日々是躍動三昧! -4ページ目

日々是躍動三昧!

クラブミュージック・リビューサイト“日々是躍動三昧!”へようこそ。
当サイトは90sテクノやトランスを中心に、クラブミュージックを紹介しています。

毎度様です。
MFS編、3回目になりました。前回は字数の関係もあって、Paul Van Dykの紹介を簡素にして切り上げましたが、敢えてその補足は入れないまま話を進めていくことにします。

calq01Cal-Q-Lator ‎– Dr. Bradford (1994年)
♪m-1 Dr. Bradford (urgent call)
♪m-2 Dr Bradford (to be taken two times a day)
♪m-3 Dr. Bradford (tiki-tiki edit)

ジャーマン・トランス的なメロディラインに依拠した作風から、リズムの強度に重点を置いた作りが目立つシングル。
Jeff Millsの登場以降、急速にリズムの強度とコードの簡素化が著しくなっていったテクノ・シーンの傾向を反映したものなのは定かではないが、このようなリリースがあったということは、MFSも曲りなりにトランス以降を模索しようとしていたからなのかも知れない。
Paul Van Dykの人気が高まるにつれ、レーベルの方針はトランスのリリースから離れられなかったようだが、こういうテクノ寄りなリリースなどの模索は、以降も水面下で続いていく。最終的には、その試みも徒労で終わってしまうのだが。


Cal-Q-LatorはCommander Krillyという別名義を持つChristian WilmesとHenrik Stelterによるユニットで、MFSには計4枚のシングルを残しています。
レーベル内での立ち位置は中堅的なもので、Paul Van DykやMijk Van Dijkの人気と比較して、大きな話題性に乏しかったようですが、曲の出来は申し分ないものだと思います。


calq02Cal-Q-Lator - Wash Malfunction (1995年)
♪m-1 Wash Malfunction
♪m-2 Wash Malfunction (Positive Thinking remix)
♪m-3 30°/60°/95°

1stシングルと違い、どちらかというとトランスへ回帰したような路線の2ndシングル。疾走感にものをいわせるようなリズムと、敷き詰められた16分アルペジオによるコード、まるで当時のPaul Van Dykが得意としていた作風そのもので、悪く言えば無難な人気便乗と云えるものではあるが、典型的ながらも音自体は引き締まったような印象を受ける。
時間を経るにつれて郷愁感溢れるアルペジオが次々と重複していくm-1、より角が立った印象を受けるm-3ともに欠点と言える欠点もなく、安心して聴けるものだ。
空間的な奥行きを強め、更に酩酊感を増したJohannes Talirzによるm-2も、元作の印象を損ねないremixへと仕上げていて好感が持てる。




projeProject Earth - Tak Ze (1994年)

Projekt Erdeという名義で、1991年からアンビエント・スタイルを実践し続けていたChristoph HausmannとMartin Starkによるシングルで、この名義では1枚きりのリリースで終わっている。
当時、シーンが地続きだったこともあり、トランス系レーベルがアンビエントをリリースすることは頻繁にあったのだが、本シングルのように、MFSが抱き合わせもなくアンビエントのみでリリースすることは稀だったといえる。
収録内容は、どれもリズム・トラックが殆ど使われていない、郷愁感を帯びた壮大なシンセサイザの和音が、10分超の長丁場で延々と続いていくもので、完全にチルアウト・ルーム仕様である。
起伏に乏しいため、フロア・トラック的な高揚感を期待する向きには全くお勧めできないが、音そのものの感触を重視するならば、些か典型的ではあるが響くものを感じ取れるかも知れない。



ellenEllen Allien - Yellow Sky Vol. II (1995年)
♪m-1 It's Time
♪m-3 Yellow Sky

ベルリンのテクノ・レーベルBPitch Controlのオーナーを務め、現在もなおテクノ・シーンにて活動中の女性DJ Ellen Allienによる1stシングルで、当時のテクノ・シーンの動向を直に反映したようなミニマル・スタイルである。
中でも残響するコードの空間的な奥行きが際立つm-2と、その同路線のm-3が白眉で、コードへ過剰に依拠するわけでもなく、かといってリズム・トラックへ固執するわけでもない、抜群の均衡感覚が冴えている。
コード進行を殆ど廃し、簡素なリズム・セットとベースラインを前面に出したm-1やm-4でも、やはり同様の均衡感覚は活きており、この傾向は制作に参加したJay Ray(後述)によるところも大きいだろう。
結局このシングル1枚のみで、彼女はMFSを離れてしまう。




