North Jap Underground Posse ~道南ハードコア・ガバ、遂に始動?~ | 日々是躍動三昧!

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毎度様です。
去る11月22日、先月に引き続きクラブイベント“アンダーグラウンド・ポッセ”へDJとして参加させていただきました。
このイベントもまた、初期の構想段階から参加させていただいたもので、地元では全く主流ではないジャンルのクラブ・サウンドを集めてみようという主旨で行われたものです。

$日々是躍動三昧!-underground左の図は、その告知に使われたフライヤーです。
先月紹介したイベント“Jazzy Spot”同様、アロルノさんによるデザインで、かのUSハウス・レーベルの大御所であるNervous Incを拝借していますね。
イベント自体は、他所で有名どころが出演するイベントに客足を食われてしまったせいなのか、商業的に成功したとは言い難い結果で終わってしまいましたが、自分の今現在における限界を知る良い機会でしたし、まだまだやれることがあるということを再確認出来ました。


さて、今回もまた前回同様に、このアンダーグラウンド・ポッセで私がプレイした内容の一端を紹介してみたいと思います。



今回のイベントで私が主に担当したジャンルは、当ブログでも度々扱っている“ハードコア・テクノ/ギャバー(ガバ)”です。
地元のクラブ・イベントでは殆どプレイされることがなかったのですが、イベント主催者たっての希望で、フライヤーのデザインを担当したアロルノさんと共に挑んでみたという次第。
札幌ならともかく、函館で耳にする機会が非常に少ないこのジャンルを、部分的ながらイベントで提示出来たということに喜びを感じていますが、私自身のプレイについては、まだまだかな…という状態でしたね。でも、兎にも角にも歩みは始まったばかり。北海道南部のハードコア・テクノ愛好者の皆様、これからをお楽しみにということで、宜しくお願いします。
一応、今回のイベント用に、二つほど宣伝用として作ったDJ MixもMixcloudに上げてみたものもありますので、改めてここで公開しておきましょう。実際のイベントではハードコア・テクノだけでなく、ドラム&ベースやディープ・ハウス、ヒップホップもフロアで流れていたので、雰囲気の一端を知るサンプル足りえているかは、些か疑問ではありますが…。

Hardcore Gabber / Dark Step Drum&Bass mix

Drum & Bass mix

前置きが長くなりました。さっそく音源の紹介といきましょう。ご多聞にもれず、今回も実際にプレイしたものではなく、あくまでもプレイの雰囲気を伝えるディスクということで。何せプレイ内容を殆ど覚えていないのです。申し訳ない(笑


$日々是躍動三昧!-20thDylan & Facs - 20th Century Dust ep (2000年/ Biotic)
♪m-4 Dylan & Facs - Cut Throat

いきなりガバとは関係ないドラム&ベースからの紹介です。
と、言うのも私のプレイ・スタイルはハードコア・テクノとドラム&ベースをmixするという主旨なので。貧乏で(今もですが)音源不足に苦しんでいた時期、苦し紛れにやってみたこのスタイルが意外と面白かったので、以後こういうプレイをするようになりました。
このシングルは今月末に初来日したCurrent Value同様の“ダークステップ”と呼ばれるドラム&ベースの一派と思われます。ダークと付くくらいですから暗く激しめの曲調が多く、それがガバとも相性が良いので、頻繁に使っています。




$日々是躍動三昧!-detestDetest - Hail To The Freaks ep (2009年/ Neurotoxic)
♪m-1 Saxony Funk Station

フランスのハードコア・テクノ専門レーベルからリリースされていたシングルです。
今回のイベントへ向けて仕込みに奔走していた時期に慌てて買ったのもあって、このユニットについての詳細はよく判りません。ハードコア・テクノのヴァイナルを買うのは本当に久々でしたし、現在におけるシーンの動向も見ていなかったので、情報不足に苦しんでいました。
この曲調は、どうやらフレンチ・コアと呼ばれているそうですね。キックドラムの打ち方がビリビリした感覚の上に軽めなので、個人的にどうにも印象に乏しかったのですが、曲調自体は嫌いではないので、mixの冒頭では頻繁に使っています。多分、イベントでもそのような使い方をしたと思います。




