その中で少し触れたアンコール遺跡の保存・修復に全生涯を捧げたアンリ・マルシャル(仏)について・・・
1916年、初代アンコール遺跡保存官ジャン・コマイユが亡くなり、2代目保存官となりました。
彼は最初にバンテアイ・スレイ寺院の修復に着手します。
この寺院、"女の砦"を意味し大部分が赤い砂岩で建造されたヒンドゥー教の寺院です。
作家であり冒険家であり、後にフランス文化大臣となるアンドレ・マルローが"東洋のモナリザ"と称されるデヴァター(女神)のあまりの美しさに魅せられて盗掘したことでも有名です。
デヴァター
マルシャルは、石材の両面に鉄材を流し込みセメントで固めるアナスティーローシス工法を用いて、約6年かけて復元することに成功しました。
当時の人たちが希求した美意識を1100年ぶりに蘇らせました。
マルシャルは1937年にカンボジアを離れ、1948年に再び保存官に就任するとアンコール遺跡に家宅を構え、1970年に94歳の生涯を閉じました。
2代目保存官となったとき夫人に愛想を尽かされフランスに帰られてしまうほど研究に没頭するほどで、ある意味これだけひとつのものに情熱をかけられるものがあるのは素晴らしいと思います。