jayray01Jay Ray - Nightvisions (1995年)
♪m-1 Nightvisions

後期MFSにおける中堅どころの一人、Ralf Gruppeのソロ・プロジェクトによる通算3枚目のシングルにして、同名義では最も完成度が高い。
名は体を表すの通り、ハード・ミニマル的な疾走感を強調した曲調のタイトル・トラックm-1を始め、夜に着想を得ていることがはっきりと聴き取れる収録内容で、特に眩い街灯の光が尾を引くような雰囲気に彩られたm-3、m-4の描写力はなかなかのものだろう。
どちらかというと簡素な作風が目立つ彼の作では、かなり聴き易くまとまっているので、まずこのシングルを手に取ることをお勧めしたい。








jayray02Jay Ray - November (1996年)
♪m-2 3D
♪m-10 Arctic Survival
Jay Rayの1stアルバムにしてラスト・アルバム。
同時期にリリースされたPaul Van Dykの2nd“Seven Ways”同様に、プログレッシブ・ハウスからの影響が散見される本作だが、メロディラインに依拠せず、終始徹底してベースラインとリズム・セットを前面に出した簡素な構成によるもので占められた収録内容である。派手さも極力抑制されており、かなりDJユースに重きを置いた制作方針だと言えよう。悪く言えば地味で掴みどころに乏しいアルバム、ということになるのだが、曲自体の構成力はしっかりとしているため、駄作との評価は当たらない。
ドラム&ベース調から徐々にプログレッシブ・ハウス調へ移行していく華やかなm-1で始まり、終盤m-12でm-1が曲展開を変えて繰り返されるという、一種コンセプト・アルバム仕立てとなっているのだが、華が少なく地味な本作において、効果がいかほどかは些か疑問符である。惜しいかな、もう少し収録構成の妙が欲しかったというのが、正直な感想だ。



Jay Rayは1枚のアルバムと、5枚のシングルをリリースするなど、MFSでは比較的リリースの多いほうでした。不幸なのは、リリースする作が地味だったために目立たなかったということでしょうか。テクノ・シーン自体が簡素化されたものを持て囃していた時期だから、どうにか彼なりに消化しようとしていたことが、そうさせていたのかも知れませんが。



marco01Marco Zaffarano - Pandra's Box (1995年)
♪m-1 Pandora's Box
♪m-2 Lektro Acid

元々Sven Vathのレーベル(当時)Harthouseから“Minimalism”シリーズを連作でリリースしていたMarco Zaffaranoが、突如MFSへ移籍して発表したシングル。
収録内容は、いずれもリフの反復やTB303のアシッドベースが強調されており、言わばアシッド・トランスと呼ばれるものに近い作りであるが、これはHarthouse在籍時代にHardfloorのスタイルに影響を受けたというのもあるだろう。
実際、曲構成自体も、中頃で長いブレイクからリズム隊を次第に重ねていくという、Hardfloorが最も得意としていたものを踏襲しており、言うなればこれもまた便乗組と思える作りではある。