$日々是躍動三昧!-speedfreakThe Speed Freak - The Freakwaves remixes
(2010年/ Psychik Genocide)
♪m-1 Terrorist (DJ Producers terror by error remix)

私のようにハードコア・テクノを長年聴いている人にとって馴染みある古株、Speed Freakのシングルで、これもまたフレンチ・コアの括りに入る音のようですね。
このレーベルは結構ハードロックの色合いを帯びた曲が多く、個人的にもそのような曲調が好きだというのもあって、結構多用しています。
このシングルもやはり今回のイベント用に買ったもので、このレーベル音源を介して周辺へと枝葉を広げる形でヴァイナルを集めていきました。リミックスで参加したDJ Producerも、このシングルを通じて知り、実のところ彼もまた、かなりの古株であることを後に知って驚きました。



$日々是躍動三昧!-shockwavezVarious Artists - Shockwavez Vol.2 (1998年/ Shockwave)
♪m-1 The Speed Freak feat. Berzerker - Shockwave

実際にプレイしたかはともかく、Speedfreak音源が続きます。
これは彼自身のレーベルからのもので、90年代後半期におけるギャバー隆盛期のシングルですね。ちょうどスピード・コアが提唱された時期だったのもあるのか、BpM値もかなり高め。
スラッシュ・メタルの色合いが強いギャバーは、私がギャバーというジャンルへ一番望んでいた要素なので、こういう音は大歓迎でした。
思えば、道南でかつて行われたテクノのイベントでJapcore Masterz Team関連と思われるDJが出演した時も、確かこのシングルはプレイされていた記憶がありますが、まさかこれを入手出来るとは思っていなかっただけに何らかの縁を感じましたね。音質がさほど良くないので、若干プレイするには工夫が必要かも。




$日々是躍動三昧!-bkeyB Key - Envious Eyes (2006年/ Tech Itch)
♪m-2 The Ungrateful

ここで再びドラム&ベース音源を。
これははっきりとイベントでプレイした記憶が。ダークステップでは有名どころのTechnical Itch主催のレーベルからリリースされています。
使い倒され過ぎて些か飽きが来ているとは言え、アーメン・ブレイク・サンプル主体のリズムは、やはりえも言えぬ説得力がありますね。硬質で恐怖映画のサントラにも通じる雰囲気が、またしてもギャバーの曲調にも違和感なく繋がります。
ドラム&ベースはどちらかというと、そのまま使うよりもギャバー・キックに被せるようなロング・ミックス的な使い方でプレイします。



$日々是躍動三昧!-atrAtari Teenage Riot - Destroy Yourself
(1995年,1997年/ Digital Hardcore)
♪m-1 Start The Riot!

ギャバーのシーンを嫌っていた割には随分とギャバーそのものといった曲調が多かったAlec Empire率いるユニットの1stアルバムです。もう20年近く前の作品なんですね。
これもまたやはりデスメタル・ギターフレーズが暴れまわる、破壊衝動に横溢した曲調。既にCDで持っていたものでしたが、イベント用にと急遽ヴァイナルにて買い足しました。
彼らの発言には虚実入り混じったものが多く、ギャバーやトランスのシーンに対して根の葉もない噂を流すため、どうにも彼らに良い印象はないのですが、音に関しては全く持ってあっぱれとしか言いようがないほど、好みに直球だったので、何だかんだで良く聴いていました。



$日々是躍動三昧!-hellfishHellfish - West Coast Boogie (2012年/ Deathchant)
♪m-3 The Reprobate

