60年代や70年代
ヒット曲イコール良い曲
良い曲イコール素晴らしいメロディ
それは人の心を揺さぶる旋律だった
実際日本の歌謡曲に於いて
作曲家先生が
「満を持して可愛い弟子の歌い手の為に与えた曲」は
当然の様に大ヒットする
海外に於いてもそうだった
70年代後半AORが歴史的唯一陽の目を見たのも
時代が曲を評価してた時期に需要と供給のバランスがとれていたからだ
今回取り上げたいのは
最近の事では無く
80年代初頭の怪現象をだ
88年以降CDエイジになってから
音楽はお手軽になってしまい
良い曲は売れなくなり
コンピューターでサンプリングされた
在り来たりの物がヒット曲の主流になった
従来のヒット曲はMain Streamと呼ばれ
現在では売り上げやラジオのエアプレイより
ダウンロードの回数がチャートを左右する
そんな現代は無視して美しかった時代の怪現象に泣いた曲を取り上げます
1.Tom Petty & The Heatbreakers
「The Waiting」1981年全米19位
泣きのメロディでTPのヒット曲の中ではファン指示上位の曲も当時TOP20入りした途端
足踏みし赤丸が付きながら19位で止まってしまった
Live AidやFarm Aid等でも弾き語りで歌われた切ないこの曲が当時のアメリカ社会の
「労働者達が来たるべき良き時代(不況からの脱却)」を待っている希望の歌であり
「待っている事は辛い事なんだよ」と歌われるサビに感動を隠せないのだが・・・・・・・・・・・・・・・
2.The Beach Boys
「Come go with me」1981年全米18位
Doo Wop調のこの曲は元々1978年のアルバム「MIU」に収録されていたがBrother/Calibouでの2枚組
ベスト「The ten years harmony」が発売された際に新たにシングル・カットされた。
「MIU」自体がコケたアルバムだったのでこのカットは新鮮でBB5にしては久し振りに良いチャート・
アクションをしており全盛時代(1963~67年頃)を彷彿させるポップな曲なので大ヒットを確信したが
これもTOP20入り後突然の足踏み。
BB5に関しては同じ時期にJ Geiles Bandの「Centerfold」やThe Four Topsの「When she was my girl」
のメガ・ヒットに隠れてしまった感と年末に後のスタンダードと言われる曲が目白押しに発売された不運
もあった。
蛇足だが1985年の「Getcha Back」も不思議な現象でTOP30入り後足踏みし26位で停滞する不幸を繰り返し
ている。7年後に「Kokomo」の大ヒットが出るが本来問うた曲が正当なレスポンスを受けるべきだと私は思うのだが。
3.The Who
「You better you bet」1981年全米18位全英9位
2000年の復活以降Liveでは必ず演奏されるThe Who後期の代表曲。キース・ムーン死後久し振りに発売さ
れた「Face Dances」からのカットでアルバムは正当に評価され売れたがこの曲自体もう少し売れて評価
されて良かったんじゃないだろうか?
この曲も20位付近迄は15位程毎週駆け上がる驚異の上昇率だったのに20位から突然の停滞。理由は一体何
なのか考えたが思いもつかない。The Who自体この曲以降シングル向きの曲は一切発売していない。
4.The Kinks
「Don't forget to dance」1983年全米29位全英58位
kinksファンの私が狂喜した夏、1983年7月奇跡が起こった。「Come dancing」がMTVの恩恵に乗っかり事も
あろうか「Lola」以来の全米TOP10入りをしてしまった。しかも「Falsh dance」やセルジオ・メンデスに
カジャグーグー、デュラン・デュランと時期がズレよう物なら初の全米1位を獲得をしたかもしれない。
今考えたらおぞましい(笑)
Kinksはやはり若干下の位置から上を目指すから良いのであって上に立つKinksは似合わない。でこの曲。
Kinksらしいヒットの仕方であるがTOP30入り辺りからの失速は不思議である。17、18位程度なら行きそうな
勢いだったのがどこへ行ったのやら。正直「Come dancing」よりこの曲が売れて欲しかった。
5.Mick Jagger
「Throw away」1987年全米67位
「Just another night」は秀逸でStonesで出して貰いたかった程だが2ndの第一弾の「Let's work」は
ユニークだが「?」って曲でこの時代より2010年代の方が合う。で続いたシングルで王道のストーンズ節を
持ってきたが見事にコケた訳です。ここらがソロを諦めてストーンズ回帰した理由なのだろうか?
6.Aerosmith
「Living on the edge」1993年全米18位全英19位
この後王道のメガバンドになってしまうエアロ。この当時「eleveter」や「Rag doll」「Dude」を出して
いたにも関わらずそのクラス以上のヒットを期待されつつも応えられなかった名曲。
この曲が英米で20位付近というのも不思議である。次のシングル「Crying」や「I don't want~」等が
爆発的なヒットしているのに過小評価過ぎる。
但しこれが1980年辺りであれば事情も変わったのではと思わずにいられない。