彼はどちらかというと、フランクフルト・トランスの特徴である暗い雰囲気の曲をリリースすることが多かったのですが、ベルリンという地がそうさせるのでしょうか、徐々に明るい雰囲気を持った曲も手掛ける機会も多くなっていきました。移籍後は、それまで以上に精力的なリリースを続け、2000年にMFSを離れるまで、計7枚のシングルと2枚のアルバムを残しています。ここで全てを紹介するのは字数の関係上、無理なので、取り敢えず1stアルバムを紹介する形で切り上げることにします。

marco02Marco Zaffarano - He Was Once A Beautiful Women (1996年)
♪m-2 Hippodrama
♪m-8 Trapeze Girl
♪m-11 Do Tigers Jump?
♪m-14 The Band
本作はサーカスという、ダンスサウンドのアルバムにしては一風変わった題材に着想を得ており、観客のざわめきや出演者の掛け声などを所々へ散りばめる事で、一種独特の雰囲気を醸し出そうとしている。
収録曲では、浮ついた明るさが、逆に妙な緊張感として機能するm-11、演者の掛け声と不協和音的なストリングスが交錯し、危うげな曲芸の模様を描写するm-13、多数の出演者が入り乱れ、演目の終盤を豪華に彩るm-14の3曲が特に印象的だ。躍動的で愉快な曲調だけでなく、深みのある生真面目な曲調も織り交ぜており、この愉快さと生真面目さの混在が、ある意味で本作の魅力と言えるのではないだろうか。但し、全体的に見てサーカスの臨場感を表現する点においては些か弱いのが少々気になるところではあるが。



Cybersecrecyもまた、中期~後期MFSを支えた存在です。単純にリリース枚数では、当レーベルでは一番多く、計10枚のシングルを残しました。実はアルバムもリリースする予定もあったのですが、不幸にもプロモーションに留まり、正規リリースにはなりませんでしたが。

cyber01Cybersecrecy - The First Experience (1995年)
♪m-2 Take A Journey
♪m-3 Into The Darkness

もはやジャーマン・トランス人気も勢いを失いつつある中でリリースされた1stシングル。
収録内容はトランスとしては典型的かつ無難なもので、これといった特徴にも乏しく、別段気を引くようなものが感じられないという、何とも微妙な仕上がりである。せめてジャーマン・トランス全盛期にリリースされていたら、と思わざるを得ない。
取り立てて駄作ともいえない出来栄えなので、酷い作を掴まされるよりもましということも云えるかも知れないが、ここまで無難な作りだと、かえって手控えてしまうという見本のようなものだ。




彼のリリースは、早く言うならば便乗組という表現が妥当と思えるほどに無難で、ぱっとしない作が多いです。失敗作ではないけれど秀作というには…と、こう紹介する側から見ても扱いづらいものがありますね。そんなわけで、彼のリリース紹介は早々に切り上げて先行きましょう。

asso11997年辺りからは、他レーベルからのライセンスが妙に増えていきました。特にUKのプログレッシブ・ハウス・シーンのものを多く取り寄せ(コンピレーション・アルバムとしてAssortedがリリースされている)、それなりの評価を得ていたようですが、当のMFSからのリリースは、Paul Van Dykのものを別として、明らかに衰退している観を強めていきます。中にはドラム&ベース系のOhm Squareまでライセンスするなど、一見して新展開を見せているようにも見受けられるのですが、単発的なリリースに終始しており、行き当たりばったりの観が拭えません。

更に、その翌年の1998年には、MFSにおける最大の汚点とも云える、Paul Van Dykの3rdアルバム“Avenue Of Stars”のリリースを、本人に無断で取り消すという事件も起こしています。この為、Paul Van Dykは音源の権利を巡ってレーベル運営側と裁判の末にMFSを離脱し、遂に3rdアルバムは今も尚リリースされないままとなっています(Out There And Backとは別)。同時期にはMijk Van DijkとMarcos LopezによるユニットMarmionの1stアルバム“Five Years & Tomorrow”のリリースも取り消しとなり、これが原因なのかは定かではありませんが、彼らとMFSの関係も切れてしまいます。


chris01Chris Zippel - Riders Of The Storm (1999年)
♪m-1 Riders Of The Storm (open air anthem)
♪m-2 Riders Of The Storm (close your eyes vocal version)

