甘デジの変貌(9)
今回は(D) 大当たり差球の減少、についてです。
今回から、細かい点を突っつくことになります。
一見ちょっとした数字の違いや、ちょっとした台の動作の違いに絡む話になるでしょう。
波理論や遠隔理論を語る人は、こうした問題をどう説明するかわかりませんけど、パチンコ機にはあの手この手で細かく球を飲み込む工夫がしてあります。数個~20個程度の球がこっそり飲み込まれるという。
残念なことに、甘デジではそうした「工夫」が一層発動しやすいというか、影響が大きい傾向が見られます。
多分、業界関係の方はもう話の流れが予想できていたと思いますけど、甘デジの普及にともなって明らかになってきた問題・・・利益を取りにくい・あからさまに利益を取りたくない・だけど利益を取らないとやっていけない―を、お客にわかりにくい形で解決しようという「工夫」がいろいろなされているのですよね。
このブログで過去に書いた内容と重なる点も多いですが、思いつきで書いているのでご容赦くださいw
パチンコ球の重み
本論に入る前に、わずかな球数の増減にこだわる理由を少し説明しておきたいと思います。
例えば、パチンコ機Aは、従来の機種より大当たり1回につき5個の球を余計に飲み込む仕様だったとしましょう。
このパチンコ機Aが1日に何個多く球を飲み込むか。
大当たりが仮に平均50回としたら、250個ですね。4円貸し等価交換なら1000円分です。
1ヶ月で3万円弱(新装前の休みがありますから)の「増収」になります。
定価30万円くらいのパチンコ機ですから、この金額は無視してよいものではありませんよね。
大当たり1回で5個多く飲むだけで定価の1割引きと同じになります。
言い換えると、釘を締めて回収しなくても3万円が入ってくると言えますので、その分は釘を開けられるのですね。
もちろん、釘を開けない自由もありますw
大当たり1回で5個というと、5ラウンドの甘デジなら1ラウンドあたり1個です。
したがって、この1個をどうやってさりげなく回収するか、ということが問題ですね。
アタッカー賞球の減少
2006年以前の甘デジのアタッカーは、ほとんどが13個~15個賞球でした。
サミーやSANKYOは15個でしたね。
それが、2007年から、アタッカー賞球10個ないし11個という機種が次々と登場しました。
2007年前半でいえば、奥村の研ナオ子、うる星やつら3、京楽の歌舞伎剣、サンセイの超絶合体SRDなど。
2007年以前のアタッカー賞球が少ないタイプは、変則スペックが多かったのが特徴です。
2008年からは、むしろ10個賞球が一般化しました。
主要機種も続々と10個賞球になりました。
倖田來未、アクエリオン、エヴァンゲリオン、冬のソナタ2など、この頃の甘デジ主要機種はどれも10個タイプ。
15個賞球の主要機種はカリブくらいですね。
ところで、アタッカー賞球が3~5個も減ったら、1ラウンド1個どころじゃないんじゃないの?というのはもっともな話です。
各メーカーとも、アタッカー賞球の減少と引き換えに大当たりの総カウント数を大幅に増やしました。
総カウント数とは、私が適当に作った言葉であって多分本当は違う用語があると思いますが、ラウンド数×カウント数のことであり、大当たり1回を完全に消化するのに何個アタッカーに入れなくてはならないかという数です。
総カウント数の増加
賞球15個の機種は、4R9C~4R10Cが一般的でした。
4×9(10)=36(40)カウント
賞球13個だと、5R9Cが一般的。
5×9=45カウント
賞球10個になると6R9C~7R9Cが多くなりました。
6(7)×9=54(63)カウント
15個賞球の36カウントを基準とした場合、13個賞球は125%、10個賞球だと150~175%にカウントが増加しています。
大当たり中に打つ球数が増えるとどうなるか。
釘を調整して、アタッカーに入りにくくしたときの影響が大きくなります。
アタッカーになかなか入らないので2割多くの球を打つことになった場合を想定してみると、36カウントでは7.2個が余計にアウトに飲まれる計算だったのが、63カウントだと12.6個余計に飲まれます。
なんと、これだけでも、7R9Cの機種は従来の機種より5.4個多く稼ぎ出しました。
大当たり確率や確変率などいろいろ違っていますからこんなに単純ではありませんが、カウント数を増加させるとアウトを稼ぎやすくなるのはわかると思います。
