向きもあるが、では「右傾化」を検証したことはメディアを含めてあるのだろうか。
前述の「大国」はその将来に経済・軍事で米国まで凌駕しょうかと言うのである。その大国は米国財務省証券外国保有高1位であり、米国の政治的発言も多分にリップサービスを含むものでそれが礼儀でもある。
日本と米国は、アジア太平洋地域で安全保障の色彩の強いTPPを共に主導しこの2・3年で安定的な「海」を取り戻すことを考えなければなるまい。TPP参加にはいわゆる「人権条項」がある。
私が安倍総理支持なのは「経済再生なくして、国の再生なし。そして格差の是正」だけではない。孫が祖父の亡霊に取り憑かれている、と安倍総理を批判・揶揄するのは、もはや現実をみない幻想であると言わざるを得ない。(了)