今回のイベント用に買い集めた音源の中でも、最大の収穫はこのDJの発見でした。調べてみたら、彼もまた最近出てきた便乗ミュージシャンではなく、実はかなり前からシーンに関わっていた古株だったり。もっと彼の作に早く出会いたかったと思うほどでしたね。
ヒップホップの要素を加味したブレイクコアと呼ばれるものに近いのですが、その草分けとも言えるNasenblutenともまた違い、UK的に洗練され、どことなく醒めたような雰囲気もあるのが特徴でしょうか。狂気に翻弄されるわけでもなく、冷徹に音を繰り出していく…というような。かのμ Ziqのレーベルからアルバムをリリースしているだけに、エレクトロ二カのシーンでも注目されていることにも納得の音。今、私の中では最も熱いギャバー・ミュージシャンですね。



$日々是躍動三昧!-deterrntDeterrent Man909 Bullfighter ep (2013年/ Narkotik)
♪m-1 909 Bullfighter

今年リリースされたのが信じられないくらいに90年代を思わせる曲調で統一されたシングルです。収録曲の殆どが共同制作によるものですが、これだけは本人のみの作ですね。
もう私の好み直球の音。タイトルにある通り、ローランド社製の名機TR909のキックドラムの音とギターフレーズの絡みがたまりません。結構値が高めではありましたが、買って満足の1枚。
因みに幾つかの曲でRob GeeやDelta9といった古株も参加していて、それもまた強烈です。
まだ入手には困らないと思うので、是非買って聴いてみて下さい。ヴァイナルのみでのリリースで、mp3配信はないことに注意。



$日々是躍動三昧!-adrenokromeAdrenokrome - The 1013 Effect ep (2013年/ Neurotoxic)
♪m-2 The Pain Of Silence

つい最近買ったばかりのシングルで、これもまたフレンチコアのレーベルからのリリースでした。オンラインのレコード店で新譜の試聴を繰り返していた時に、このm-2を聴いてすぐ買ったほどお気に入りの一作。
実際のプレイで使用しなかったのですが、リハーサルで音のチェックをした際に聴きましたら、出演者総出でヘッドバンギンが始まってしまったりして、まんざらでもないという気分でした。
この手のメロディラインが目立つ曲は、やっぱり皆の耳を引くものあるのでしょうね。リズムの打ち方も、どことなく90年代を継承しているような趣もありますし、古株の愛好者にフレンチコア好きが多いのも納得です。




$日々是躍動三昧!-hellfishmethodmanHellfish & Method Man - Da Deckwrecka
(2011年/ Stroid)
♪m-1 Da Deckwrecka

再びHellfishのシングルで、彼のレーベルDeathchantのサブ・レーベルStroidからのリリース。このレーベルはヒップホップ由来のサンプルを多用しているのが特徴ですが、本作ではサンプリングではなく、直接Method Manがラップを担当していますね。
ブレイクコアはヒップホップの緩いテンポへ、その2倍速のイーブン・キックを被せるスタイルが多く、このシングルも、それを踏襲したものです。
ラップを担当したMethod Manは、かの有名なWu Tang Clanの主要メンバーで、今回のイベント主催者が大のお気に入りだったことや『是非ともプレイして欲しい』との申し入れもあったし、私自身にも当たりだったこともあり、この曲でプレイを交代しました。



いかがだったでしょうか。
本当はもう少し90年代のものをプレイしたかったのですが、客入りが良くなかったためにライブの時間を先延ばしにした影響で、実際のプレイ時間が多少短くなってしまったのもあって、諦めざるを得なくなりました。これはまぁ次の機会にしたいと思いますが、イベントに出演する方向ではなく、いっそ私が単独で動いてハードコア・テクノのイベントをやってみようかな、という欲も出てきています。
とは言うものの、私生活の面でまだまだ不安定なのは変わらずなので、今後どうなるか判りませんが、出来るだけ定期的に動いていきたいと思いますし、もし函館でハードコア・テクノを聴いている方がいましたら、応援よろしくお願いしますね。
では、今回はこの辺で。