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コレジョ・コレダン専門学校

「見守りん」のアテンダーが赤裸々に語る、
コレジョ(高齢女子)コレダン(高齢男子)たちの、ホントの気持ち。

コレジョ(高齢女子)な話が続いたので、たまにはコレダン(高齢男子)なお話でも。

タナカマモルさん(仮名・71歳)は、数ヶ月前にお母様を亡くされました。
96歳だったそうです。

もうだいぶ時間が経過しているのですが、ご本人も「実はなかなか気持ちが落ち着かない部分があるんです」とのこと。

どちらかというと明るく社交的ではあるのですが、普段はあまり感情を表に出すタイプではないタナカさん。

その日も、幼い頃のお母様との思い出などを話してくださってました。

あれも楽しかった、これもいい思い出だった、あのとき、こんな言葉をかけてもらった。。

次々といろんなエピソードが鮮やかに語られるのですが、どうもまだ心の奥に何か、つかえているような雰囲気なのです。

そこで、話が一段落した頃合いをみて、こんなふうに切り出してみました。

「タナカさんにとって、お母さまとの、一番印象深い思い出は何ですか?」

しばらく迷った表情を浮かべながら、言葉を選んでいるのが分かります。

少しの沈黙のあと、「小さい頃に、母親と2人でデパートの屋上でお弁当を食べたこと」を詳細に話してくださいました。

当時はそれがなんとも嬉しくて、誇らしかったこと。

兄弟もたくさんいたが、自分は少し離れた末っ子だったので、特別にそのときは母親を独り占めできた、といったことも教えていただきました。

途中からは感極まったご様子で、お話の内容も途切れ途切れでしたが、その都度、タナカさんから次の言葉が出てくるまで、じっとお待ちしました。

当然、1対1の対話です。

他には誰もいませんでしたから、思い切り感情が解放されたのでしょうが、普段のタナカさんとは全く違う反応をされたことには少し驚きました。

とても大切なエピソードだったのでしょう。

そして、ご本人が一番、「号泣している自分」に驚かれたようです。

ひと通りお伺いし、落ち着いた後で、こんなことを笑いながらおっしゃっていました。

「あのエピソードは、よく思い出すことではあったんですが、実は、言葉にして人に伝えることがなんとなく怖い気がして、なんというか、自分が自分でなくなりそうというか、、母が亡くなってから今まで、家内や兄弟も含めて、誰にも話していなかったんです。今日、先生とお話ができて本当に良かった。胸のつかえが少し取れたのを感じましたから。」

「話す」ことは、「離す」ことだ、とも言われることがあります。

こうして少しずつ、思い出をココロの引き出しに整理しながら、人は強くなるのだろうなと思います。

そして、やっぱり。。いくつになっても、誰にとっても、母親は特別な存在なのかも知れませんね。

何しろ、自分がそこから出てきたわけですから。

コレダンだって人の子なんだなぁと、改めて感じた、そんなお話でした。


【注】
すべてのエピソードは、基本的に年齢や家族構成、セリフ、登場人物、エピソードの内容など、ご本人が特定されないように部分的にアレンジしたり、事実とは異なる内容に差し替えております。