MarmionのMarcos LopezとともにユニットThe Moon & The Sun名義で活動するなど、ゴア・トランス周辺を主に手掛けていたChris Zippelが、MFSへ残した唯一のシングル。
シーンがプログレッシブ・ハウス→第二次トランス勃興期へと進む中でのリリースだけあって、多少ハウスに近い曲調になっており、終始固定化せず、4小節ごとに転調を繰り返す展開が聴ける。それ以外に取り立てて目立つ要素には薄いが、いたずらに大仰さを提示する安易なユーロ・トランスよりは好感が持てると思う。
因みに、このシングルはCDシングルのリリースがなく、以降、MFSのリリースの大半が12インチのみに傾倒する。





以降もMFSのリリースはトランスを中心に続いていきますが、かつてのような先頭を切ってシーンを牽引するような印象は既になく、トップ・レーベルとしての地位は完全に失われたと言わざるを得ない状況でした。
そんな低迷期、レーベル・オーナーのMark Reederは、突如2つのサブ・レーベルを設立しています。一つはTelemetric、もう一つはFleshというレーベルでした。
Telemetricに関しては3枚のコンピレーション・アルバムをリリースしただけで早々に運営は停止してしまい、特に注目すべき点もないため、今回はFleshのリリースへ的を絞る形で話を進めます。

corv01Corvin Dalek - Pornoground (2000年)
♪m-1 Pornoground
♪m-2 Gimme Two Fingers

前年に親レーベルのMFSからmix CD“E For Europe”や、シングル“Pounds & Penz”をリリースするなど、徐々に人気を高めつつあったCorvin Dalekが、Flesh設立とともにリリースした2ndシングル。
彼による、あからさまに性欲を全開にせんとする『Wet&Hard』と名付けられた形式は、そのまま当レーベルの理念ともなった。
その特徴とは、テクノともハウスとも、はたまたハード・ハウスとも云えない、一聴して、ぶっきらぼうな太いリズムとベースラインを下地とし、時にポルノ・ビデオからのサンプリングや卑猥な呟きなどを散りばめたもの。
基本的には1stシングルの延長線上の仕上がりだが、よりベースラインの強化が図られたm-1、Mark Reederも参加したm-2ともに、このFleshに賭ける意気込みが伝わる内容だ。



corv02Corvin Dalek feat. Barnard Sumner - Crystal (2001年)
♪m-1 Crystal (siliconsex mix)
Crystal (original demo version) [unreleased]

Mark Reederの親友で、かつNew OrderのヴォーカルだったBarnard Sumnerを迎えて制作した3rdシングル。ある意味で重要作。
収録内容こそ、Barnard Sumnerのサンプリングと太いベースラインを反復した、次第点的な仕上がりではあるが、シングル未収録の元作は、当時半ば解散状態にあったNew Orderのメンバー達が耳にしたことがきっかけで、めでたくNew Order再結成を促したであろうという代物。その甘く郷愁感溢れる雰囲気は、まさにNew Orderが得意としていた曲調と重なるもので、Mark ReederがCorvin Dalekの協力を得る形で、彼らに敬意を送ったとも取れる。
使用されたサンプルは、後に再結成したNew Orderがリリースする同名の曲でも使われることになった。


因みに上記と同名のシングルは、先に紹介したCybersecrecyやAlex Flatnerも手掛けており、いずれもBarnard Sumnerによるヴォーカル・サンプリングが使用されています。もし機会があるならば、この3作を聴き比べてみるのもいいでしょう。


corvin03Corvin Dalek - A Real Man (2002年)
♪m-1 A Real Man (Corvin Dalek's real hardcore mixxx)
♪m-2 Pornoground (Eiven Major's piledriver mixxx)

翌年に発表される1stアルバムの先行シングルとしてリリースされたシングルで、B面は既に発表されたPornogroundのremixとなっている。
これも当然の如くWet&Hardスタイルで、SMプレイのビデオからサンプリングした喘ぎ声は更に卑猥である。つんのめり気味に放たれるベースライン、リズムは相変わらずのものだが、中頃で、かのトランス黎明期の傑作Moby『Go』の向こうを張る、涅槃的なストリングスが被ってくるm-1はなかなかのもの。
Eiven Majorによって大幅に手が加えられたm-2も、より強化されたシャッフル・リズムと重いベースラインへリミキサー直々の呟き声も加味され、完成度がいや増している。