7R9Cといえば代表格はエヴァンゲリオンの金色のやつですね。
打ったことがある方は心当たりがあると思いますが、7R9C10個630個も払い出されているとは思えないささやかな差球しか得られません。
総カウント数の増加は、釘の影響を拡大し、実際の出球性能をわかりにくくする方向に働くのです。
しかし、一般的には、総カウント数の増加、とりわけラウンド数の増加は、性能が甘くなったと勘違いされがちです。4Rより7Rが球が出るのは当然だろうという勘違い。
いわゆるボーダーラインが変わらなければ全然甘くはならないのだけど、数字のマジックで甘くなったと勘違いを生じさせます。
また、上記のように、総カウント数の増加の結果、計算上で同じボーダーだったとしても実態はむしろ辛くなります。
エヴァンゲリオンを打った人なら、7R9Cが全然甘くないことは直感的にもわかったと思います。
なにしろ打っても打っても球が出てきませんからねw
しかし、打つ前に予想がついたお客は少なかったんじゃないでしょうか。
また、打っていながらも辛さをはっきり認識しなかった人も多少はいたんじゃないでしょうか。これについてはまた違った要因も絡むので、後に再度考える予定です。
ラウンド数の増加はラウンド間の増加
ラウンド数が増加すると、総カウント数が増加するだけでなく、ラウンド間のアタッカーが閉じる回数も増えます。
4Rならラウンド間は3回ですが、7Rだと6回です。
つまり、大当たりということで打ちっぱなしにしている間に、アタッカーが閉じている時間が倍になっているわけです。
仮に4Rのときにラウンド間に10個打たれているとしたら、7Rでは20個になります。
これだけでまた10個も余計にアウトに飲まれることになります。
ラウンド数の増加はすなわち差球の増加ではなくアウト球の増加なのです。
また、ラウンド間にラウンド抽選演出が入る機種もありますね。
例えば、上へまいりま~すがそうです。ちょっと古い機種でWINKにも同様のスペックがありましたが、4R・5R終了時にしばらくアタッカーが閉じっぱなしになり、大当たりが継続するか否かという演出が挟まります。
ここで打ちっぱなしにすると10個くらい軽くロスできます。
お客にとっては演出の一種と認識されるけれど、お店にとっては貴重な収入源です。
お店にとっては、この演出のメリットとして、「継続」がない単なる4R・5Rのときにも大当たり終了後に打ちまくってもらえるという点があるでしょう。これは次の項目とも関係してくる問題です。
大当たり前後のあやしい挙動
大当たりの前後。
お客の気分は高揚しており、細けえこたぁいいんだよと気持ちが大きくなりがちですね。
そういうところに、2008年以降の甘デジがつけいる隙が生じるのです。
まず、大当たりが確定した後、アタッカーが開くまでが問題です。
全回転など、図柄が揃って停止する前に確定している場合は、打つかどうかはお客の問題と言ってもいいかと思いますが、図柄が揃った後が問題。
オメデトウ演出、昇格再抽選演出、大当たり告知演出、次々と祝福のタイミングがやってきますが、その間は抽選は行われず、アタッカーもまだ開いていませんね。
打てば打つほどにアウトに直行です。
この部分が長い機種が多い。
大当たり終了後も問題です。
確変か否かという演出が入る機種、大当たりの歌だけがなかなか終わらない機種、確変や時短が始まることを告知する演出が長い機種など、大当たり消化から続けて打ちまくっていると、抽選がないままでどんどんアウトに飲み込んでいく機種が多々あります。
甘デジは、大当たりの回数がミドル~MAXよりも多いですから、こうしたポイントでのロスの影響が非常に大きなものとなります。ミドルなら30回くらいのところが、甘デジなら100回近くになったりしますから。
甘デジ攻略の手がかり
しかし、こうしたポイントは、お客の技量を発揮するポイントでもあります。
どれだけ無駄を節約するか。
甘デジを打って勝っている人は、上記の各ポイントは改めて言うまでもないことと思うのじゃないでしょうかね。
すべて「無駄に打たなければいい」点ですから。
打ち出しを止めるだけでいい。
お店としては、お客に気づいてほしくない点だろうと思います。
なるべく気づかれないように工夫してある機種がありがたいのですね。
さて、このようにして大当たり賞球を得る過程でこっそりと余計に球が飲まれていく仕組みができました。
ちょっと時間がないので、つづきはまた次回。
(つづく)