第8話火曜書籍 書籍レビュー 『孫子』 | イーウィングのブログ

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第8話 書籍レビュー 
         『孫子』
 
今回は 『孫子』についてレビューします。
 
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■『孫子』
『孫子』(そんし)は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の
軍事思想家「孫武」の作とされる兵法書です。
 
武経七書の一つで、古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つ
です。
 
紀元前5世紀中頃から紀元前4世紀中頃あたりに成立したと推定
されています。
 
『孫子』以前は、戦争の勝敗は天運に左右されるという考え方が
強かったのですが、孫武は戦争の記録を分析・研究し、勝敗は
運ではなく人為によることを知り、勝利を得るための指針を理論化
して後世に残そうとしました。
 
 
□孫子の篇建て
以下の13篇からなります。
 
・計篇 - 序論。戦争を決断する以前に考慮すべき事柄について
 述べています。
・作戦篇 - 戦争準備計画について述べています。
・謀攻篇 - 実際の戦闘に拠らずして、勝利を収める方法について
 述べています。
・形篇 - 攻撃と守備それぞれの態勢について述べています。
・勢篇 - 上述の態勢から生じる軍勢の勢いについて述べています。
・虚実篇 - 戦争においていかに主導性を発揮するかについて
 述べています。
・軍争篇 - 敵軍の機先を如何に制するかについて述べています。
・九変篇 - 戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立て
 について述べています。
・行軍篇 - 軍を進める上での注意事項について述べています。
・地形篇 - 地形によって戦術を変更することを説いています。
・九地篇 - 9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術を
 説いています。
・火攻篇 - 火攻め戦術について述べています。
・用間篇 - 「間」とは間諜すなわちスパイを指します。敵情偵察
 の重要性を説いています。
現存する『孫子』は以上からなります。
 
 
 
□孫子の全体像
大きく非好戦的、現実主義、主導権の重視の3つの像が浮かび
上がります。
 
非好戦的:戦争を簡単に起こすことや、長期戦による国力消耗
を戒めています。
この点について 老子思想との類縁性を指摘する研究もあります。
「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈する
は善の善なるものなり」(謀攻篇)と…
 
現実主義:緻密な観察眼に基づき、戦争の様々な様相を区別し、
それに対応した記述を行っています。
「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」(謀攻篇)と…
 
主導権の重視:主導権を握ることの大切さが説かれています。
「善く攻むる者には、敵、其の守る所を知らず。善く守る者は、
敵、其の攻むる所を知らず」(虚実篇)と…
 
 
□孫子の戦争観
孫子は戦争を極めて深刻なものであると捉えていました。
それは「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の地なり。
察せざるべからず」と説いているように…
 
戦争という一事象の中だけで考察するのではなく、あくまで
国家運営と戦争との関係を俯瞰する政略・戦略を重視する姿勢
から導き出されたものであるとしています。
 
それは「国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ」、
「百戦百勝は善の善なるものに非ず」といった言葉からも
うかがえます。
 
また「兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり」
という言葉も、戦争長期化によって国家に与える経済的負担を憂慮
するものです。
 
この費用対効果的な発想も、国家と戦争の関係から発せられたもの
であると言えるでしょう。
 
孫子は、敵国を攻めた時は食料の輸送に莫大な費用がかかるから、
食料は現地で調達すべきだとも言っています。
 
『孫子』が単なる兵法解説書の地位を脱し、今日まで普遍的な価値
を有し続けているのは、目先の戦闘に勝利することに終始せず、
こうした国家との関係から戦争を論ずる書の性格によるといえます。
 
 
□孫子の戦略
『孫子』戦略論の特色は、「廟算」の重視にあります。
廟算とは開戦の前に廟堂(祖先祭祀の霊廟)で行われる軍議
のことで、「算」とは敵味方の実情分析と比較を指します。
 
廟算とは敵味方の何を比較するのか。それは…
・道 - 為政者と民とが一致団結するような政治や教化のあり方
・天 - 天候などの自然
・地 - 地形
・将 - 戦争指導者の力量
・法 - 軍の制度・軍規
の「五事」であるといわれてます。
 
具体的には以下の「七計」によって判断します。
①敵味方、どちらの君主が人心を把握しているか。
②将軍はどちらが優秀な人材であるか。
③天の利・地の利はどちらの軍に有利か。
④軍規はどちらがより厳格に守られているか。
⑤軍隊はどちらが強力か。
⑥兵卒の訓練は、どちらがよりなされているか。
⑦信賞必罰はどちらがより明確に守られているか。
 
以上のような要素を戦前に比較し、十分な勝算が見込めるときに
兵を起こすべきとしています。
 
中国文学者の守屋洋は、孫子の兵法は以下の7つに集約される
としています。
・彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。
・主導権を握って変幻自在に戦え。
・事前に的確な見通しを立て、敵の無備を攻め、その不意を衝く。
・敵と対峙するときは正(正攻法)の作戦を採用し、戦いは奇襲
 によって勝つ。
・守勢のときはじっと鳴りをひそめ、攻勢のときは一気にたたみ
 かける。
・勝算があれば戦い、なければ戦わない。
・兵力の分散と集中に注意し、たえず敵の状況に対応して変化する。
 
 
□兵法書の成立
著者とされる孫武は、紀元前500年頃の人物で、戦国時代の新興国
であった呉王闔閭に仕え、その勢力拡大に大いに貢献しました。
 
1972年、山東省銀雀山の前漢時代の墳墓から『竹簡孫子』や
『孫びん兵法』が発見され、両書が別の竹簡の写本として存在し、
従来伝えられる『孫子』はいわゆる『呉孫子』の原型をほぼ
とどめたものであり、孫びんの兵法書は後世に伝わらなかった
ことが確認されました。
 
現在では以下のように考えられています。
 
『孫子』は孫武が一旦書き上げた後、後継者たちによって徐々に
内容(注釈・解説篇)が付加されていき、そうした『孫子』の
肥大化を反映したものが『漢書』芸文志の記載です。
 
しかし、後に後漢・魏の曹操(武帝)が分類し整理し、まとめ上げ
『魏武注孫子』という形になったといわれてます。
 
 
□日本の孫子本
『孫子』の本は大きく分けて3種類あります。
 
まず近年見つかった『竹簡孫子』、
それまで流布していた『魏武注孫子』、
そして日本の仙台藩の儒者・桜田景迪が出版した『古文孫子』です。
 
『古文孫子』は、代々桜田家に伝えられてきたもので、
『魏武注孫子』よりも古いものであると桜田自身は述べていますが、
真偽のほどは不明です。
 
最も広く読まれた『魏武注孫子』は、時代が下るにつれて様々な
注釈が付けられ、異本が増えていきました。
 
『孫子』の文章が極めて簡潔で、具体的なイメージが読み取れない
部分があるためといわれてます。
 
 
 
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