実際に現場を体験しなければ、わからないことって、たくさんあります。
デジタルが発達して、複製技術が発達すると、現地に行かなくてもボクたちはそこを見ることができます。
安全な日本から、イスラエルに攻撃されたシリアの都市の様子を知ることもできるし、カンヌまで行かなくても、映画祭での女優のインタビューリアルタイムで見ることができる。
ある意味、インターネットの発達は世界をより、狭くしました。
でも、どんなにデジタル技術が発達しても、その場に立ち合って、体験することだけは、複製できないことです。
ミュージシャンのライブの体験と、ライブ映像の体験には、何百倍何千倍もの開きがある。
F1グランプリの体験と、同じレースのライブ映像では、雲泥の差です。
そして、実際に体験してみて初めてわかることが、実はすごい価値だったりするのです。
今日は東日本大震災の復興支援セミナーをやりに、仙台に行きました。
セミナー前に、名取市ゆりあげを視察に行きました。
まだまだ復興とは程遠い状態です。
地震と津波を体験した社長さんが実際にその当時の話をしてくれました。
それを聞いていて、本当に大変だったと、また改めて実感しました。
ボクも含め、日本人の中の3:11の記憶は、かなり薄くなっているように思う。
もう、過去のことで、あまり気にしなくなっているのかもしれません。
でも、忘れないようにしたいです。
あの時犠牲になったたくさんの人たちのためにも。
3:11の後、誰かのために何かしてあげたいと、たくさんの日本人が思った。
その思いを、いつも思い出すことが大事だと思う。
そして、あなた自身がしあわせになることです。
あなたと、あなたの周りの人たちがしあわせになることです。
それが、復興するために大事なことなんだと思う。
宮城県名取市ゆりあげ地区。
以前はここに、たくさんの家が建っていて、何千人もの人が生活をしていた。
それが、一瞬のうちに破壊されてしまった。
ゆりあげ地区だけで、1000人以上の人が亡くなり、まだ100名以上の人が行方不明。
残された人たちの心の復興は、できないだろうと思う。
その人の命が消えるまで、記憶に焼き付いて、消し去ることなんてできない。
もう、震災前の心の状態には、戻れないと思う。
それはしょうがないこと。
そういう厳しい現実をすべて受け入れなければならないことなんだと思う。
ある意味、そういうことが「生きる」ということだから。
基礎だけが残っている家の痕跡が、永遠と地平線まで続いているように思える光景を見て考えていたのは、概ねそんなことです。
実際に行かなければ、わからないことって、確実にある。