鬼戦車T-34
「鬼戦車T-34」(邦題)
1964年 ソビエト連邦映画
監督: ニキータ・クリヒン、レオニード・メナケル
出演: ヴャチェラスラフ・グレンコフ、ゲンナージー・ユフチンほか
T-34です。
不可侵条約を破ってソ連に攻め込んだドイツ軍を食い止め、ついにはベルリンまで押し戻したソ連の戦いのシンボル。
ロシア人なら映画の1本や2本作りたくなって当然でしょう。
本作の制作は、そういう点からすれば意外に遅くて1964年。
もう実社会ではベトナム戦争の最中です。
紛れもないプロパガンダ色を帯びた作品であるのですが、鼻白むようなソヴィエト万歳映画ではないんですよね。
トーチカの中でリラックスしたムードのドイツ軍人。
大砲でドカンドカンと撃っているのは、捕獲した敵戦車T-34。
新型砲のテストを行いつつ、T-34を破壊するための弱点を研究しているのです。
このT-34を操縦しているのはソ連軍の捕虜たち。
もちろんT-34には弾薬は積んでおらず、反撃の手段はありません。
戦車操縦を強要され、一方的に砲撃される彼らの怒りは限界に達しています。
破壊された戦車から脱出すれば射殺される。射殺をまぬがれるとしたら、ドイツ人の気まぐれによるもの。
しかし、被弾したふりをしてドイツ軍をだまし、射撃演習場から4人の男がT-34に乗って逃亡に成功。
3人はソ連の捕虜。残る1人はフランス人。
戦車の中でも「フランスのテレビ」って感じです。
逃げる途中で農場に突っ込んでいくと、そこにはロシア人女性たちが強制労働をさせられていました。
祖国の戦車が突然現れて、キートンの「セブン・チャンス」みたいに熱狂して追いかける女性たち。
しかし、T-34には戦車砲の砲弾1発すらありません。
ただ走り去るしかない。
街に突っ込むと広場があります。
ドイツ人が銅像なんか建てているわけです。
大砲が使えなくてもこういうのはぶっつぶすと。
主人公マーシャは、2人のロシア人には分散してチェコに逃亡するよう言い、フランス人にも逃げるよう言うのですが、彼は肺病のために逃げられないという自分の運命を悟り、残ることを選びます。
しかし、ドイツの追っ手に追われた彼らは結局T-34のもとに集まり、ともに一矢報いるために進撃を始めるのでした。
残り少ない燃料でドイツ軍の基地を目指すT-34。
道中でフランス人は死に、2人のロシア人も降ろしたマーシャは1人でT-34を進めます。
戦車を降りた2人は追手を食い止めるために戦い、マーシャを乗せたT-34はドイツ軍が待っている基地へと突進していくのでした。
そんなわけで、この映画では最後までT-34は1発も弾を撃ちません。タイトルとは違って、射撃の標的にされ、逃げ回り、1人のドイツ人も殺さない。
ソ連のイデオロギーを讃えることもなく、ただ、戦争の中で行われる非道な行為に立ち向かう「英雄」を描いているのです。
この映画は泣かせます。
クライマックスはちょっとオーバーかもしれないけれど、「誓いの休暇」でウルウルきちゃう人にはもってこいですよ。
また、ペキンパーの「コンボイ」は、これにヒントを得ているんじゃないかなあ、なんて思いました。
あちこちモロな感じがしますよね。
1964年 ソビエト連邦映画
監督: ニキータ・クリヒン、レオニード・メナケル
出演: ヴャチェラスラフ・グレンコフ、ゲンナージー・ユフチンほか
T-34です。
不可侵条約を破ってソ連に攻め込んだドイツ軍を食い止め、ついにはベルリンまで押し戻したソ連の戦いのシンボル。
ロシア人なら映画の1本や2本作りたくなって当然でしょう。
本作の制作は、そういう点からすれば意外に遅くて1964年。
もう実社会ではベトナム戦争の最中です。
紛れもないプロパガンダ色を帯びた作品であるのですが、鼻白むようなソヴィエト万歳映画ではないんですよね。
トーチカの中でリラックスしたムードのドイツ軍人。
大砲でドカンドカンと撃っているのは、捕獲した敵戦車T-34。
新型砲のテストを行いつつ、T-34を破壊するための弱点を研究しているのです。
このT-34を操縦しているのはソ連軍の捕虜たち。
もちろんT-34には弾薬は積んでおらず、反撃の手段はありません。
戦車操縦を強要され、一方的に砲撃される彼らの怒りは限界に達しています。
破壊された戦車から脱出すれば射殺される。射殺をまぬがれるとしたら、ドイツ人の気まぐれによるもの。
しかし、被弾したふりをしてドイツ軍をだまし、射撃演習場から4人の男がT-34に乗って逃亡に成功。
3人はソ連の捕虜。残る1人はフランス人。
戦車の中でも「フランスのテレビ」って感じです。
逃げる途中で農場に突っ込んでいくと、そこにはロシア人女性たちが強制労働をさせられていました。
祖国の戦車が突然現れて、キートンの「セブン・チャンス」みたいに熱狂して追いかける女性たち。
しかし、T-34には戦車砲の砲弾1発すらありません。
ただ走り去るしかない。
街に突っ込むと広場があります。
ドイツ人が銅像なんか建てているわけです。
大砲が使えなくてもこういうのはぶっつぶすと。
主人公マーシャは、2人のロシア人には分散してチェコに逃亡するよう言い、フランス人にも逃げるよう言うのですが、彼は肺病のために逃げられないという自分の運命を悟り、残ることを選びます。
しかし、ドイツの追っ手に追われた彼らは結局T-34のもとに集まり、ともに一矢報いるために進撃を始めるのでした。
残り少ない燃料でドイツ軍の基地を目指すT-34。
道中でフランス人は死に、2人のロシア人も降ろしたマーシャは1人でT-34を進めます。
戦車を降りた2人は追手を食い止めるために戦い、マーシャを乗せたT-34はドイツ軍が待っている基地へと突進していくのでした。
そんなわけで、この映画では最後までT-34は1発も弾を撃ちません。タイトルとは違って、射撃の標的にされ、逃げ回り、1人のドイツ人も殺さない。
ソ連のイデオロギーを讃えることもなく、ただ、戦争の中で行われる非道な行為に立ち向かう「英雄」を描いているのです。
この映画は泣かせます。
クライマックスはちょっとオーバーかもしれないけれど、「誓いの休暇」でウルウルきちゃう人にはもってこいですよ。
また、ペキンパーの「コンボイ」は、これにヒントを得ているんじゃないかなあ、なんて思いました。
あちこちモロな感じがしますよね。