裏MOD名盤128 ピート・タウンゼント推薦盤 | 深夜超特急

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本日はご乗車ありがとうございます。

兄貴の覚悟が!

 

『言葉』ではなく『心』で理解できた!

 

ーーーペッシ

 

 

今年結成60周年を迎えるザ・ビーチ・ボーイズ

 

今回はザ・フーの「Lifehouse」と並ぶ、

 

未完のコンセプトアルバム、

 

「Smile」の派生作品、

 

「Smiley Smile」(1967年)をご紹介します。

 

 

Track listing

 

Side one

 

1. 英雄と悪漢

 

2. Vegetables

 

3. Fall Breaks And Back To Winter

 

4. She's Goin' Bald

 

5. Little Pad

 

Side two

 

1. Good Vibrations

 

2. With Me Tonight

 

3. Wind Chimes

 

4. Gettin' Hungry

 

5. Wonderful

 

6. Whistle In

 

Personnel

 

マイク・ラヴ(ボーカル)

 

アル・ジャーディン(ボーカル、ギター)

 

ブライアン・ウィルソン(ボーカル、ベース)

 

デニス・ウィルソン(ボーカル、ドラムス)

 

カール・ウィルソン(ボーカル、ギター)

 

ブルース・ジョンストン(ボーカル、キーボード)

 

Additional musicians

 

ヴァン・ダイク・パークス(作詞)

 

 

時は1967年、

 

ビーチ・ボーイズとビートルズ、

 

米英間の熾烈なマウント合戦は、

 

前者が「Smile」という決定打を放つ前に、

 

レコード会社やメンバー間の軋轢、

 

セコンドのヴァン・ダイク・パークスの去就、

 

ブライアン・ウィルソンの精神崩壊により、

 

タオルが投入され試合放棄。

 

遺された音源は外部に委託し、

 

アルバムとして形にするかと思いきや、

 

メンバー達はブライアンの更生を兼ねて、

 

彼の自宅にスタジオを作り音源を編集。

 

難産の末に産み落とされた本作は、

 

船上のカナリアは陽気な不協和音といった、

 

バンド史上最も実験的でサイケデリック。

 

長門芳郎氏の言葉を借りれば、

 

カリフォルニアプログレッシヴソフトロック。

 

超強力2大先行シングル、

 

「Good Vibrations」と、

 

 

「英雄と悪漢」を擁しながらも、

 

 

「Smile」の期待を裏切った代償は高く、

 

全米チャートはデビュー以来最も低い41位。

 

しかし英国では好意的に受け入れられ、

 

全英チャート9位と大健闘。

 

ミュージシャンへの反響も大きく、

 

ピート・タウンゼントをはじめ、

 

アンディ・パートリッジ

 

リンジー・バッキンガムは、

 

影響を受けたと公言し、

 

スティーヴン・タイラーは、

 

無人島レコードに本作を挙げ、

 

鈴木慶一と田中宏和は本作に影響を受け、

 

ゲーム「MOTHER」の音楽を作成。

 

しかし日本の一部のビーチ・ボーイズファンは、

 

半世紀前から一貫してコレジャナイ感、

 

隔靴掻痒(かっかそうよう)の感を表明。

 

聴きどころは先行シングル以外ですと、

 

ブライアンとマイク・ラヴ名義で、

 

奇跡的に日本でもシングルカットされ、

 

次作「Wild Honey」の萌芽が読み取れる、

 

ソウルフルな「Gettin’ Hungry」

 

 

後に夫人のリンダとベジタリアンになる、

 

ポール・マッカートニーが参加しながらも、

 

そのテイクは不採用となった、

 

「Vegetable」

 

 

コーラスの魔術師カート・ベッチャーと、

 

フランク・ザッパが合作したような、

 

「She’s Goin’ Bald」

 

 

前述のリンジーが推す「Wind Chimes」

 

 

最後にあまり語られていませんが本作は、

 

宅録、趣味全開という点で、

 

ボブ・ディランの地下室より半歩リードし、

 

ポールのマッカートニーシリーズにも、

 

少なからず影響を与えたと思われます。

 

→TO BE CONTINUED

 

◼️次回予告

 

今年結成45周年の大御所バンドが初登場。

 

お楽しみに。

 

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