期末1第1話 書籍レビュー
『IoTとは何か』
今回は、坂村 健さんの『IoTとは何か』についてレビュー
します。
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■『IoTとは何か』
実は、今回は本の内容はほとんど話しません。したがって書籍
レビューには似つかわしくないのですが、どうしても皆さんに
本書を手に入れていただきたく、1読していただきたく、
AMAZONのカスタマレビューを載せることにしました。
本書を読めば、コンピュータ、インターネットの発達歴史がよく
分かり、今後どうなっていくかが具体的に分かると思います。
僕自身がシステムエンジニアとして、50年生き、仕事をしてきて、
本心から薦めれる数少ない本の中の1冊です。
□商品の説明
今までの日本のICT(情報通信技術)戦略は、技術で始まり技術で
終わることが多く、出口戦略がなく、結果として使われないもの
になっています。
IoTがその轍を踏まないようにすること、そのためにも哲学が重要
だと思います。
「IoT=モノのインターネット」とは何か。
何のための技術で、私たちの社会や生活は、一体どう変わるのか。
技術研究開発や社会制度設計、ビジネスや実用の最前線から、
豊富な実例をあげつつ、その現状・課題・未来像と、日本への
指針を示します。
□著者略歴
坂村 健:1951年東京生まれ。工学博士。
東京大学大学院情報学環教授、ユビキタス情報社会基盤研究
センター長。
1984年からオープンなコンピューターアーキテクチャー「TRON」
を構築。
2002年よりYRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長を兼任。
いつでも、どこでも、誰もが情報を扱えるユビキタス社会実現の
ための研究を推進しています。
2003年、紫綬褒章。2006年、日本学士院賞。
2015年、ITU 150 Awards受賞。
『ユビキタス・コンピュータ革命 次世代社会の世界標準』
(角川oneテーマ21)など著書多数。
□目次
第1章 IoTの登場
1、IoTとユビキタス・コンピューティング
IoT とは何か/ハイブ・サイクル/HSDFからユビキタスへ/
「インターネットのようにオープン」/リアルタイムOSの必然性
2、世界をつなぐオープンシステム
世界の組み込みシステム化/黒船来襲に驚く日本/
クローズなIoTとオープンなIoT/曖昧なバズスワードの潜在力
第2章 IoTの実用化とその可能性
1、IoTの実証実験
モノのトレーサビリティ/食品から廃棄物までをもトレース/
モノのメンテナンスと汎用の重要性
2、オープンIoT
インダストリー4.0/インダストリアル・インターネット/
IoTからIoEへー場所の認識/目指すべき「IoE国土」日本/
建築のIoT化でプログラムできる環境を
3、IoTによるサービス
サービス4.0/2020年に向けたおもてなしの課題/
レガシーとなりうるサービス高度化インフラ/
既存インフラを積極的に活用/プライバシーの概念とICカード/
組織や応用を超えたオープン性を/クラウド展開の可能性/
クラウド化で実現するさまざまなユースケース/CRMからVRMへ
第3章 オープンとクローズ――日本の選択
1、オープンのインフラがもたらす世界
ベストエフォートとギャランティ/TRONのオープン哲学/
オープンソースとオープンデータ/情報公開の新たなスタイル/
GOV2.0の本質/オープンAPIの効用/世界たったひとりにも最適化/
オープンな領域の広がり/モノを全部インターネットで繋ぐ/
2、IoTで製品はどう変わるのか
オープンIoT時代のカメラ/ナチュラル・ユーザインターフェース/
アグリゲート・コンピューティングとは何か/オープンカメラAPI
3、世界競争と日本のジレンマ
国家レベルのプログラミング教育競争/日本的なランチ試行/
オープン化とガバナンスの溝/技術選考に陥る日本/
データのガバナンスと線路ガバナンス/スマートグリッドの課題/
米国発のスマートグリッド構想/日本型スマートグリッドの限界/
ガバナンス面での日本の弱さ
4、オープン・イノベーションを求めて
既得権益を解体せよ/革新を阻む日本型ビジネスモデル/
海外スマートフォン上陸の衝撃/
「スティーブ・ジョブズは、なぜ日本に生まれないのか。」/
個人の権利から事業者側の義務へ/ガバナンスチェンジの必要性
第4章 IoT社会の実現と未来
1、すべては「ネットワーク」と「識別」からはじまる
実世界のモノ・空間・概念を識別/UIDアーキテクチャとUcode/
場所概念の標準化/UcodeとJANコードの違い/
ローカルからクラウドへ
