ナカツ           俺

 

高校を卒業し家庭に事情アリの俺が、トラックドライバーになって一年後
何故かトラック四人組の一員になってたんです

当時のトラック業界には、何かと事情アリの奴ら(ピエロマン)が集まってたね

この四人組のひとりナカツというオジも、片親で暮らしてきたらしい
昼飯を食いながら、母親代わりのお姉さんが嫁に出て、寂しくなったと話してたなぁ

厳しい大人の世界に、俺たちのようなピエロマンが生きていけるのかどうなのか
不安と恐怖が友のように寄り添ってきたりして、仲間が欲しくなるんだよな

長距離運送は、二台から四台でコンボイを組み連なって行くことが多かったね
前日に言い渡される行先は、大阪発の日本全国どこかの町(東北.沖縄.北海道除く)

現着時刻は、行先はどこであっても翌日朝10時と決まってた
九州や東関東に決まった際は、寝る時間は3時間ぐらいだった

もちろん距離によって運賃は決まり、ドライバーの手当ても上下するシステムになっていた

そんな過酷な運送だから、事故も必ず起きることになるよね
俺がトラック野郎をやってた6年間で、亡くなって帰ってきた奴が四人いた

そん時の奥さんや彼女の狂乱する姿は、忘れらんないなぁ

思い出せば俺も一度岡山の国道二号線で、大型に追突され大怪我をしたことが記憶に残ってるな
俺の4tトラックは廃車になってしまいました

それ以降、付き合ってた彼女が、心配だからとOLを辞め助手のような顔をして乗ってくるようになったんだよね~
トラック仲間も、苦笑いだったよ

そんなことで俺は二年後、トラックを卒業することにして、結婚を決めたねぇ

  幸せに・・・・・誓いますってね