甘デジの変貌(13) | アッシュのブログ

甘デジの変貌(13)

このシリーズ、まだまだ続くぞぉぉぉ!!

というわけで、甘デジの時短について。

■ 時短回数は3分の1じゃない?
甘デジは、ミドルの3倍当りやすく、3分の1の出球というのが相場です。
では時短回数は?

100回の3分の1ということは、33回が妥当です。

時短33回の甘デジなんてありませんね。
普通は30回・・・いや、平均30回と言うのが正しいでしょう。
そして、時短回数が多い機種は平均50回を超え、少ない機種は10回くらいしかありません。
多かったり少なかったりするわけです。
そして、普通は33回より少ない。なぜか?

デジパチには保留がありますから、ミドルの時短100回が終わったときには3~4個の保留が残ります。
特図が2個であれば7~8個の保留が残ります。
あくまでも普通の釘であれば、ですがw
時短100回だけど、球を減らさずに(これまた語弊がありますがひとまず先へ行きます)まわせる回数は、103~108回。
この3分の1は34~36回です。

甘デジについて同じことを考えると、時短30回で球を減らさずにまわせる回数は、33~38回となります。
そんなわけで、ミドルと同等にすると、スペックの見かけ上は時短回数が減るわけですね。

規則の上では100回まで許されている時短が、甘デジでは30回でミドルの100回とバランスが取れるという点は、甘デジの遊技性を考える上で非常に大きな意味があります。

■ 甘デジならではの時短遊技
甘デジは、普通のデジパチより当りやすく出球が少ないという遊技性でしたが、早期からミドルとの相違点について検討を重ねられていたと思われます。

例えば、旧北斗STV。
1/80で、ST4回、ST終了後の時短41回。
2006年登場の機種です。

大雑把ながら、ミドルの確変デジパチに換算すると、

1/320、確変率41%、時短175回
大当たり1回の出球は4倍。

こんな具合でしょう。
確変率の低さと時短の多さが目につくところです。
時短41回といえども、先に述べたように保留の効果がありますから、実質は45回です。
単純に計算すれば、4×45-4=176回。
要するに、時短連タイプになっているのですね。
ST機なので、STと時短の総合による継続率で考えると、約66%となります。

なお、この機種はとても甘そうに見えて、実際には2R突確を含めることでバランスを取っています。
面倒くさいので改めて計算はやりませんけど。

甘デジは、ミドルのデジパチの時短回数を3分の1~4分の1に減らしたところでバランスが取れるのですが、北斗STVのように他の部分を削って時短回数を増やすことにより、ミドルにはない遊技性を実現してきたのです。

■ 時短連タイプのメリット
時短連タイプにするとどういうメリットがあるかというと、ひとつには球が長持ちする効果がありますね。
大当たりすれば、ミドルよりも相対的に長く遊べる。
確変は1/8~1/20くらいですから、ミドルよりずっと早く進行します。
確変中の大当たり確率を1/10前後にし、平均連荘数を3回くらいにすると、30回転くらいしか確変に滞在できません。あっさりしすぎるでしょう。
それを補うのが、確変率の抑制と時短回数の増加なのです。
確変機では確変率を抑制するとケチくさく見えてしまうのでいけませんが、ST機なら大丈夫ですね。
1/10のST5回が確変率何%相当なのかわかって打っている人は少ないです。
おおむね50%。あるいは、1/9.9の5倍だから55%くらい?と思っている場合がほとんどじゃないでしょうかね。
数字のイリュージョンです。

一方、時短回数を逆に減らして遊技性に独自性をもたらしてきた機種もありました。
歌舞伎剣とかミニミニモンスターとかですね。
ミドルなら時短回数が100回でないと時短を減らされた(=損)と認識されやすいのに対し、甘デジに関してはそういう暗黙の了解みたいなものがありません。時短が20回でも50回でも容認されているでしょう。

このように、甘デジは、単に当りやすい機種(=小額で当りを引いて遊べる機種)ではなく、遊技性においてバラエティ豊富なジャンルであるといえます。
メーカーの裁量で工夫できる余地がミドルより多い。
お客にとってはホールでの選択肢が増える。
こうして甘デジはパチンコの多様化をもたらしました。

■ 甘デジのポジション
いいことづくめであれば、今頃はホールは甘デジ一色になっているところですが、甘デジの大きな問題として、大量出球を演出できないということが挙げられます。
慶次や牙狼などが人気を博すように、パチンコファンは1~2万個くらいペロっと出す機械が大好きです。
甘デジではそうはいきません。
かくして、甘デジは、ホールの主流たるギャンブラーなお客ではなく、所持金が少ない人や、とにかく演出を見るのが好きな人、あるいは一風変わった機種を好む人などにアピールする存在と位置づけられ、バラエティ的に使われるようになりました。
この辺りは、前回までに述べてきた通りです。

さらに、甘デジは利益を取りづらいという問題もありました。
これも前回までに説明したように、一時の甘デジブームの沈静化を経て、利益を取れるタイプ(不良スペック)へと甘デジが変貌させられたことで問題が解消され、若干盛り返してきたと思います。
これも、上記のように、甘デジのスペック的な裁量の余地が大きさによるものです。
ミドルとは違って、メーカーがちょっと本気を出せば、お客にわかりにくいやり方で辛い機械を作ることができるのですね。
ミドルだと定式化し過ぎていてごまかしが難しい。
余談ですが、MAXでは、出球が多そうに見えれば多少の難点は気づかれにくいので、ミドルよりは自由度が高い(お客をごまかしやすい)。これが、甘デジの変貌と同時進行したMAXブームの一因だと思います。

お客をごまかすというと聞こえが悪いですが、パチンコにおいてはお店が儲かってお客も喜ぶというのが理想ですから、ある意味相思相愛の関係です。
ただ、お客の注いだ愛が報われなかったのが問題なだけで。

■ 21世紀初頭なのに世紀末
パチンコ客が減少する中、パチンコ機は多様化を進めてきました。
この関係は、「パチンコ機が多様化した→パチンコ客が減った」のではなく、「パチンコ客が減った→パチンコ機を多様化してなんとか対抗した」というものです。
ゆえに、甘デジの変貌を単に批判するのでは、本当に単なる批判に終わってしまいます。
甘デジの変貌をもたらした原因ともいえる「パチンコ客離れ」を解決しないと、マジメスペックの甘デジや羽根物はもう戻ってこないでしょう。

それにしても、パチンコ機のさらなる多様化によってパチンコ客を引き留めることができるのでしょうか?
甘デジの変貌は、遊技性の多様化と引き換えにお客により多くの出費を求めるものでした。
さらなる変化があったとして、それによってさらに多くの出費を求めるという方向で本当にパチンコが存続していけるのか?
そう考えると、これからは違う方向性が必要なんじゃないかとも思われます。
パチンコ機のスペックをいじり倒すのではなく、むしろパチンコ機のスペックに細工をしなくてもホールとメーカーが存続していけるような工夫がないと、阿鼻叫喚のハードランディング一直線となるんじゃないでしょうか。

(つづく)