あなたは嘘つきだって、わたしはいう
おまえは嘘つきだって、みんながいう
だれもが嘘つきだって、神さまはいう

愛の告白だけしか聞く気はないけれど
愛の言葉ってどうしても信じ切れない

すてきな嘘をばらまいては皆に好かれ
本当のことを言っては世界中に嫌われ

愚者のフリをして愛しい人をだまして
手に入るはずの満足をどこかでなくす

きっといつか幸福が舞い込むと信じて
浮かびそうになる悪夢から心を背けて

嘘でない夢と夢みたいな嘘と、あなた
どれが一番の嘘つきを演じているのか

楽園を求めて、今いる場所から逃げて
気がついたら、自分の影をさがしてる

きっとわたしは自分が大嫌い、だから
嫌われない自分を演じてるだけの弱虫

---みなもと雫/ビヨンド・パラダイス---

上遠野浩平のペイパーカットシリーズ最新作、クリプトマスクの擬死工作の中で出てくるみなもと雫の詩。
ポジション的にはブギーシリーズの霧間誠一と同じかな。
故人だったりカリスマ的要素があったりする点でも共通する。
霧間誠一の言葉もそうだけど、みなもと雫の詩にもどきっとくるものが多々ある。

出来ることならメロディがついた状態で聞いてみたい。
でもきっと実写化したらとても陳腐なモノに聞こえてしまう気がする。

スターシステムが毎回楽しみの一つでもあるこのシリーズ。
さりげなくまじってるとこが心憎い。さがすのが楽しくなってしまう。
ブギー本編のまだ当分先かなぁ。ヴァルプルギスの後悔の先も気になってしかたない。

私にもキャビネッセンスがある。たぶん。
それを消さないように失くさないように。
やれることはやれるだけやってみる。