2、アグリゲート・コンピューティング・モデル
IoT化で主たる機能に特化/ガバナンス管理が直面する矛盾/
エッジノードがクラウドに直結/ホームサーバーが消える/
自立性を確保する新たなビジネスモデル/
ユビキタスからアグリゲートへ/
日本におけるオープンデータ実現のために
□AMAZONカスタマーレビュー
今回は、内容そのものを詳細レビューするのでは無く、坂村さんの
書かれた、『IoTとは何か』のカスタマーレビューを載せることで、
本の良さを、汲み取っていただきたいと思っています。
〇日本では『技術の出口が見つからなくなるおそれがある』と警鐘
を鳴らす本。技術面よりも、法制度や訴訟による問題解決の仕組み
の違いが障害になりうる。
本書の前半部分では、「IoT社会の姿」を紹介している。
ありとあらゆるものに共通の電子タグを付けて認識可能とし、得ら
れる情報をクラウドで処理・蓄積すれば、医薬品・食品等に限らず、
あらゆるモノのトレーサビリティやメンテナンスが格段に容易
になる(大型店舗の棚卸作業も一瞬ですむ)。
また、交通機関の運行状況をAPI付きで情報公開して外部ボラン
ティアが創意工夫に溢れたアプリを開発・公開してくれれば
ローコストで世の中便利になるし、エアコンやテレビなどのAPI
が公開されれば個々の身体障碍者に最適化したユーザーインター
フェースを容易に開発できるようになる。
ただ、本書のメインは後半部分だと思う。
IoT社会実現のネックになりそうなのが、技術面の課題というより、
我が国の法制度だったり、消費者や監督官庁のギャランティ指向
だったり、プライバシーへの過剰反応、日本企業のビジネスモデル
これらの問題のために、「技術的には実現可能であっても導入でき
ないおそれがある」旨指摘し、『技術の出口を作れ』と繰り返し
主張する。
企業や技術者たちはグローバルな開発競争で負けるわけにはいか
ないので全力疾走せざるをえない。他方、ビジネスモデル上の課題
なら、経営者の仕事だ。しかし、法制度となると一企業では難しい。
「たとえ日本企業が先進的な製品を先行開発できたとしても、
訴訟リスクがあるタイプの製品ならば、リスク計算できない日本
市場を避け、まずアメリカ市場に投入して実績を積む」という経営
判断になるのではないか・・・・・。
自動運転車の事故回避プログラムと法的責任といった制度設計面
での難問もあるが、それ以前に、「訴訟で解決する」という考え方
が一般的でないところがつらいのである。
〇坂村式IoT入門
IoT(Internet of Things)の本。通り一遍のIoTの紹介本ではなく、
TRONプロジェクトをはじめとしてIT分野で30年間研究にたずさわっ
てきた経験に基づいて、著者が考えるIoT的な考え方を語った本。
「まさにIoTとユビキタスは同じもの」と書かれてあるように、
IoTを従来のユビキタスと同一のものだとして自説を展開している。
組み込みシステムの基本構成。技術的には可能でもそれをオープン
にできるかどうかは社会的な問題で、日本人はそれが苦手。
何のためのトレーサビリティかということにこだわるより、汎用的
なトレーサビリティのインフラを構築して普及させる方がいい。
汎用性は重要。
良いサービスの基本はお客様を識別することから始まり、その属性
情報を的確にキャッチし、記憶し、それを次の機会に引き出し、
活かす、というIoT的な情報処理になる。
一般書籍ということもあり、技術的な話はそれほど詳しくはないが、
その意義や意味、日本が得意とすることとそうでないことといった、
概念的な話や、社会的な意味から、IoTの位置づけや可能性や考慮点
について語っているところは読みがいがあった。
〇電子結界の遍照世界へ
モノ、空間も、ヒトも・・・、
あらゆるものが電子を媒介とした「結界」が張り巡らされて、
有機的に連携するひとつの生態系が構築される。
情報による主体環境生態系の遍照界が創成されていく。そこでは
「閉じた世界」を超えて「オープンな世界観・哲学」が重要な
ポイントだ。
「私が生きているうちにIoT社会を実現させたい。最後は社会の
力だ」著者は新たな水平線へ向けた針路の旗を掲げる。
〇IoT入門書として最適。実績のある著者によるわかりやすい説明。
鋭い問題意識も参考になります。
著者はTRONやユビキタス社会の提唱者として有名な方です。その
著者がわかりやすくIoTについて解説しています。
その概念はユビキタスと同じことを意味すると冒頭近くに書いて
納得でした。徐々に普及してきている現状と基礎技術について
わかりやすく説明がされていました。
特に印象に残ったことが二つあります。
一つは早期のプログラミング教育の必要性です。プログラマーが
