少人数でゆっくり食べるのは好きだけど、大人数になると嫌いだ。
大学に入ってから、急にみんな「大学生はやっぱ食事っしょ!」とか言い出して、飯を食い出した。
飯サーなるものもあるらしい。
表向きは運動系のサークルだけど、活動はしておらず、とにかく毎日のように飯を食ってるらしい。
聞いた話だけど、授業前に朝飯食ったり、昼休みにこっそり飯食ったり、そんなことをしているっていう噂も。
飯食って大学来るやついるかよ。
そりゃ僕も何度かついて行ったことはある、それは酷いもんだった。
「やっぱり一杯目は白飯だよな!」
とか言って、勝手に注文された。
「それじゃ最高の夜に!いただきまーす!」
「いただきまーす!!!」
みんなガバガバ食べ始める。
そういえば、白飯の美味しさがわからない、って言ったら。
「白飯はよく噛んで味わうんだよ」だってさ。
本当かよ。
「俺コシヒカリ派かなー」
「俺はあきたこまち」
味もわからないくせに知ったかぶりをすんな。
どうせブレンド米食ったって違いわからないんだから。
お通しで出てきたお茶(310円)を、黙って飲んどけ。
二杯目以降は、白飯を食う奴もいれば、うどんやパンなど各々注文していた。
ちなみに僕は、一杯目の白飯をちょっとずつ食べていた。
しかしそれが、一人に見つかってしまったのだ。
「こいつ全然飯食ってませーん!」
最悪だ。
どこで覚えたのか知らないコールが始まる。
「なんで持ってんの?腹減ってるから持ってんの?」
「食って!食って!食って!」
うるせえ、飯くらいゆっくり食わせろ。
そんなことも言えず、とりあえず残りを箸でかきこんだ。
「あれ?ご飯粒?残ってる?ちょい残し!」
なんだそのルール。
ご飯粒くらい残るだろ。
向かいの人からパスタを渡された。
「巻いて!啜って!食っちゃって!」
これのせいでだいぶ酔っ払った。
まあ酔ってるのは僕だけじゃなくて、隅の方ではパン持ったまま寝てる奴もいる。
食細いのに無理するから。
そこからはしばらくは、ゲームで負けたやつが焼きそばを食うっていうのを繰り返した。
なにが楽しいんだ。
そろそろ意識も朦朧としてきた頃、突然ハンバーガーが12個運ばれてきた。
「おいー!誰だよ頼んだのー(笑)」
なんか最後に一気食いする流れらしい。
無理だよ、無理だ…。
「せーの!いただきまーす!」
僕はハンバーガーにかじり付いた。
記憶はそこで終わっている。
気づくと僕はベッドで横になっていた。
どうやって帰ったのかわからない。
完全に食い過ぎた。
気持ち悪い。
後から聞いたけれど、あのあと帰る組と残る組に別れたらしい。
残る組は、一人暮らししてるやつの家に飯食いに行ったんだってさ。
家でご飯を炊いたらしい。
どんだけ飯食うんだよ。
こんな世界異常だ。
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街を歩くと、コンビニには飯。駅前には飯屋。
飯、飯、飯。
昼間っから公園でおにぎり食ってるおじさん。
仕事終わりに牛丼を食ってるサラリーマン。
家で飯を作る主婦。
こんな世界異常だ。
異常に見えてくる。
酒が飲み物でよかった。
もしも、酒が食べ物だったら。
俺は多分、めっちゃ太る。