2003年には上記にもあるように、満を持す形で彼の1stアルバムがリリースされています。
これがMFSにとって最後のアーティスト・アルバムのリリースとなりました。

corvin04Corvin Dalek - I Am A Dalek (2003年)
♪m-4 Pornoground (Mr Sam's acid pornstar remix)
♪m-5 (with Fidelity Kastrow) I like it 69
♪m-6 Young People
♪m-7 Pounds & Penz (Mr Sam's moneyshot remix)
♪m-11 Good Sex, Good Drux, Good Musik
♪m-12 A Real Man (Jan Kessler`s rockhard remixxx)
♪m-15 MTW
♪m-16 Crystal (Hustler & Stoßdämpfer's donner & sumner remix)








Mr SamやJan Kessler、更にレーベル・オーナーMark Reederなどの面子が参加した本作は、Corvin DalekによるDJプレイの雰囲気を反映した、DJ mix仕立てで進行していく内容となっております。
収録内容を見てみますと、意外にも本人が純粋に手掛けた曲よりも、リミキサーによるものの曲が多い印象を受けますが、つんのめり気味のリズム・セットと腰を振り回す太いベースラインの魅力は些かも損なわれておりませんし、これは経験に裏打ちされた選曲の判断が反映された結果というのが正解でしょう。
収録曲中でしばしば聴かれるギターやベースはMark Reederが直々に演奏したもので、レーベル運営やマネージメントを主な仕事としている彼にとって、久々に音楽人としての手腕を発揮する機会だったと言えるでしょう。更にサンプリングとは言えヴォーカルまで披露していることからして、案外と仕事としてやっているというよりも、純粋に楽しんでいる雰囲気も感じ取れるというものです。
勿論、主役のCorvin Dalek本人だって負けてはいません。制作の都合上スタジオ内ではありますが、進行における違和感のなさと流麗なmixには、やはりトップDJならではの技術力が反映されています。
収録内容で特に目を引くのは、躍動感と肉感あるベース・ラインやイリーガル・ドラッグまみれの国コロンビアをあからさまに歌ったヴォーカルが印象的なm-6、卑猥さ満点の喘ぎ声と手弾きベースが冴え渡る、正にWet&Hardの名に恥じないm-9、Jan Kesslerがremixを担当し、疾走感が増したm-12、SMプレイの模様そのままの痛々しい雰囲気を感じさせる、ねっとりとした展開のm-16、Mark Reederが大幅に手を加えて力強さと肉感を増幅したm-17でしょうか。特にm-17は、Deep Purple『Smoke On The Water』とDonna Summer『I Feel Love』のコードやベースラインをない交ぜにしたような曲構成で、最後尾を飾るに相応しい完成度です。


その後もFleshはリリースを続けていきますが、2005年にリリースされたDJ KlangとCorvin Dalekによるシングル“Quetzalcoatl”を最後に閉鎖されてしまいました。親レーベルであったMFSも公式サイトを立ち上げたものの、リリースは2002年を境に停止、サイト自体も、まともに運営される気配すらないままに閉鎖され、レーベルは事実上消滅しています。

かつて主要ミュージシャンだったCosmic BabyやMijk Van DykらがMFSに残した音源は、入手困難な状態が長らく続いたため、高値で取引されることも多かったようですが、最近になってmp3などで復刻され、フォーマットに拘らなければ入手に困るということはなくなりました。ただ、それでも中堅どころのリリースは、ユニットの解散やミュージシャンの活動停止などで版権もはっきりしないまま、いまだ復刻の気配はありません。
レーベルオーナーだったMark Reeder自身はミュージシャンとして健在で、今もなお若手との共作や過去音源の復刻に邁進していますが、どうせならばMFSの元に残されて放置された音源の復刻もして欲しいと切に願いたいところですね。


さて、3度の長きに亘って続けたMFSレーベル編、いかがだったでしょうか。キリが良いところなので、これにて終了とさせていただきましょう。
かつてベルリン・トランスの頂点だったこのレーベルの魅力、少しでも伝わったのなら望外です。
ではまた。