ある分野の知識を得てプログラミングをすることよりもその分野の
専門家がプログラミングするほうが望ましい結果になっているとの
こと。プログラミングの知識を持つ人が格段に増えることが競争に
勝つためにも必要であるとの指摘。
二つ目はある程度の囲い込みを許容したほうが普及が早いしビジ
ネスとしてなりたつという指摘です。
TRONプロジェクトではそうした方向で動いているようです。
〇実践的なIoTを紹介する優れた本です。
啓蒙的なIoTの紹介本は沢山あるが、トロンプロジェクトで長年
実践してきた「どこでもコンピュータ」が「IoT」に繋がり、
その技術的な面と法律・社会的な面の課題がとても分かりやすい。
また、その「オープンなIoT」と「クローズなIoT」の相違も、
道路と鉄道のギャンティの相違であるとの説明が感心した。
ただ、個人的な専門家らは、IoTになると複雑化するために、
ユーザーインタフェースについての重要性は広く言われているので、
その設計論的な視点も、もう少し加えて欲しかった。
〇IoTの本質を知るには最良の書
「インターネット」という言葉がそうであったように、今ではIoTという
言葉を全く知らないということはちょっと恥ずかしい。然しながら、
その言葉の持つ本質的な意味合いや、それが社会に何をもたらすか
ということに関しては、我々、少なくとも私の見識は覚束ない限り。
ドイツが進めているIndustry 4.0という国家プロジェクトも、「第四の
産業革命」と言われるほど、世界的にIoTの持つ意味合いは限りなく
大きい。それでも一度根本的にIoTの本質的な意味合いを知っておこ
うという気持ちで手に取った。
この分野では、日本に限らず世界の先駆者である筆者は、IoTの本質
は「オープン」であることと説き、日本の企業が得意とする囲い込み的
な「クローズ」なIoTは、世界レベルに達することが出来ないと喝破する。
もっと重要なことは、本書のサブタイトルにあるように「技術革新から
社会革新」ということであろう。筆者は技術的にはIoTの世界は、
相当なレベルに達しているものの、社会規範としてどこまでそのIoTの
発展を受け入れていくかは社会次第ということを強調している。
X-Buddha Goldに興味のある人
今すぐここをクリック
https://naturalsuccess.jp/XBuddha/gold/special/#A5MdJ8
今回は、坂村 健さんの『IoTとは何か』についてレビュー
します。
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■『IoTとは何か』
実は、今回は本の内容はほとんど話しません。したがって書籍
レビューには似つかわしくないのですが、どうしても皆さんに
本書を手に入れていただきたく、1読していただきたく、
AMAZONのカスタマレビューを載せることにしました。
本書を読めば、コンピュータ、インターネットの発達歴史がよく
分かり、今後どうなっていくかが具体的に分かると思います。
僕自身がシステムエンジニアとして、50年生き、仕事をしてきて、
本心から薦めれる数少ない本の中の1冊です。
□商品の説明
今までの日本のICT(情報通信技術)戦略は、技術で始まり技術で
終わることが多く、出口戦略がなく、結果として使われないもの
になっています。
IoTがその轍を踏まないようにすること、そのためにも哲学が重要
だと思います。
「IoT=モノのインターネット」とは何か。
何のための技術で、私たちの社会や生活は、一体どう変わるのか。
技術研究開発や社会制度設計、ビジネスや実用の最前線から、
豊富な実例をあげつつ、その現状・課題・未来像と、日本への
指針を示します。
□著者略歴
坂村 健:1951年東京生まれ。工学博士。
東京大学大学院情報学環教授、ユビキタス情報社会基盤研究
センター長。
1984年からオープンなコンピューターアーキテクチャー「TRON」
を構築。
2002年よりYRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長を兼任。
いつでも、どこでも、誰もが情報を扱えるユビキタス社会実現の
ための研究を推進しています。
2003年、紫綬褒章。2006年、日本学士院賞。
2015年、ITU 150 Awards受賞。
『ユビキタス・コンピュータ革命 次世代社会の世界標準』
(角川oneテーマ21)など著書多数。
□目次
第1章 IoTの登場
1、IoTとユビキタス・コンピューティング
IoT とは何か/ハイブ・サイクル/HSDFからユビキタスへ/
「インターネットのようにオープン」/リアルタイムOSの必然性
