裏MOD名盤138 マッカートニー・ミュージックの真髄 | 深夜超特急

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本日はご乗車ありがとうございます。

世界で一番好きなアルバムは何かって言ったら、

 

「Ram」なんですよ。

 

ーーー桑田佳祐

 

 

さて先日目出度く傘寿を迎えたポール・マッカートニー

 

今回はリンダ・マッカートニーとの共通名義で、

 

発売当時の日本盤の帯には、

 

マッカートニー・ミュージックの真髄

 

と評された「Ram」(1971年)をご紹介します。

 

 

Track listing

 

Side one

 

1. Too Many People

 

2. 3本足

 

3. Ram on

 

4. Dear Boy

 

5. アンクル・アルバート〜ハルセイ提督

 

6. Smile Away

 

Side two

 

1. 故郷のこころ

 

2. Monkberry Moon Delight

 

3. 出ておいでよ、お嬢さん

 

4. Long Haired Lady

 

5. Ram on

 

6. The Back Seat of My Car

 

Additional musicians

 

リンダ・マッカートニー(コーラス)

 

ヘザー・マッカートニー(コーラス)

 

デヴィッド・スピノザ(ギター)

 

ヒュー・マクラッケン(ギター)

 

デニー・シーウェル(ドラムス)

 

ニューヨーク・フィルハーモニック

 

 

 

1971年3月12日、

 

ザ・ビートルズが正式に解散。

 

泣いて馬謖(ばしょく)を切ったポールは、

 

ジョン・レノンに代わる新相棒、

 

妻のリンダを従え積極的に音楽活動を継続。

 

解散前にキンタイア岬の農場からニューヨークへ。

 

既にポールの中にウイングスの青写真があったのか、

 

後のウイングスのドラマーとなるデニー・シーウェルと、

 

スカウトしたが断られたヒュー・マクラッケン

 

後に再度共演するデヴィッド・スピノザと邂逅。

 

ストリングスにはニューヨーク・フィルハーモニックを起用。

 

プロデュースはポール自身。

 

農場から都市へ、

 

都市から農場へ。

 

同じベーシストのロニー・レインとは対照的ながら、

 

土の香りが漂い、

 

古き良き伝統的な米国音楽を追求しながらも、

 

英国人らしい捻りを加えた姿勢は共通し、

 

時代を超えてポール・ウェラーや、

 

マザー・アースに引き継がれます。

 

聴きどころをざっと述べますと、

 

まずは可愛げのある曲調に反し、

 

ぶっ壊せと過激な歌詞で、

 

R&Bクラシックの法則に則り、

 

作中2度に渡って登場する「Ram on」

 

 

ポールには珍しいブルースで、

 

ビートルズに対する恨み節の「3本足」

 

 

ジョンとヨーコに対するポールからの苦言、

 

今で言うエアリプの「Too Many People」

 

 

当初はまたもジョン宛か思いきや、

 

実はリンダの元夫へ宛てた「Dear Boy」

 

 

アビー・ロードB面のメドレーより、

 

フーの「A Quick One」を彷彿させる組曲の、

 

「アンクル・アルバート〜ハルセイ提督」

 

 

カントリー好きのリンゴ・スターに触発されたのか、

 

珍しくカントリー調の「故郷のこころ」

 

 

ゲット・バッグのセッション時、

 

断片的に披露され、

 

リンダの協力を得てようやく完成させた、

 

「The Back Seat of My Car」等、

 

 

 

 

書いているだけで満腹中枢が満たされます。

 

ポールのソロで何から聴くか迷ったら、

 

私は本作を推します。

 

→TO BE CONTINUED

 

◼️次回予告

 

米国のビートルズが登場。

 

お楽しみに。

 

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