昨年暮れから今に至るまで、近年になく時間が余ったため映画や本をたくさん読んだ。

これまで映画は常時緊急呼び出しがかかる職業上あまりみないようにしていた。これは同僚の誰に聞いてもそうで、医療関係者は必然的にホームシアターが充実している人が多い。担当患者の容態予測が甘い新米医師なら、上映開始10分で退場ということも、ありがちな話である。

しかし実をいえば高校時代に自分で映画製作のまねごとをしてみたくらい、映画に浸かっていた時期もあった。(当時凝っていたヒッチコックばりの巻き込まれ型サスペンスを志向して作っていたりした。)

自宅のテレビは37型なので、映画の世界に浸るには十分なのだが、やはり実際に映画館に足を運ぶと全然違うなあ、というのが正直なところだ。まずなにより、せっかちなのでDVDではゆっくりしたシーンを早送りしてしまったりして、粗筋をなぞるだけになりがちであったが、映画館では早送りも出来ず我慢してみるしかない。ところが、余韻とか感慨を呼ぶのは、そうした「大いなる助走」があってのことで、これは最短距離で答えをみたりしては得られない境地なのである。

そうしてみた映画でよかったものは「また見よう」と思って必ずDVDを買うのだが、家でみるとやはり何かが違う。あの時映画館に行ってよかったとつくづく思う。見るというより、「見たときのあの感動を思い出す」に近い。

これは自慢だが、見に行く前に「自分にあいそうなもの」を事前にリサーチするため、ほとんど外したことがない。最近みた4本もすべて僕にとっては「あたり」だった。ただラーメンと一緒で、人から薦められて食べてもおいしくないことも多々あるので、誰にとっても傑作か、というのは言えないのだが。

その4本とは、「おくりびと」「ダークナイト」「ラースとその彼女」「ベンジャミン・バトン」である。ヒット作というのはやはり流行るべくして流行っている。久しぶり、ということで感想を残したいと思う。