2、世界をつなぐオープンシステム
世界の組み込みシステム化/黒船来襲に驚く日本/
クローズなIoTとオープンなIoT/曖昧なバズスワードの潜在力
第2章 IoTの実用化とその可能性
1、IoTの実証実験
モノのトレーサビリティ/食品から廃棄物までをもトレース/
モノのメンテナンスと汎用の重要性
2、オープンIoT
インダストリー4.0/インダストリアル・インターネット/
IoTからIoEへー場所の認識/目指すべき「IoE国土」日本/
建築のIoT化でプログラムできる環境を
3、IoTによるサービス
サービス4.0/2020年に向けたおもてなしの課題/
レガシーとなりうるサービス高度化インフラ/
既存インフラを積極的に活用/プライバシーの概念とICカード/
組織や応用を超えたオープン性を/クラウド展開の可能性/
クラウド化で実現するさまざまなユースケース/CRMからVRMへ
第3章 オープンとクローズ――日本の選択
1、オープンのインフラがもたらす世界
ベストエフォートとギャランティ/TRONのオープン哲学/
オープンソースとオープンデータ/情報公開の新たなスタイル/
GOV2.0の本質/オープンAPIの効用/世界たったひとりにも最適化/
オープンな領域の広がり/モノを全部インターネットで繋ぐ/
2、IoTで製品はどう変わるのか
オープンIoT時代のカメラ/ナチュラル・ユーザインターフェース/
アグリゲート・コンピューティングとは何か/オープンカメラAPI
3、世界競争と日本のジレンマ
国家レベルのプログラミング教育競争/日本的なランチ試行/
オープン化とガバナンスの溝/技術選考に陥る日本/
データのガバナンスと線路ガバナンス/スマートグリッドの課題/
米国発のスマートグリッド構想/日本型スマートグリッドの限界/
ガバナンス面での日本の弱さ
4、オープン・イノベーションを求めて
既得権益を解体せよ/革新を阻む日本型ビジネスモデル/
海外スマートフォン上陸の衝撃/
「スティーブ・ジョブズは、なぜ日本に生まれないのか。」/
個人の権利から事業者側の義務へ/ガバナンスチェンジの必要性
第4章 IoT社会の実現と未来
1、すべては「ネットワーク」と「識別」からはじまる
実世界のモノ・空間・概念を識別/UIDアーキテクチャとUcode/
場所概念の標準化/UcodeとJANコードの違い/
ローカルからクラウドへ
2、アグリゲート・コンピューティング・モデル
IoT化で主たる機能に特化/ガバナンス管理が直面する矛盾/
エッジノードがクラウドに直結/ホームサーバーが消える/
自立性を確保する新たなビジネスモデル/
ユビキタスからアグリゲートへ/
日本におけるオープンデータ実現のために
□AMAZONカスタマーレビュー
今回は、内容そのものを詳細レビューするのでは無く、坂村さんの
書かれた、『IoTとは何か』のカスタマーレビューを載せることで、
本の良さを、汲み取っていただきたいと思っています。
〇日本では『技術の出口が見つからなくなるおそれがある』と警鐘
を鳴らす本。技術面よりも、法制度や訴訟による問題解決の仕組み
の違いが障害になりうる。
本書の前半部分では、「IoT社会の姿」を紹介している。
ありとあらゆるものに共通の電子タグを付けて認識可能とし、得ら
れる情報をクラウドで処理・蓄積すれば、医薬品・食品等に限らず、
あらゆるモノのトレーサビリティやメンテナンスが格段に容易
になる(大型店舗の棚卸作業も一瞬ですむ)。
また、交通機関の運行状況をAPI付きで情報公開して外部ボラン
ティアが創意工夫に溢れたアプリを開発・公開してくれれば
ローコストで世の中便利になるし、エアコンやテレビなどのAPI
が公開されれば個々の身体障碍者に最適化したユーザーインター
フェースを容易に開発できるようになる。
ただ、本書のメインは後半部分だと思う。
IoT社会実現のネックになりそうなのが、技術面の課題というより、
我が国の法制度だったり、消費者や監督官庁のギャランティ指向
だったり、プライバシーへの過剰反応、日本企業のビジネスモデル
これらの問題のために、「技術的には実現可能であっても導入でき
ないおそれがある」旨指摘し、『技術の出口を作れ』と繰り返し
主張する。
企業や技術者たちはグローバルな開発競争で負けるわけにはいか
ないので全力疾走せざるをえない。他方、ビジネスモデル上の課題
なら、経営者の仕事だ。しかし、法制度となると一企業では難しい。
「たとえ日本企業が先進的な製品を先行開発できたとしても、
訴訟リスクがあるタイプの製品ならば、リスク計算できない日本
市場を避け、まずアメリカ市場に投入して実績を積む」という経営
判断になるのではないか・・・・・。
自動運転車の事故回避プログラムと法的責任といった制度設計面
