Wrong Turn (「クライモリ」) | アッシュのブログ

Wrong Turn (「クライモリ」)

"Wrong Turn"
(邦題:「クライモリ」)
2003年 アメリカ映画

うーん。
なんか・・・超クソ映画でした。
そこまで言ってはいけないかなあ。
こういう映画を初めて観た人にとっては結構楽しめるはずですから。
でも、本当にひどい。
過去の作品の模倣だけで出来上がっている映画です。

Texas Chainsaw Massacre"の翻案であることは最初の4分の1くらい観ただけでわかりますし、それが進めば進むほどはっきりしてくるという情けなさ。
設定などから"Hills Have Eyes"(私は観てないけど)を下敷きにしていることも察せられます。

それだけなら怒ったりしません。
問題は、良い映画を作ろうとして作られていないことです。

見え透いた物語。
超バカ揃いのキャラクター。
意外性ゼロ。予想通り一直線の展開。
そこら中がカット可能な冗長な編集。
お約束の塊みたいな内容なのにテンポが悪いのです。
何より腹立たしいのは、これがプロの技巧でもって作られている点です。
「出来ない」のではなく、「やらなかった」作品。

映画の観客なんてこの程度と思って作ったのかな。多分そういうことなんでしょうね。
作りこみよりもわかりやすさ。
例えるなら、お客が求めるからと言って自家製ダシを味の素に変えるような仕事ぶりです。
これを名作だと思う人は、味の素しか知らない人ですよ。




ネタバレもいきましょうか。

みんな即座に殺されているのに、なぜヒロインのジェシーだけは生かしておかれたの?
パトカーの下にぶらさがるのはいいけど、未舗装の山道でそんなのは自殺行為じゃないの?
かなりの距離をしつこく追跡したのに、主人公のクリスを取り逃がしてあきらめて帰るのってご都合主義じゃないの?
どうして「こっちだよ~!」みたいなバカっぽい囮作戦連発なの?
ミュータント一家って設定でおバカがすべて許されるの?
警官は無線通報を受けてもいつも単独でウロウロしていて、火事現場にも入っていっちゃたりするのかな?
まず無線で応援を呼ばないのかな?
ミュータント3兄弟?の存在は、警察だって知っているのじゃないのかな?
いきなり問答無用で警官を殺すようならもうとっくにバレてるんでは?
あの年齢まで殺し続けて暮らしてきたのに、それにしては廃車置場は新しい車が多いのでは?

"Texas Chainsaw Massacre"が原型。殺人鬼が奇形というかミュータントというのも基本的にこの映画から。
アメリカにはシリアル・キラーがいっぱいいたので、この作品を1本知っていれば後はいろいろアレンジ容易でしょう。
"Hills Have Eyes"も元ネタでしょう。
森の中の追跡はネタがいっぱいあるでしょうね。
つぶさに見たらいっぱい元ネタのあるシーンが挙がるだろうと思いますが、私にはそこまでわかりません。
廃車置場も元ネタはいろいろありそう。先日挙げた"The Sadist"なんて典型的でしょう。
結局、"Texas Chainsaw Massacre"を模倣しつつも、オリジナルよりもわかりやすく現代的な娯楽映画として企画されたんじゃないかな。

それにしても面白い作品を作ろうとした作りこみが無いんですよね。
例えば、"Texas Chainsaw Massacre"と、殺人鬼一家の家の中の小物に注目して比較してみれば、手抜き加減がよくわかると思います。
3兄弟?の描き分けも明確に意図されていません。投げやりです。
(これについては、わざとはっきり見せないようにしているのかもしれませんが)



ほどほどの予算規模や技巧のもとで、敢えてクズ映画が作られるとイライラしてしまう。
やるならもっといい加減にやれよと。
そして、クズ映画なんて捨て身で当たり前なんだから、もっとアイディアを投下しろよと言いたい。
こんなのは映画を利用した金儲けでしかないよ。