ユウゾウ 俺 ハル
俺は中学校の卒業後、就職するものだと決めていた
しかし風向きが変わった・・その理由は今も分からない
その高校は全国から生徒が集まるマンモス校、全校生徒は1500人
もちろん受験をパスしなければ入学は出来ない
俺は「普通科」というカテゴリーに入学することになった
12クラスあるなかのE組に配属され、学生服は誰かのお下がりを貰った
革靴は用意できず、中学で使ってた運動靴で通学することに・・
今考えると、この高校入学が俺の人生の分岐点だったように思う
全国から集まる生徒の中には、俺と同じピエロマンの匂いのする奴らがいた
家庭に事情を抱え、裏の顔を持つ似た者同士のような奴
休憩時間の過ごし方や昼弁当を持たず、学食堂にも行かず、まさに昼食を抜いてる奴
俺もそうだった…
ハルとユウゾウという二人の生徒
なんとなくお互い話すようになった…くだらない話の内容は後輩女性徒のことが殆どだった
二人とも家庭になんらかの事情を抱えているようだった
だが、その事情とやらが話の話題に上ることは、卒業式が終わっても出なかった
二人には心から感謝してるよ
三年間、兄弟のように慰め合い、よく遊んでくれたこと忘れないよ
俺の勝手な想像だが、ハルもユウゾウも母子家庭か父子家庭だったように感じてる
俺も似たようなもので、俺の辞書には「お父さん」「お母さん」の単語はない
一度ぐらいは「かあちゃん」って呼びたかったね~
ピエロマンはいつも仮面を被って暮らしてる様なもの、白塗りの下に本音が隠されてるんだよね
つらいね~・・・