での難問もあるが、それ以前に、「訴訟で解決する」という考え方
が一般的でないところがつらいのである。
〇坂村式IoT入門
IoT(Internet of Things)の本。通り一遍のIoTの紹介本ではなく、
TRONプロジェクトをはじめとしてIT分野で30年間研究にたずさわっ
てきた経験に基づいて、著者が考えるIoT的な考え方を語った本。
「まさにIoTとユビキタスは同じもの」と書かれてあるように、
IoTを従来のユビキタスと同一のものだとして自説を展開している。
組み込みシステムの基本構成。技術的には可能でもそれをオープン
にできるかどうかは社会的な問題で、日本人はそれが苦手。
何のためのトレーサビリティかということにこだわるより、汎用的
なトレーサビリティのインフラを構築して普及させる方がいい。
汎用性は重要。
良いサービスの基本はお客様を識別することから始まり、その属性
情報を的確にキャッチし、記憶し、それを次の機会に引き出し、
活かす、というIoT的な情報処理になる。
一般書籍ということもあり、技術的な話はそれほど詳しくはないが、
その意義や意味、日本が得意とすることとそうでないことといった、
概念的な話や、社会的な意味から、IoTの位置づけや可能性や考慮点
について語っているところは読みがいがあった。
〇電子結界の遍照世界へ
モノ、空間も、ヒトも・・・、
あらゆるものが電子を媒介とした「結界」が張り巡らされて、
有機的に連携するひとつの生態系が構築される。
情報による主体環境生態系の遍照界が創成されていく。そこでは
「閉じた世界」を超えて「オープンな世界観・哲学」が重要な
ポイントだ。
「私が生きているうちにIoT社会を実現させたい。最後は社会の
力だ」著者は新たな水平線へ向けた針路の旗を掲げる。
〇IoT入門書として最適。実績のある著者によるわかりやすい説明。
鋭い問題意識も参考になります。
著者はTRONやユビキタス社会の提唱者として有名な方です。その
著者がわかりやすくIoTについて解説しています。
その概念はユビキタスと同じことを意味すると冒頭近くに書いて
納得でした。徐々に普及してきている現状と基礎技術について
わかりやすく説明がされていました。
特に印象に残ったことが二つあります。
一つは早期のプログラミング教育の必要性です。プログラマーが
ある分野の知識を得てプログラミングをすることよりもその分野の
専門家がプログラミングするほうが望ましい結果になっているとの
こと。プログラミングの知識を持つ人が格段に増えることが競争に
勝つためにも必要であるとの指摘。
二つ目はある程度の囲い込みを許容したほうが普及が早いしビジ
ネスとしてなりたつという指摘です。
TRONプロジェクトではそうした方向で動いているようです。
〇実践的なIoTを紹介する優れた本です。
啓蒙的なIoTの紹介本は沢山あるが、トロンプロジェクトで長年
実践してきた「どこでもコンピュータ」が「IoT」に繋がり、
その技術的な面と法律・社会的な面の課題がとても分かりやすい。
また、その「オープンなIoT」と「クローズなIoT」の相違も、
道路と鉄道のギャンティの相違であるとの説明が感心した。
ただ、個人的な専門家らは、IoTになると複雑化するために、
ユーザーインタフェースについての重要性は広く言われているので、
その設計論的な視点も、もう少し加えて欲しかった。
〇IoTの本質を知るには最良の書
「インターネット」という言葉がそうであったように、今ではIoTという
言葉を全く知らないということはちょっと恥ずかしい。然しながら、
その言葉の持つ本質的な意味合いや、それが社会に何をもたらすか
ということに関しては、我々、少なくとも私の見識は覚束ない限り。
ドイツが進めているIndustry 4.0という国家プロジェクトも、「第四の
産業革命」と言われるほど、世界的にIoTの持つ意味合いは限りなく
大きい。それでも一度根本的にIoTの本質的な意味合いを知っておこ
うという気持ちで手に取った。
この分野では、日本に限らず世界の先駆者である筆者は、IoTの本質
は「オープン」であることと説き、日本の企業が得意とする囲い込み的
な「クローズ」なIoTは、世界レベルに達することが出来ないと喝破する。
もっと重要なことは、本書のサブタイトルにあるように「技術革新から
社会革新」ということであろう。筆者は技術的にはIoTの世界は、
相当なレベルに達しているものの、社会規範としてどこまでそのIoTの
発展を受け入れていくかは社会次第ということを強調している。
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